涼しげな雰囲気をつくるポイントは、まとめ髪。「MAQUIA」9月号から、神崎 恵さんが考える、真夏の通勤美女スタイルをお届けします。
神崎 恵
mnuit主宰。美容家としての活動の他、累計118万部を超える著書の執筆をはじめ、雑誌の撮影やトークショー、セミナーなどで全国を飛び回っている。待望の新刊『あの人がいつも色っぽいワケ』(大和書房)が発売になり、さらに多忙を極めている。
実は奥が深い!
神崎流まとめ髪
こだわりのルール
まとめ髪。凝りすぎても、雰囲気がなさすぎるのも可愛くない。サラッとまとめたような余裕と、全方位雰囲気があって美しいのが理想。 大人の女らしさなら、位置はうなじでまとめる。低いと大人っぽく、高くなるほどに可愛らしくなることを覚えておきたい。まとめる前に、全体を軽くアイロンで巻くことで、ゆるっとした雰囲気が出やすく、しかもカタチをつくりやすい。顔周りの髪をぴったりまとめるとモードに、ゆるく出すと女っぽい仕上がりに。 さらに、首元がつまっている服に合わせることで、バランスアップ。そして、より顔や首の美しいラインを引き立てることができる。
透明感、立体感、発光感を備えた三位一体肌が主役
美しさとはこんなにも心涼やかにするものか......と。まるで美しい景色を目にしたときのように、心に透明な風が吹く瞬間がある。ただ綺麗。とか、ただ可愛い。を越えた、すっと胸に染み込むような、思わず心引き込まれる美しさ。
それは、暑さが最高潮に達する頃に訪れる。じわりと体全体にまとわりつき、毛穴にまで入り込んでくるような息苦しさを感じるほどの暑さ。肌も髪もジトっと湿気を含み、色やツヤは濁り、 形も決まらない。いくら念入りにヘアアイロンをかけても、外に出れば瞬殺で崩れてしまう。顔の上も同じく、全ての色が濁ってどんよりとベタつく。そこに重苦しい体感も加わるから、表情までもがふやけたようなしまりのなさと憂鬱さをにじませる。この季節、綺麗でいることは、とてつもなく難しい。
数十年生きてきて、この時期の悩ましさを実感しているからこそ、この季節をすらりと美しく過ごす女性を見て心洗われ、その涼やかさにうっとりとしてしまう。それを深く感じるのは通勤シーン。朝でも夕刻でも、この時期の重だるさ、そして仕事にまつわる気持ちの重さ。それが重なり、みながある種の気だるさに覆われる。そんなとき、ふとすれ違うひと、時間を一瞬でも共にするひとが、まるで冷蔵庫を開けたときのような涼やかさを纏っていたら。無条件にそばにいたい、この感じをもうしばらく感じていたい、と思ってしまうはず。気だるさをまとった重苦しい女でいるか、それとも、そばにいたいと目が離せなくなる美しい女でいるのか。それは感覚温度にかかっている。
この時期美しくいるために必要なのは、心地のいい涼やかさ。ただ目に映るだけでこちらまで涼しくなるような、感じる質感が涼しい女であること。そうあるために大きな威力を発揮するのがまとめ髪。首元と顔周りに涼やかさをはらむだけで、顔も全体から湧き出る空気までもがマイナス3度。涼しげなまとめ髪こそがこの季節、美しい女にしてくれる条件。そして、そのまとめ髪の効果を最大限発揮するよう、肌には、美しい立体感を生むベースアイテムを使うこと。内からの透明感でつくる立体感は、全方位、どこからみてもひんやりと涼やかな美しいひとにしてくれる。
神崎恵・美人レシピ
MAQUIA9月号
モデル・メイク・文/神崎 恵 撮影/增田勝行〈SIGNO〉 ヘア/赤羽麻希〈joemi by Un ami〉 スタイリスト/コギソマナ〈io〉 構成・文/若菜遊子(MAQUIA) 撮影協力/ホテルニューオータニ東京
【MAQUIA9月号☆好評発売中】