時代の空気を紐解く数々の著書が共感を呼んでいる文芸評論家の三宅香帆さん。美容オタクを自認する彼女に、美容やベスコスの現在地について伺いました。今回は、インタビュー後編をお届けします!

文芸評論家三宅香帆さんが言語化する「美容の今と、ベストコスメという熱狂」
日本人のオタク&職人気質は美容誌と相性がいいと思う
文学に限らず、映画やドラマなどカルチャー全般を広く批評している三宅さん。文化を通して時代を見つめる彼女に、美容誌の存在はどう映っているのだろうか。
──そもそも、美容の専門誌が存在し続けることにはどのような理由があると思われますか?
「SNSを見ていると、メイク自体を愛する人がたくさんいると感じます。自分を良く見せたいという想いももちろんあるけれど、それ以上にコスメ自体が好きな人も多い気が。自身のベスコスを最強のカードデッキにたとえる人もいて(笑)、そういったオタク気質や職人気質な部分と美容誌って相性がいいのかなと思います。
車雑誌や料理雑誌と同じように、写真を眺めて癒やされる人も多いはず。付録狙いで買う方も、オタク心に刺さる膨大な情報量とその楽しさに触れて〝報われ消費〟の面でもかなり満たされるという……!」
──では出版事情が変化する今、美容誌に求められているものとは?
「モチベーションを上げてくれることじゃないでしょうか。美しい誌面やキャッチーな文言を眺めることでテンションが上がり、『明日は帰りに新作コスメでもタッチアップしに行こうかな』と思う。情報だけならSNSでも手に入るけれど、いつもと同じ日常を少し変えたい時に背中を押してくれるのは、雑誌の素敵なところだと思います」
なにかと多忙な現代人にとって美容の存在は「労働のお守り」
──美容に関する情報や製品はかつてないほどに増えていますが、現代の日本人にとって美容はどのような存在だと感じますか?
「労働に疲れた時に、気分を上げてくれる役割は大きいのではないでしょうか。職場だと華やかな服装やアクセサリーは身につけづらいけれど、そんな時でも自分の好きなリップを塗っているとちょっと幸せな気持ちになりますよね。
『寝不足が続いても、この美容液をつけたらなんとかなる!』みたいなレスキュー感もあったりして、労働のお守りのような存在と言えるかもしれません」
──「自分の機嫌は自分でとる」という、ご自愛要素は大きいかもしれないですね。そういった状況を踏まえて、美容の在り方はどう変化していくと予想されますか?
「みんなとにかく忙しいので、そこを和らげてくれるような美容が流行っていくんじゃないかなと。これまでって、美容を通して自分の理想に向かう人が多かった気がするんですよ。理想が強すぎるとしんどくなってくるので、その反動が来そうだなって。
作られたものより素を感じるものが支持されている現状も含めて、〝今の自分〟を活かせる美容を今後はみんなが求めていく感じがします」
三宅さん自身も“ベスコスの魔法”にかかってみたら──?
上半期のベスコス受賞アイテムの中から三宅さんが選んだ5品でメイク撮影を敢行! ご本人の人生ベスコスも教えてくれました。
ホットな色や輝きで魅せる夏めきフェイスを堪能

普段セルフメイクが多いので今回の撮影では学びがたくさん!例えば、リップ。ハードルが高く感じる色みのリップも、柔らかなグロスを重ねると顔になじむんですね。色をのせる位置やラメとパールの使い分けも新鮮で、夏っぽさを感じる仕上がりが素敵でした。
ちなみに、私の人生ベスコスは紫の発色が絶妙なセルヴォークのアイブロウパウダーの03と、自然な陰影が作れるEmery Emilyのコントゥアスティックの2つ。
スキンケアはアスタリフト信者で“ジェリー アクアリスタがないと死ぬ!”と思いながらストック中。オバジのC25セラム ネオとオバジXのバイタライズ リフトクリームにも頼りきっています。
Use Items
【A】THREE スターゲージングアイシャドウクアッド 09
アイパレット部門3位

¥7480
「思った以上に発色がよく、今の時期にぴったりなカラー」(三宅さん・以下同)。
【B】NARS ライトリフレクティング ルミナイジングブラッシュ 04859
チーク部門4位

¥6490/NARS JAPAN
「見た目からして可愛いけれど、肌にのせた時の発色がさらにキレイ」。
【C】RMK グロウ イルミネーター 01
シェーディング・ハイライト部門3位

¥3080/RMK Division
「みずみずしいツヤ感が◎」。
【D】ゲラン キスキス ビー インテンス 168
リップスティック部門5位

¥5940
「モードっぽい印象になるかなと思いましたが、実際に塗ると血色感があって可愛い!」。
【E】シャネル ルージュ ココ イドゥラ グロス 432
グロス&リキッドリップ部門4位

¥5830
「繊細なきらめきで、夏っぽい口元に仕上がります」。
HOW TO MAKEUP
Aの右上をアイホール全体に塗り、左下を上まぶたのキワと下まぶたの目尻側3分の1にオン。右下を上の目尻に、左上をアイホールのくぼみに重ねて立体感の強化を。
Bを小鼻の横に丸くふんわりのせたら、頬骨上と鼻根、鼻先にCを狭めに塗ってツヤをプラス。
唇全体にDをオーバー気味に塗り、唇の山と下唇中央にEを重ねてぷくっとキュートな口元に仕上げて。

三宅香帆著 ¥1100/PHP研究所
注目の著書『考察する若者たち』
若者を中心に、映画や漫画の解釈における正解を当てにいく考察ブームが巻き起こる昨今。正解という報酬を得ることで「報われたい」と願う思考から、令和日本の深層に迫る一冊。
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MAQUIA 2026年8月号
(三宅さん写真1枚目)カットワンピース¥35200/リタン 青山店(リタン) つけ襟¥41000/office. koizumi(フェイブル アンド フェイラー) パールリング¥31900/SUQUA(スクア) その他/スタイリスト私物
(三宅さん写真2枚目)ブラウス¥38000/office. koizumi(フェイブル アンド フェイラー) ピアス¥9800/gemma alus(ジェンマ アルス)
撮影/田形千紘〈TRON〉(人物) 橋口恵佑(物) ヘア&メイク/佐々木れな〈Three PEACE〉 スタイリスト/藥澤真澄 取材・文/真島絵麻里 企画・構成/髙橋里佳(MAQUIA)
公開日:





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