「MAQUIA」5月号では、何年先もぶれない美を手に入れるための「内臓美容」に注目。東洋医学から見た内臓の働きや、臓器と相性のよい食材を教えます。
健康こそが最高の美容法♡
内臓美容100BOOK
東洋医学から見た内臓美容
体の属性を5つに分類したのが東洋医学の“五臓”。西洋医学とは異なるアプローチで健康に。
北京中医薬大学 医学博士
尹 生花先生
東洋医学をベースにしたホリスティックサロン「BHY」を展開。著書は『みんなの臓活–五臓をのぞき、活かす–』(ワニブックス)など。
東洋医学の“臓活”とは?
生きるのに必要な働きを
分類したものが“五臓”
西洋医学とは異なり、東洋医学では世の中に存在するものすべてが5つの属性から成り立っているとされる。
「この“五行説”という考えに基づき、人間の体の属性は肝、心、脾、肺、腎の“五臓”に分類されます。五臓は、体を構成する気(エネルギーのもと)、血(血液とその働き)、水(血液以外の水分)の3つを体内で育み、体中に巡らせる働きをもっています」
そして、五臓は自然と連動するというのが東洋医学の考え方。
「動植物は季節の流れで変化を繰り返しますが、人間も同じ。自然の気の流れに合わせて健康を手に入れるのが“臓活”です」
季節と五臓の関係
人間は自然の一部であるとされ、肝、心、脾、肺、腎の五臓それぞれの働きは季節と連動。
春
気を体中に巡らせる
“肝”の季節
“肝”には木の枝が伸びるように、気や血の流れをなめらかにする働きが。肝が弱ると血が滞り、シミや目の下のクマ、爪などのトラブルが発生。この時期はのんびり穏やかに過ごして。
梅雨(※)
栄養を吸収する
“脾”の季節
人間が健やかに生きるための大事な基盤となるのが“脾”。飲食物から栄養を取り出し、気や血、水に変えて全身へ運ぶ。脾が弱ると消化器系のトラブルだけでなく、体全体の機能低下に。
※日本の梅雨も含むが、本来東洋では夏と秋の間に位置する「長夏」のこと
夏
生命にもっとも
重要な“心”の季節
五臓を調和させ、まとめるのが“心”。感情や思考などに加え、全身に血を巡らせる働きも。心が弱ると顔のツヤが失われたり、疲労感や倦怠感が現れる。回復には気分転換と十分な睡眠を。
秋
呼吸で気を巡らせる
“肺”の季節
呼吸を通じて古くなった濁気を吐き出して新鮮な清気を取り入れ、体内の気を入れ替える“肺”。秋から冬に風邪をひきやすい人は肺が弱っている。深呼吸して清気をたっぷり吸うこと。
冬
エネルギーをためる
“腎”の季節
精を保管するのが“腎”の役割。全身の水分代謝も行う。冷えは腎の大敵なので、体を温めたり、太陽の光を浴びること。また、腎を支える足腰を鍛えることが、腎を高めることにつながる。
臓器と相性のいい食材
東洋医学の知恵をもとに5つの臓器によい食材を紹介。バランスよく食事に取り入れて。
乾燥から守り、うるおいを与える
呼吸器を守るのは乾燥から守り、うるおわせてくれる食材。わさびなど辛みを含んだものは気や血の巡りを活発にし、こもりがちな熱や湿気を発散させる。ただし摂り過ぎはNG。
気の滞りを解消し、血流をよくする
大量の血液が流れ込む肝臓には気の巡りをよくし、血流を促す食材を。春が旬のキャベツ、酸味のあるレモンのほか、動物性食材は血をためる作用をサポートするのでしじみなど貝類も。
うるおいを与えて流れをスムーズに
東洋医学では“脾”や呼吸器系と同じ“肺”に入る大腸。便秘などを防ぐためにこちらも乾燥から守る食材がポイント。山芋や白菜など白い食材もおすすめ。豆腐や大根、米などもよいとされる。
水分代謝を支えてむくみを改善
東洋医学の“腎”は自然の“水”に相応し、体全体の水分代謝を調節する働きが。腎臓もそのひとつにあたる。そのため、余分な水分を取り除く昆布や、とうもろこしなどの食材がおすすめ。
生命のエネルギーをしっかり蓄える
生殖に関わる子宮・卵巣も “腎”に含まれる。黒豆やごまなど黒い食材がよい。精の力を高めるには海老や帆立を。とくに妊娠時は鹹味(かんみ)(ミネラルを含む塩辛い味)のくるみを食べて。
MAQUIA 5月号
イラスト/德丸ゆう 取材·文/中木 純〈デジタルライツ〉 構成/萩原有紀(MAQUIA)
最終更新日: