病気の一歩手前の“未病”について知ろう。「MAQUIA」3月号から、すぐに実践できる専門家のアドバイスをお届けします。

頭痛、うつ、不眠、花粉症etc. ……専門家が答える不調対処法とは?_1

肌も体も心も、揺らいでしまうから。
繊細な私がHappyになるための100問100答

教えてくれたのは…
工藤孝文先生

工藤内科副院長

工藤孝文先生

漢方からホルモンコントロールまで最新の医療・健康情報を発信。

環境の変化に繊細な体
季節や天気の変化など、環境が変わると心身に不調が出てしまうのも最近増えているお悩み。病気の一歩手前の“未病”や、“天気痛”について知ろう。


 


いつもなんとなく不調……
未病(みびょう)


Q 頭痛というほどではないけど頭が重くてボーッとします
A  “気”の流れの滞りが原因の可能性が
「漢方では体を巡る気(生命エネルギー)の流れが滞る“気滞”(きたい)という状態になると頭重感が出やすいとされます。気滞はストレスや心身の疲労などが原因なので、ストレス解消や十分な休息を心がけて」(工藤孝文先生)


Q 冬はなかなか布団から出られない。スッキリ起きるには?
A 90分の倍数で目覚まし時計をセットしてみて
「睡眠中は、浅いレム睡眠と深いノンレム睡眠がセットになって約90分間隔で繰り返され、レム睡眠時だとすんなり起きられるとされているので、90分の倍数の時間で目覚まし時計をかければ起きやすく」(工藤孝文先生)


Q 最近イライラしやすい。どうしたら抑えられる?
A ガムを噛んで、“セロトニン”の分泌を促して
「簡単な方法がガムを噛むこと。ガムを噛むと脳で精神安定作用のあるセロトニンが分泌されるうえ、リラックスを促す副交感神経も優位になりイライラが鎮まります」(工藤孝文先生)


Q 眠りが浅く、疲れが取れません
A 寝酒や睡眠4時間前のカフェイン摂取は避けて
「就寝前の飲酒は眠りを浅くするのでNG。覚醒作用があるカフェイン飲料も就寝4時間前からは避けて。飲むなら心を落ち着かせるハーブティーなどを」(工藤孝文先生)

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ジャーマンカモミールなどをブレンドし、心身をリラックスさせ深い眠りに導くオーガニックハーブティー。フェアリー ジッパータイプ 10個入り ¥1500/ソテディ

Q 冬は、いろんなことが億劫に。やる気を出すには?
A  エネルギー不足を補うツボを押す
「気が不足した“気虚”(ききょ)という状態になると気力や元気が出なくなります。以下のエネルギー不足を補うツボ押しが効果的」(工藤孝文先生)

気海(きかい)

気海(きかい)
元気を生み出し、倦怠感を改善するツボ。おへそから指2本分下にある。ここを5秒押して5秒離すを5回。

足三里(あしさんり)

足三里(あしさんり)
元気を生み出すツボ。ひざのお皿の外側のくぼみから指4本分下。ここを5秒押して5秒離すを5回行う。

 起きたら朝日を浴びましょう

Q 冬は気分がブルーになりがち。よい対策は?
A  起きたら朝日を浴びましょう
「気持ちを前向きにするセロトニンは太陽光を浴びると増えます。起きたら朝日を浴びてセロトニンの分泌を促して。窓際で浴びる程度でもOKです」(工藤孝文先生)

Q 寒くなると手足がてきめんに冷えます。改善するには?
A  朝と夜にココアを飲んで血行促進を
「ココアに含まれる“テオブロミン”という成分には、手や足の末梢神経を広げる働きがあります。飲むと手足の血行がよくなり、体温が上昇するので朝と夜に飲んでみて」(工藤孝文先生)


Q 季節の変化に体が敏感です。冬に特に気をつけるべきことって?
A “肺”や“腎”のトラブルが起きがち。食事で改善を
「冬は、漢方でいう“五臓”のうちの“肺”が弱って風邪をひきやすくなったり、“腎”が弱って体が冷えて頻尿になったりといった不調が起きがち。肺によい大根やかぶなどの白い野菜、腎によい黒豆や黒ごま、黒きくらげなどの黒い食品を補って予防しましょう」(工藤孝文先生)


Q 春先に花粉症になりやすい。今のうちからやっておくべきことは?
A 食事や運動などで免疫力アップ
「当たり前と思うかもしれませんが、日頃からバランスのよい食事を摂り、適度な運動を取り入れて免疫力を保つことが大事です」(工藤孝文先生)


Q 慢性的な体調不良、考えられる原因は?
A  気・血・水”のどこかに問題があります
「漢方では体を“気・血・水”の3要素がバランスよく巡っていることを健康とし、このどれかが乱れると不調が現れます。特にコロナ禍で増えているのが下の3つのタイプ」(工藤孝文先生)


疲れやすく元気が出ない【気虚】(ききょ)
症状胃腸の不調、過労、睡眠不足、激しい運動などが原因で気が不足した状態。疲れやすい、気力や元気が出ない、だるい、食欲がない、顔色が悪いなどの症状が出る。
対策エネルギーが不足しているので、質のよい睡眠を心がけ、心身を休めて。冷たいものや生もの、脂っこい食べ物は控えて、胃腸を休めることもポイント。


うつっぽい、イライラしやすい【気滞】(きたい)
症状過度なストレスや疲労が原因で、気の流れが滞った状態。情緒不安定、うつっぽい、イライラ、眠りが浅い、寝付けない、なかなか起きられないなどの症状が出る。
対策交感神経が優位の状態なので、リラックスする時間を作り、副交感神経を優位にして。気を巡らす効果がある香味野菜や柑橘類などを取り入れるのもよい方法。


めまい、不眠、肌荒れ【血虚】(けっきょ)
症状偏った食事や、生理時の出血量が多いなどの原因で血が不足した状態。貧血でふらついたり、めまい、手足のしびれ、抜け毛、肌荒れ、不眠などの症状が出る。
対策さまざまな食材からバランスよく栄養を摂ること。特に肉(レバーや牛赤身肉)、魚(マグロ、カツオ)、大豆食品などのたんぱく質や、色の黒い食品がおすすめ。


MAQUIA 3月号
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/榛沢麻衣 スタイリスト/松尾正美 モデル/佐藤さき(マキアビューティズ) 取材・文/和田美穂 轟木あずさ 構成/村岡真知子(MAQUIA)


※本記事掲載商品の価格は、本体価格(税抜き)で表示しております。掲載価格には消費税は含まれておりませんので、ご注意ください。

最終更新日:

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