肌、ボディ、メンタルに大きな変化が訪れる40代は、歯の問題も起こりがち。そこで歯科医師が、OVER40の歯のトラブルと対策をアドバイス。知っておけば怖くない!
OVER40は「変化の世代」だから
40代を賢く乗り切るための
肌・ボディ・メンタルのトリセツ
歯科医
照山裕子先生
医療法人はなぶさ会理事長。歯学博士。東京医科歯科大学非常勤講師。著書に『新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)など。
オーバー40に起きやすい
歯・口のトラブルと対策は?
☑︎ 歯の黄ばみ
対策:歯のホワイトニング
「歯の黄ばみは、加齢とともに歯の表面の半透明のエナメル質の部分がすり減っていく一方で、内側の象牙質の黄ばみが強くなり、それが透けて見えるようになるのが大きな原因。改善するには歯科医院でのホワイトニングが効果的。歯に含まれる色素を分解することで歯に明るさが出るうえ、エナメル質を加工する効果もあり内部の黄ばみを透けにくくします。また、薬剤をマウスピースに注入し、自宅で装着して行うホームホワイトニングも行うとより効果がアップし、白さが継続します」(照山先生・以下同)
☑︎ 歯茎下がり
対策:歯周病治療が先決
「歯茎下がりは年齢のせいだと考えている方が多いのですが、実はこれはお口の危険信号。歯周病が原因であれば、歯茎が腫れるだけでなく、歯を支える骨自体が溶けて歯茎下がりが進みます。強い力でのブラッシングや食いしばり、サイズの合わない歯間ブラシの使用などでも歯茎下がりを招きます。これらの習慣は改善しましょう」
☑︎ 歯周病
対策:歯磨き前のフロス
「歯周病になると歯茎の腫れや出血などが起きます。歯科医院で歯垢や歯石を除去することで治療できますが、普段のケアが悪いとすぐ戻ってしまうので、防ぐには毎日の正しいケアが大事。歯磨きだけでなくフロスを使って汚れの除去を。フロスは歯磨き前に使うほうが、歯磨き剤の成分が浸透しやすく、より効果的。毎日きちんと清掃をすれば出血が治まり、歯茎も引き締まっていきます」
(上)歯間にスルッと入り、繊維の複合糸が微細な歯垢までキャッチ。クリニカアドバンテージ なめらかスリムフロス 40m¥420(編集部調べ)/ライオン
(左)10種の薬用成分を配合し、歯周病を予防する歯磨き粉。クリーンデンタル トータルケア (医薬部外品) 100g¥1452(編集部調べ)/第一三共ヘルスケア
☑︎ 唾液の減少
対策:口を動かして分泌促進を
「唾液は加齢とともに減少するほか、口呼吸になっていると減りやすくなります。唾液には、口を潤す、細菌や汚れを洗い流す、口内の酸の中和、歯や粘膜の修復、殺菌、消化を助けるなどの作用があるので減ると口内の状態が悪化。増やすには口の筋肉をしっかり使ってうがいをするなど、口をよく動かして。口呼吸の人は鼻呼吸にすることも大事。また、唾液腺マッサージも唾液の分泌を促すのに効果的です」
唾液腺マッサージ
耳の前、顎の骨の内側、顎先の骨の内側を押すと唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進。この3カ所を指で押して刺激を。
照山先生のアドバイス
特に気をつけるのは歯周病。
オーラルケアの見直しを
「40代になると、歯茎の下がりを気にして歯科に訪れる人が増えますが、実はその大きな原因が歯周病です。歯周病は口内に磨き残しがあることで歯周病菌が増えて起こる病気。歯と歯茎の奥で菌が繁殖すると歯茎が炎症を起こして赤く腫れ、進行すると歯を支える骨が溶け、最悪の場合、歯が抜けてしまうことも。磨き残しが原因なので、歯周病はいわば“お口の生活習慣病”。加齢とともに体の抵抗力が落ちるといっそうなりやすくなるので、40代以降に最も注意すべきなのは歯周病です。そのほかに40代に多いトラブルには、歯の黄ばみや、唾液量の減少などもあります。定期的に歯科医で治療を受けることはもちろん大切ですが、根本的に予防・改善するには毎日の正しいオーラルケアが不可欠。正しい方法でケアをしましょう」
MAQUIA 10月号
イラスト/itabamoe 取材・文/和田美穂 構成/髙橋美智子(MAQUIA)
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