「洗顔」には肌を清潔にしたり、リセットしたりする役割があります。やり方を間違えると肌トラブルの原因になることも。今回は理想の肌に導く「正しい洗顔のやり方」をプロが解説! 基本の洗う順番、ポイントを詳しくご紹介します。くすみや毛穴など肌の悩み別のケア方法も合わせてチェックしてみてください。
そもそも洗顔とは?
肌を見るだけで、その人の普段の生活スタイルを見抜いてしまう審美眼に加え、人を元気にするカウンセリングに定評がある。現在は、美容アドバイスはもちろん、美容誌や各種講演など、幅広く活躍中。
洗顔とクレンジングの目的の違い
「洗顔は、汗や皮脂、剥離した角質、さらに、肌についたほこりや大気汚染物質を洗い流します。クレンジングは、ファンデーションをはじめ、日焼け止めなど、油性のメイクアップ汚れを落とします。洗顔やクレンジングは、油性と水性の汚れを落とし、肌を清潔にすることが目的です。
そもそも洗顔やクレンジングは、肌をリセットするためにとても大切なプロセス。皮膚には、呼吸や排泄、吸収、知覚、体温調整など、さまざまな作用がありますが、肌の表面に汚れが残ったままにしておくと、これらの肌の生理機能がうまく働きません。すると、化粧品の効きが悪くなったり、ターンオーバーが乱れてバリア機能が低下するなど、肌トラブルの原因に。このことを肝に銘じ、落とすケアを丁寧にすると、肌はみるみる変わっていきます」
洗顔がもつ7つの役割
1. 肌を清潔にする役割
肌には、角層に水分を巡らせたり、皮脂によって外的刺激から守ったり機能が備わっていますが、唯一“汚れを落とす”機能がありません。日中は皮脂により、ほこりや大気汚染物質がつきやすい状態ですし、寝ている間もコップ1杯分の汗をかいています。これらを洗顔で取り除くケアがどうしても必要です。
2. 肌の生理機能を正常に保つ役割
皮膚には呼吸や排泄、吸収、知覚、体温調整など、体を正常に保つための作用があります。洗顔によって肌の汚れを落とすことは、これらの作用を正常に働かせるためにマストなケアとなります。
3. スキンケアのなじみをよくする役割
きちんと洗顔できている肌は、ターンオーバーが整っているため、角質肥厚が起きにくく、キメが整ってやわらかい状態に。そのため、洗顔後に使う化粧品のなじみがよくなり、より化粧品の効果を引き出せます。
4. ターンオーバーを整える役割
一般的に肌は約28日で生まれ変わっていますが、紫外線やストレス、睡眠不足などによってこのリズムが乱れがちに。こうなると、本来剥がれ落ちるべき角質が肌表面に居座り、ゴワつきやザラつきの原因に。洗顔には、古い角質を取り除くことでこのターンオーバーを促し、肌リズムを整える働きがあります。
5. 緊張した心までリセットする役割
やわらかなテクスチャーに包み込まれながら丁寧に行うクレンジングは、メイク汚れを落とす以外に、外出で緊張した肌と心をホッと解きほぐす効果があります。オンからオフへ、高ぶっていた交感神経を副交感神経にチェンジすることでリラックス効果も。
6. 肌をやわらかくする役割
クレンジングのやり方で肌の柔軟性がアップ。ミルクやクリームタイプのクレンジングを選び、優しくメイクオフすると、キメが整い、潤いがキープできるようになり、肌がふっくらとやわらかになります。
7. 自分の肌状態が把握できる
洗顔後の何もついていないリセット状態の肌を、鏡で見て、手で触って肌をじっくりと観察を。どこが乾燥しているのか、毛穴の黒ずみはないか? ザラついていないか、角栓が詰まっていないか? など、素の状態の肌をチェックすることで、自分の肌と向き合い、"知る"ことができます。
基本の洗顔の順番
洗顔は皮脂が多い額→鼻周り→口周り→頬の順が基本
1.皮脂分泌の多い「Tゾーン」を最初に洗う
皮脂分泌が多く、汚れやすいTゾーン(額~鼻筋)は、他と比べて皮膚も厚めなので、洗顔はここからスタート。指先でクルクルとなでるようにして洗う。
2.汗をかきやすい「口周り・あご」をしっかりめに洗う
鼻下やあご下は皮脂分泌が多いうえ、マスク着用で汗もかきやすいところなのでしっかりめに。毛穴の汚れをかき出す気持ちで指先をクルクルと動かして。
3.「目元」は内側から外へやさしく洗う
アイメイクをしっかりしている場合は、最初にポイントリムーバーを。そうでないときは内→外へ優しく。目頭のくぼみや眉など細かい部分もお忘れなく。
4.皮脂分泌が少なく、乾燥しやすい「頬」は最後に洗う
皮脂分泌が少なく、乾燥しやすい頬は、洗顔料が触れている時間を短くするために最後に洗って。頬を指全体でサッと大きくなでるように動かす。
正しい洗顔のやり方、ポイント
指の腹でクルクルと内側から外側へ優しく動かすのが基本
肌を見るだけで、その人の普段の生活スタイルを見抜いてしまう審美眼に加え、人を元気にするカウンセリングに定評がある。現在は、美容アドバイスはもちろん、美容誌や各種講演など、幅広く活躍中。
「内側から外側へ手を動かすのが基本。洗顔は、ルーティン化しているため無意識に手を動かしがち。しかし、"どこを洗っているのか"意識しないと顔の凹凸や汚れが溜まりやすい部分に指があたらず、きちんと汚れを落とすことができません。理想は、鏡を見て、肌の状態を確認しながら行うこと。また、最近は“触らなすぎ”で、洗顔できていない人も。肌をこすらない美容は確かに正しいのですが、古い角質をオフしたり、毛穴の詰まりをオフするには、やはりクルクルと指を動かさないと汚れが浮き出てきません。“こする”と“なじませる”は別モノ。洗顔しているのに、洗えていないのはもったいない! 小鼻やTゾーンなど、皮脂分泌が多いところは指の腹で“優しく”クルクルとして、汚れをしっかり落としましょう」
剤を顔全体にのせたら、指を丸めて肌に沿うようにしながら額を縦にクルクル。次にあごから頬へクルクル洗ったら、鼻筋を指の腹で上下に洗って。毛穴が詰まりやすい小鼻は、指先でクルクル。このとき、鼻の下まで指を動かしながら口周りを。最後に目周りは、中指と薬指の腹を軽く滑らせて。
すすぐ時はぬるま湯で10回以上行う
すすぎの際は、まず手についたクレンジングや洗顔料を洗い流して。手に剤がついたままで顔をすすぐと洗い残しの原因に。すすぎはぬるま湯が基本。熱いお湯は肌を乾燥させてしまうので絶対避けて。流水を手にとり、10回以上すすぐのがお約束。このとき、髪の生え際や耳の前後、フェイスラインなどの洗い残しがないよう、手を細かく動かしてすすいで。
洗顔の力加減は「こする」のではなく「なでる」
「“なでる”と“こする”は違います。洗顔に必要なのは“なでる”タッチ。小鼻やあご下など皮脂量が多いところは指を立てて、頬は顔の丸みに指を添わせ、包み込むようにして洗うのが基本。触らなすぎは角栓詰まりの原因に」
角栓になりやすい部分は指先で
指を立て、毛穴の汚れをかき出すようにクルクル。力が入りすぎないように注意して。
皮膚を引っ張らないよう優しく
指は“点”ではなく“面”で使う意識で、顔に指の腹全体を添わせ、皮膚を引っ張らない力加減で下から上へ、大きく円を描くように手を動かすのがポイント。
肌悩み別の洗顔の順番・やり方
くすみが気になる「乾燥肌」の洗顔の順番・やり方
くすみは洗顔の泡でオフ
Tゾーンから泡をのせ、顔全体になじませるように洗顔。顔の凹凸部分にも指の腹を当てる気持ちで行って。
シャワーすすぎは細かい部分に注力
温度さえ気をつければシャワーで問題なし。ただし、小鼻の脇など細かい部分にお湯が当たりにくいので、指で洗い流しをサポート。
くすみが気になる「乾燥肌」におすすめの洗顔料
毛穴詰まりが気になる「混合肌」の洗顔の順番・やり方
肌を引っ張らないように保湿力の高い洗顔料をなじませる
洗顔料は保湿力のあるものを。このときも肌を引っ張らないようマイルドになじませて。
毛穴詰まりが気になる「混合肌」におすすめの洗顔料
皮脂量が多い小鼻は酵素洗顔でピンポイントケア
くすみやザラつき解消で投入していた酵素洗顔は、皮脂量が多い小鼻だけでOK。水を加えて泡立て、クルクルと汚れをかき出す。
毛穴詰まりが気になる「混合肌」におすすめの酵素洗顔
「テカリ肌」の洗顔の順番・やり方
ヘア&メイクアップ アーティスト
広瀬あつこさん
その人の長所を生かして美肌に見せる技を持ち、美容界からの指名も多い。自身もテカりやすく、長年にわたり打開策を研究。
美容皮膚科医。基本のスキンケアから高度な治療まで、あらゆる美肌メソッドに精通。SNSなどでも正しい美容情報を発信。
「テカリ肌」の朝の洗顔は酵素洗顔でTゾーンの余分な油分を落とす
「テカリが気になる人は朝もきちんと洗顔を。酵素洗顔でTゾーンの余分な油分を落としておくと、日中の化粧もちが良くなります。夜と同じく皮脂の多い部分から泡をのせて洗い、乾燥部分はサッと」(広瀬さん)
(右)テカりやすい部分から洗顔料を先のせ
鼻、あご、意外とテカリやすい眉周りもはじめに泡を。次に、頬の内側や額にも広げていく。
(左)時間差で全体に広げて落としすぎ防止
頬の外側やUゾーンは、最後に泡を広げて素早く洗う。すすぎは体温より低いぬるま湯か水で。
「テカリ肌」の朝の洗顔におすすめの酵素洗顔
「テカリ肌」の夜の洗顔は皮脂の多い場所から少ない場所を時間差で洗う
「選ぶべき洗顔料は、皮脂汚れはきちんと落としつつ、内部の潤いの流失を防ぐ保湿成分が配合されているもの。皮脂分泌が多いTゾーンや小鼻、あごから泡をのせて洗いはじめ、頬は最後に広げて洗い流します」(慶田先生)
「テカリ肌」の夜の洗顔におすすめの洗顔料
洗顔後のスキンケア
洗顔のあと「2品で終了」が令和のシンプルスキンケア
「肌にとって絶対やってはいけないことのひとつに、『摩擦』があります。よほど気をつけて肌に触れない限り、スキンケアステップを重ねれば重ねるほど、タッチが過剰に。今はマスク着用による摩擦もあるので、お手入れ中の摩擦は極力避けたい。だからこそ、シンプルケアは大賛成! 目安は、洗顔後『2品で終了』すること。進化したコスメなら、2ステップでしっかり必要な潤いを与え、気になる肌悩みを解決でき、望んだ肌が手に入ります。時短や手抜きではなく、美肌のためのあえてのシンプルステップ、お試しあれ」
1.オールインワン+お悩み解決アイテム
水分も油分もしっかり補える多機能なオールインワンに、目もとやくすみ、シワなどの気になる悩みを解決できるアイテムを組み合わせ。大満足のシンプルスキンケアに!
2.シートマスク+クリーム
気軽に使える価格帯の優秀シートマスクで水分を補ったあと、クリームでしっかり潤いと美容成分にフタを。たったの2品なのにスペシャル感があり、気分もアガる!
3.ワンツーフィニッシュのライン使い
最初からシンプルステップを狙って開発された2品で完了できるラインをチョイス。計算されつくしたワンツーフィニッシュは、使い心地も絶品で、シンプルなのに肌応え十分。
4.愛用のスキンケアから2品ピックアップ
今使っているアイテムから2品選ぶだけで、立派なシンプルケアに。化粧水と乳液またはクリームなど、水分と油分をきちんと補う2品をチョイス。友利先生はいつもこの方法。
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