「MAQUIA」3月号では、季節の変わり目などに生じる肌の不調について、専門家が正しい知識を伝授。ざわつく肌の原因やギモンに、Q&A方式でお答えします!
カサカサチクチクひりひり
体の外&中からの刺激で悲鳴を上げる
“ざわつく肌”を落ち着かせる100問100答
季節の変わり目や月経前などに感じる、いつもとは違う肌の不調。ヒリヒリしたり赤み、かゆみが出たり……肌も心もざわざわするのはなぜ? ざわつきの正体を見極めて、どんなときでもゆらがない美肌を目指して。
お話を伺ったのは…
銀座ケイスキンクリニック 院長
慶田朋子先生
「切らないハッピーリバースエイジング」を叶える美容皮膚科として患者から厚い支持を集めている。多方面で活躍中。
いけした女性クリニック 院長
池下育子先生
開業から27年。産科・婦人科の診療のみならず女性の体と心の悩みに積極的に取り組んでおり、幅広い女性から支持が。
資生堂 グローバルイノベーション センター 研究員
菊田雅之さん
季節や寒暖差などでゆらぐ肌をケアする製品開発や、大気汚染を寄せ付けないシールド技術の情報開発などに携わっている。
どうして今、肌がざわつくの?
私たちを取り巻く生活の中には、肌をざわつかせる原因がいっぱい! 何が肌をざわつかせるのかを知って、早めの対策を。
Q ざわつく肌ってどういう状態?
A 赤みやかゆみ、炎症などが起こっている肌のこと
「いつも使っている化粧品なのにピリピリとした刺激を感じたり、かゆみや赤みなどを感じたり、吹き出物が出やすくなるなどトラブルを起こしやすい不安定な状態になっている肌のことをいいます。誰にでもざわつき肌になる可能性はあります」(慶田先生)
Q なんで肌がヒリつくの?
A 肌のバリア機能が低下したせい
「バリア機能が低下すると肌内部から水分が逃げやすくなって乾燥を引き起こし、外部からの刺激も受けやすくなるので肌がざわつきやすくなります」(慶田先生)
Q 敏感肌とざわつき肌は同じこと?
A 症状的には同じです
「どちらもバリア機能が低下しているという点では同じです。ただ、敏感肌は慢性的に低下している肌ですが、ざわつき肌は一時的なものです」(慶田先生)
Q ピリピリを予防するには?
A とにかく保湿!
「肌をざわつかせないためには、きちんと保湿をして肌を乾燥させないことが大切です。肌が十分潤っていると、バリア機能も正常に働きます」(慶田先生)
Q 肌がざわつくのは遺伝?
A 遺伝と生活環境、どちらも影響します
「アトピー体質など遺伝的にバリア機能が弱い人もいますが、睡眠不足や食生活の乱れなどの生活環境によってもバリア機能は低下します」(慶田先生)
Q ストレスで肌がざわつくのはなぜ?
A 交感神経が優位になり、代謝が悪くなるからです
「ストレスがかかると交感神経が優位になり、末梢の血管が収縮し、消化吸収も悪化。すると肌の代謝が悪くなり、バリア機能が低下します」(慶田先生)
Q 湿度も肌のひりつきに影響する?
A 湿度が50%を切ると要注意
「湿度が50%を切ると角層の水分も蒸発しやすくなり、肌は乾燥状態に。特に冬は暖房の影響でさらに乾燥が進むので、加湿器を上手に使いましょう」(慶田先生)
Q 寒暖差でも肌がピリピリするって本当?
A 本当です
「最新の研究から寒暖差によりバリア機能と潤いに重要な酵素カスパーゼ14が減少し、直接的に肌荒れをもたらす要因になることが判明しました」(菊田さん)
肌の潤いバランスを整えるプレ美容液。d プログラム カンダンバリア エッセンス 40ml ¥3000/資生堂インターナショナル
Q 肌フローラルと肌のざわつきも関係ある?
A バランスが崩れると肌もざわつきます
「肌フローラの乱れはバリア機能の低下を招くので、洗いすぎ、こすりすぎ、保湿不足には要注意。ひんぱんな顔剃りも肌フローラを乱す原因に」(慶田先生)
Q 月経前になると肌が過敏に
A 女性ホルモンの影響です
「月経前は黄体ホルモンが活発になるので、皮脂の分泌が盛んになります。そのため肌はベタつきがちになり、肌トラブルが起きやすくなります」(池下先生)
Q いちばん肌が刺激を感じる季節は?
A 1年中刺激を感じる可能性アリ
「季節の変わり目や寒暖差、花粉、大気汚染など肌をざわつかせる要因はさまざま。そのため、1年中いつでも肌がざわつく危険があります」(慶田先生)
Q 肌がざわざわしやすい地域ってある?
A 湿度が低く、日照時間の長い地域にはざわつく傾向が
「統計的なデータがあるわけではないのですが、湿度が低くて日照時間が長い地域は肌が乾燥しやすい環境なのでざわつきやすいと言えそうです」(慶田先生)
Q 年齢を重ねると、肌はゆらぎやすくなる?
A 乾燥しやすくなります
「加齢によりターンオーバーが遅くなり、角層の重層化や水分量の低下を引き起こします。また、皮脂量も低下するので肌は不安定な状態になります」(菊田さん)
Q 肌がピリついているときは、何を使えばOK?
A モイスチャライザーでしっかり保湿を
「クリームなど、水分保持力のある成分を含むモイスチャライザーで保湿を。ざわつきがひどいときは、肌にしみないバームやワセリンなどで保護を」(慶田先生)
肌をこするような塗り方だと刺激になるので「スタンプ塗り」を。クリームやバームを手のひらでよくなじませてから、上から押さえるように顔全体にオン。
Q ざわざわする肌質を改善することはできる?
A 保湿と生活習慣の見直しで改善できます
「刺激をできるだけ避けてしっかり保湿し、バランスよく食べてきちんと寝るという生活習慣を心がけていると、肌はざわつきにくくなります」(慶田先生)
Q 肌がチクチクしているときに特に気をつけるべきことは?
A 最低でも6時間程度の睡眠を心がけて
「睡眠時間は肌の大切な再生時間。睡眠は“質”といいますが、きちんと肌を回復させるには最低でも6時間ぐらいの睡眠時間は確保するようにしましょう」(慶田先生)
100%天然植物精油の香りで眠りをサポート。(右)アスレティア スイッチング アロマオイル SLEEP 10ml ¥3500/アスレティア (左)ザ パブリック オーガニック スーパーディープナイト ホリスティック精油ディフューザー ディープスリープ 180ml ¥15000/カラーズ
Q ざわついているときはメイクをしないほうがいい?
A そうとも限りません
「メイクが膜となって肌を守るので、一概にノーメイクがいいとは言えません。肌を刺激しないよう、低刺激処方のものを手で塗るのがおすすめです」(慶田先生)
(右)1本で下地としてもファンデーションとしても使える。オンリーミネラル ミネラルCCクリームS SPF40・PA+++ 28g ¥3500/ヤーマン(2/1限定発売) (左)目元や頬などマルチに活躍。ミネラルマルチパウダー リネンベージュ ¥2300/エトヴォス
Q 顔だけでなく体にもかゆみが出る?
A すね、腕、腰回りは乾燥注意
「肌が露出しているすねや腕は乾燥しやすく、皮脂量も少ないのでざわつき注意です。そのほか、腰回りも皮脂が出にくいので保湿するのを忘れずに」(慶田先生)
Q インナーケアで肌のざわつきを抑えることはできる?
A 腸内環境を整えましょう
「便秘は肌を乾燥させるので、腸内環境を整えるのは◎。また、油を抜く食事は細胞間脂質の合成を悪くするので肌の乾燥を引き起こします」(慶田先生)
青りんご風味でおいしく手軽に腸内環境を整える。ニュートリションピース オリゴ糖&酵素 60粒 ¥900/オルビス
Q 肌に赤みがあるときはシャワーよりお風呂に入ったほうがケアできる?
A 長風呂や温度の高いお風呂はNG
「体を温めるお風呂はおすすめですが、長風呂や42°C以上のお風呂は肌に必要な皮脂が流れ出るのでNG。保湿効果のある入浴剤を使うなどして、15分程度を目安に」(慶田先生)
(右)保湿成分が浸透し、入浴後の乾燥を防ぐ。キュレル 入浴剤 420ml ¥1000(編集部調べ)/花王 (左)乾燥で固くなった肌をしっとり肌に導く。薬用ソフレ キュア肌入浴液 ミルキーハーブの香り(医薬部外品)480ml ¥933(編集部調べ)/バスクリン
Q ざわついて肌がゴワつくときの洗顔は?
A 酵素洗顔を取り入れてみて
「古い角質が残っている肌はゴワつくだけでなく、バリア機能も低下して肌を乾燥させることに。週1〜2回の酵素洗顔で角質ケアを取り入れてみて」(慶田先生)
(右)ピュアビタミンC×酵素の力でザラつきを一掃。オバジC 酵素洗顔パウダー 0.4g×30個 ¥1800/ロート製薬 (左)潤いを守りながら古い角質をオフ。スイサイ ビューティクリア パウダーウォッシュN 0.4g×32個 ¥1800(編集部調べ)/カネボウ化粧品(3/1発売)
MAQUIA 3月号
撮影/天日恵美子(モデル) ヘア&メイク/藤本 希〈cheek one〉 スタイリスト/立石和代 モデル/黒澤はるか イラスト/沼田光太郎 きくちりえ〈Softdesign〉 取材・文/関本陽子 企画・構成/髙橋美智子(MAQUIA)
※本記事掲載商品の価格は、本体価格(税抜き)で表示しております。掲載価格には消費税は含まれておりませんので、ご注意ください。
【MAQUIA3月号は1月22日(水)発売!】