美容やメイクとの向き合い方を改めて考える短期連載。今回は「化粧」が持つ意義やその可能性について、KANEBO PRの松井さん、ビューティライターのAYANAさんにお話を聞きました。

「化粧は外見ではなく内側を変えるもの」コスメブランドに携わる二人のメイクとの向き合い方

キレイになるのは誰のため?

もっと自由に「化粧する」

お話をうかがったのは
松井

KANEBO PR

松井さん

花王入社後、デジタルメディア企画室の配属となり家庭用品のマーケティングを経験。2024年より、ブランドフィロソフィーに感銘を受けたKANEBOのPRを担当している。

KANEBO PR 松井さんMAQUIAインタビュー

男性も、化粧でワクワクできるから

メイクの力を使えば何者にでもなれる

メイクを始めたのは、21歳の頃。男性ってワクワクする機会が少ないかも……と感じる中で、ときめきを日常に落とし込むツールとして一番手軽な気がしたんです。

普段はその日一日のテーマを決めてそこに合わせてコスメを選ぶのですが使い方も毎回変えるというMYルールが。常に変わり続けていたいから、固定化はしたくなくて。

その点メイクはリップの塗り方ひとつで気分が変わるし、時には思いっきり刺激的なメイクも楽しめる。何者にでもなれて、自分を表す単語がどんどん増えていく気がするんですよね。

学生時代に恩師から言われた「人生に自分で彩りを添えられる人はそういない」という言葉が僕の生き方の指標になっているのですが、飽き性な自分にとってメイクは人生を楽しみ続ける工夫のひとつなのかもしれません。

化粧は外見ではなく内側を変えるもの

メイクって、顔に施したら自分ではもう見えないじゃないですか。でも、見えてないのに自信が湧いたりその日一日前向きになれたりする。

結局、外見ではなく内側を変えるものだからこそ、僕の中で化粧品で目指すゴールは美ではなくて。似合う、似合わないという捉え方で自分を型にはめることでもなく、“その日自分はどう生きたいか”という信念や“誰に何を言われようと、このメイクをした自分を好きか”のときめきが選ぶ基準に。

主人公は自分で、化粧品はそんな信念や行きたい方向に伴走してくれるもの。こうして“好き”を明確にしていくことで、どんな自分も大切にできるようになる。そして周りの人や人生を豊かにするものに目がいくようになって、見える世界がより鮮やかになると信じているんです。

カネボウ ルージュスター ヴァイブラント V16

KANEBO PR 松井さんインタビュー イチオシのリップ カネボウ ルージュスター ヴァイブラント V16

¥5060/カネボウインターナショナルDiv.

自由なメイクに欠かせない1本
「“口紅には人生を変える力がある”というコンセプトに惚れました。仕上がりはもちろん唇のきれいが続く。いつだって背中を強く押し続けてくれるリップは、私の人生コスメです」(松井さん)

松井さんと「化粧」のHistory

2011 K‐POPを通じメンズメイクの存在を知る


2017 韓国に留学しスキンケアの重要性に気づく


2018 日本に帰国後、自己表現としてメイクを始める


2019 大学の卒論で男性の化粧文化について執筆


2020 生活を美しく彩る企業理念に惹かれ花王に入社


2024 コンセプトに深く共鳴したKANEBOのPRに



お話をうかがったのは
AYANA

ビューティライター

AYANAさん

コスメブランド数社で調色や開発などの業務を務めたのち、フリーランスに。現在は書籍などの制作を行うほか、『オサジ』のメイクアップラインのディレクションを担当。

オサジのディレクション担当 AYANAさんインタビュー

メイク=「綺麗になる」以外の関わり方

一つの化粧品から広がる世界を楽しみたい

作り手として関わる機会も多い中で化粧品に感じた想い、それは“こうあるべき”はできるだけ少ない方がいい、ということでした。

「年齢を重ねても美しくなきゃいけない」「むしろ年齢を重ねるほど美を研ぎ澄まさねば──」。

今の時代にはそんな空気も感じるけれどメイクはもっと自由で、使う人それぞれの存在や人生を尊重するものであってほしい。手にする目的が顔と直結していなくてもいいんです。

私が手がけるオサジのコスメは色名を日本語にしているのですが、「なぜこの名前?」と意味を考えたり、自分で物語を想像したり。自発的に選び取り、楽しみを見出す。そうやって自身の世界を広げるきっかけのひとつに化粧品があったら素敵だな、と思っています。

心地良さを拾い集めた先にある“自分”

今は様々なルールが曖昧だからこそ、自身がどうありたいのか考えることを厳しく捉える人もいれば、すごく自由だと感じる人も。

ただ、そうやって自分で選べること自体が“自由”なんですよね。「自分なりの素敵の定義ってなんだろう?」と、いろんな角度から探すことができて、その一環にメイクがある。

とはいえ、“自由”って、実はすごく難しくて。選択の幅が広すぎて道筋が定まらない人は、自分が興味があることを考えるところから始めるといい気がします。それも厳しい場合は、二択から選ぶのもひとつの手。

「メイクした肌と素肌、どっちが自分らしい?」と、心地良さを一個ずつ拾い集めていく中で、徐々に自身の輪郭が見えてくるはず。

オサジのディレクション担当 AYANAさんインタビュー 絵画

自由なメイクに欠かせない1品


「オサジのホリデーパレットは、私にとってまさに“世界観を楽しむアイテム”。パッケージを眺めるだけで想像が広がるんです」(AYANAさん、以下同)

オサジのディレクション担当 AYANAさんインタビュー 愛用アクセサリー

「ルールを破る美しさを学んだのが、シュウ ウエムラの『モードは掟を破る権利がある』という言葉。カッコよさに痺れました(笑)」

オサジのディレクション担当 AYANAさんインタビュー 愛用しているフレグランス

「スタイルを形作るという意味では、香水は服やアクセサリーに近い気が。スパイス系にローズやアンバーを合わせた香りが好み」

オサジのディレクション担当 AYANAさんインタビュー 愛用しているコスメ

「私自身は綺麗になるためにメイクするという意識がなくて。コスメに対しても鑑賞者のような感覚で色や質感を楽しんでいます」

オサジのディレクション担当 AYANAさんインタビュー 感性を磨く書籍や写真集

「私の中で美と精神性は切り離せないもの。ここにある書籍や写真集は、マインドや感性の形成を支えたいわばルーツといえる存在」

AYANAさんと「化粧」のHistory

1992 『CUTiE』のメイクページで美の世界に開眼


1996 大学に通いながら夜間のスクールでメイクを学ぶ


1999 シュウ ウエムラでオーダーメイドのカラー制作を担当


2007 オーガニックのコスメブランドで開発職を務める


2012 フリーに転身し書籍や記事の制作に携わる


2019 オサジのメイクアップラインのディレクターに就任



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