普段、何気なく摂っている「糖」と「塩」。摂り方次第で体や肌にマイナスにもプラスにも働くから正しい方法を知っておくべき。今回は、「糖」の基礎知識とダイエットとの関係を解説します。

糖 ダイエット 

この2つを制すれば美肌力も健康力もアップ!
「糖」と「塩」のQ&A

お話を伺ったのは
浅野まみこさん

管理栄養士

浅野まみこさん

総合病院、女性クリニック、企業などで18000人以上の栄養相談を行った経験を生かし、現在、食育活動やレシピ開発、食のコンサルティング、講演など多方面で活躍中。

エネルギーの源だけど摂り方にコツあり! 「糖」編
糖ってどんなもの?

Q そもそも糖って何?

A 糖類は 単糖類二糖類 の総称
「糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、でんぷんなどの多糖類、糖アルコールなどがあり、そのうちブドウ糖などの単糖類と、砂糖などの二糖類の総称が糖類です」(浅野さん)

炭水化物=糖質+食物繊維

Q 糖の体での働きとは?

A 体にとってなくてはならない エネルギー源
「糖は体や脳を動かすためになくてはならないエネルギー源です。脂質やたんぱく質よりも素早く使われ、1gあたり約4kcalのエネルギーを産み出します」(浅野さん)

Q 糖が不足するとどうなる?

A エネルギー不足低血糖
「糖が不足するとエネルギー不足になり、疲れ、ふらつき、思考力の低下などが起きやすくなります。低血糖になって震えや吐き気、イライラなどが起こることも」(浅野さん)

「糖」と「ダイエット」

Q 糖を多く摂ると太るメカニズムとは?

A インスリンが過剰に分泌され、脂肪として蓄えられてしまう
「糖質を摂ると血糖値が上がり、膵臓から血糖値を下げるためにインスリンが分泌されます。インスリンには血中の糖を脂肪に換えて体にため込む働きが。糖質を多く摂ると血糖値が急上昇し、インスリンが過剰に分泌され脂肪として蓄えられ太るのです」(浅野さん)

Q 糖の中で特に太りやすいものって?

A 体への吸収が速いブドウ糖や果糖
「単糖類のブドウ糖は体への吸収速度が速いので血糖値が急上昇し、太りやすいです。中性脂肪として蓄積されやすい果糖も太りやすい糖質。さらに要注意なのが清涼飲料水などに含まれる果糖ブドウ糖液糖。摂ると血糖値が爆上がりするので控えめに」(浅野さん)

Q 糖を摂り過ぎると太る以外にどんな悪影響がある?

A むくみ、イライラ、眠気などのほか「糖化」も進む
「むくみやすくなるほか、血糖値が急激に上がり、その後、今度は急下降するためイライラや眠気が生じやすくなります。また体内で余分な糖がたんぱく質と結びつくと“糖化”が起こり肌や血管、骨などを劣化させます」(浅野さん)

Q 1日の糖質の量はどれくらいにするといい?

A 炭水化物を食事全体の50~60%にし、1日300gを目安に
「1日の摂取エネルギーのうちたんぱく質を13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜60%にするのが理想的。一般的な目安量は1日300g程度。ダイエット目的ならもう少し減らすとよいでしょう」(浅野さん)

Q 糖質が多い食べ物って?

A 甘いもの全般や、ごはんパンなどの主食
「糖質が多いものは、ケーキやクッキーや和菓子などの砂糖を使った甘い物全般です。そのほか、ごはんやパン、麺などの主食や、じゃがいもやさつまいもなどのいも類、かぼちゃ、果物なども糖質が多い食品」(浅野さん)

甘い物、ごはん、パン

Q オリゴ糖ってダイエットにいい?

A 便秘改善によく、カロリーも砂糖より控えめなので◎
「オリゴ糖は善玉菌の餌になり腸内環境を整えるので便秘改善に効果的。砂糖より低カロリーでダイエットに◎。バナナや大豆、たまねぎ、はちみつなどに多く含まれます。市販のオリゴ糖を使うのもいいですね」(浅野さん)

オリゴ糖が多く含まれる食べ物

Q 太りにくい糖の摂り方とは?

A 精製度が低い食品を選び、野菜や肉を先に摂る
「精製度が低いものを選ぶと血糖値の急上昇を抑えられておすすめ。小麦粉製品より米を、白米より玄米や雑穀米などを選んで。先に食物繊維が多い野菜や肉などのたんぱく質から摂るのも血糖値の急上昇防止に」(浅野さん)

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撮影/岡﨑恒彦 イラスト/二階堂ちはる 取材・文/和田美穂 企画/髙橋美智子(MAQUIA)

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