肌を美しくしたいと思ったとき、私たちはつい“与える”ケアばかりに目が行きがち。でも、「肌を変えるために何かひとつ見直すとしたら、まずは落とすケアなんです」と、教えてくれたのはトータルビューティアドバイザーの水井真理子さん。エステティシャンでもある水井さんは、「毎日きちんとメイクや汚れを落としている人の肌は、キメがふっくらとして、やわらかく潤っているので、すぐにわかります」と。そこで、スキンケアの第一ステップであるクレンジングと洗顔について、詳しくお伺いしました。


【洗顔】は美肌への第一歩! 洗顔法を見直して理想の肌に_1

教えていただいたのは...
水井真理子さん

トータルビューティアドバイザー

水井真理子さん

肌を見るだけで、その人の普段の生活スタイルを見抜いてしまう審美眼に加え、人を元気にするカウンセリングに定評がある。現在は、美容アドバイスはもちろん、美容誌や各種講演など、幅広く活躍中。

肌を変えたければ、クレンジングと洗顔を見直すのが一番

「クレンジングと洗顔は役割が違います。ファンデーションをはじめ、日焼け止めなど、油性のメイクアップ汚れを落とすのがクレンジング。洗顔は、汗や皮脂、剥離した角質、さらに、肌についたほこりや大気汚染物質を洗い流します落とすケアとは、油性と水性の汚れを落とし、肌を清潔にすることが目的です。
そもそも落とすケアは、肌をリセットするためにとても大切なプロセス。皮膚には、呼吸や排泄、吸収、知覚、体温調整など、さまざまな作用がありますが、肌の表面に汚れが残ったままにしておくと、これらの肌の生理機能がうまく働きません。すると、化粧品の効きが悪くなったり、ターンオーバーが乱れてバリア機能が低下するなど、肌トラブルの原因に。このことを肝に銘じ、落とすケアを丁寧にすると、肌はみるみる変わっていきます」(水井さん、以下同)


洗顔が美肌への近道である7つの理由

1. 肌を清潔にする
肌には、角層に水分を巡らせたり、皮脂によって外的刺激から守ったり機能が備わっていますが、唯一“汚れを落とす”機能がありません。日中は皮脂により、ほこりや大気汚染物質がつきやすい状態ですし、寝ている間もコップ1杯分の汗をかいています。これらを洗顔で取り除くケアがどうしても必要です。
2. 肌の生理機能
皮膚には呼吸や排泄、吸収、知覚、体温調整など、体を正常に保つための作用があります。洗顔によって肌の汚れを落とすことは、これらの作用を正常に働かせるためにマストなケアとなります。
3. スキンケアのなじみをよくする
きちんと洗顔できている肌は、ターンオーバーが整っているため、角質肥厚が起きにくく、キメが整ってやわらかい状態に。そのため、洗顔後に使う化粧品のなじみがよくなり、より化粧品の効果を引き出せます。
4. ターンオーバーを整える
一般的に肌は約28日で生まれ変わっていますが、紫外線やストレス、睡眠不足などによってこのリズムが乱れがちに。こうなると、本来剥がれ落ちるべき角質が肌表面に居座り、ゴワつきやザラつきの原因に。洗顔には、古い角質を取り除くことでこのターンオーバーを促し、肌リズムを整える働きがあります。
5. 緊張した心までリセット
やわらかなテクスチャーに包み込まれながら丁寧に行うクレンジングは、メイク汚れを落とす以外に、外出で緊張した肌と心をホッと解きほぐす効果があります。オンからオフへ、高ぶっていた交感神経を副交感神経にチェンジすることでリラックス効果も。
6. 肌をやわらかくする
クレンジングのやり方で肌の柔軟性がアップ。ミルクやクリームタイプのクレンジングを選び、優しくメイクオフすると、キメが整い、潤いがキープできるようになり、肌がふっくらとやわらかになります。
7. 自分の肌状態が把握できる
洗顔後の何もついていないリセット状態の肌を、鏡で見て、手で触って肌をじっくりと観察を。どこが乾燥しているのか、毛穴の黒ずみはないか? ザラついていないか、角栓が詰まっていないか? など、素の状態の肌をチェックすることで、自分の肌と向き合い、"知る"ことができます。

ただ洗えばいいわけではない! 「洗い方」ポイント

 「クレンジングも洗顔も、内側から外側へ手を動かすのが基本。洗顔は、ルーティン化しているため無意識に手を動かしがち。しかし、"どこを洗っているのか"意識しないと顔の凹凸や汚れが溜まりやすい部分に指があたらず、きちんと汚れを落とすことができません。理想は、鏡を見て、肌の状態を確認しながら行うこと。また、最近は“触らなすぎ”で、洗顔できていない人も。肌をこすらない美容は確かに正しいのですが、古い角質をオフしたり、毛穴の詰まりをオフするには、やはりクルクルと指を動かさないと汚れが浮き出てきません。“こする”と“なじませる”は別モノ。洗顔しているのに、洗えていないのはもったいない! 小鼻やTゾーンなど、皮脂分泌が多いところは指の腹で“優しく”クルクルとして、汚れをしっかり落としましょう」

クレンジング、洗顔料どちらも手の動かし方は同じ。剤を顔全体にのせたら、指を丸めて肌に沿うようにしながら額を縦にクルクル。次にあごから頬へクルクル洗ったら、鼻筋を指の腹で上下に洗って。毛穴が詰まりやすい小鼻は、指先でクルクル。このとき、鼻の下まで指を動かしながら口周りを。最後に目周りは、中指と薬指の腹を軽く滑らせて。

すすぎの際は、まず手についたクレンジングや洗顔料を洗い流して。手に剤がついたままで顔をすすぐと洗い残しの原因に。すすぎはぬるま湯が基本。熱いお湯は肌を乾燥させてしまうので絶対避けて。流水を手にとり、10回以上すすぐのがお約束。このとき、髪の生え際や耳の前後、フェイスラインなどの洗い残しがないよう、手を細かく動かしてすすいで。

「なりたい肌」に合わせてクレンジングと洗顔料をセレクト

「“洗い流すものだから”と、与えるアイテムに比べ、軽視されがちな洗顔アイテムですが、最近は、肌を清潔にするだけでなく、肌目的に合わせてアイテムが選べるようになっています。気になる肌悩みがあれば、これらを取り入れるのもおすすめです」


お悩み1
洗顔後すぐにつっぱるほどの
乾燥&敏感状態のときは?

「洗顔後すぐに肌の乾きを感じるようなら、クレンジングなら剤に厚みがあるミルクやクリームタイプを。洗顔料であれば、たっぷり泡立つものや、逆に泡立たなくても剤に厚みがあるタイプを選びましょう。剤をクッション代わりにしてなじませれば、肌の摩擦を防ぐことになります」

イドラクラリティマイクロエッセンスクレンジングエマルジョンコスメデコルテ

軽やかなエマルジョンベースが汚れとスムーズになじみ、スピーディにオフ。コンプレックス成分「美肌糖」配合で、透明感あふれる肌へ。W洗顔不要。イドラクラリティ マイクロエッセンス クレンジングエマルジョン 200ml ¥3850/コスメデコルテ(2月16日発売)

センシティブ スキン  ウォッシングフォームオサジ

敏感肌にとって刺激となる成分を排除し、必要なものを厳選配合したシンプル&ミニマム洗顔料。プッシュすると出てくるふんわり泡で、洗いすぎによる肌乾燥を防ぐマイルド処方。センシティブ スキン  ウォッシングフォーム 150ml ¥3080/オサジ(2月25日発売)

お悩み2
肌がベタつきやすく、毛穴の詰まり、
黒ずみが気になる肌には?

「皮脂分泌の多さもありますが、洗顔不足によって角質がたまり、ターンオーバーが乱れることが大きな原因。スクラブやクレイなど、物理的に角質を取り除くケアもありますが、まずは通常の洗顔を丁寧にすることが先決です。実は眉は皮脂が溜まり、ニキビができやすい部分なので、洗顔時に眉毛の地肌まで洗うように」

SKIO VCクレンジングバームロート製薬

肌なじみのいいバームがメイクを浮かせると同時に、古くなった角層をオフ。さらに、酵素が毛穴の奥の汚れをかき出し、ビタミンC誘導体と保湿成分で保湿する。バームなのにチューブタイプだから使いやすい。SKIO VCクレンジングバーム 90g ¥4400/ロート製薬(3月1日発売)

クラリファイング パウダー ウォッシュカネボウインターナショナルDiv.

角栓を分解し、皮脂や毛穴汚れを除去するホワイトのパウダーと、保湿成分配合のピンクのパウダーで、潤いを守りながらつるんとした肌へ洗い上げる。カネボウ クラリファイング パウダー ウォッシュ 0.4g×32個 ¥3300/カネボウインターナショナルDiv.(3月4日発売)

お悩み3
日焼け対策をしていても
どんより肌がくすんでいる

「くすみの原因はいろいろとありますが、キメの乱れや毛穴の詰まりなども肌をくすませる原因。潤いを奪い取らない落としアイテムを選んだり、毛穴周りをクルクルとマッサージするように洗顔してください。また、角栓を分解できる洗顔料にも注目です」

ロクシタン レーヌブランシュ イルミネイティングクレンジングフォーム

古い角質が溜まった冬の“角層濁り”に着目。白い花「レーヌデプレ」の力を閉じ込めた濃密泡洗顔は、角質ケアに加え、新たに血行を促進する成分を配合。毎日の洗顔や泡パックに。ロクシタン レーヌブランシュ イルミネイティングクレンジングフォーム 150ml ¥4950/ロクシタンジャポン(2月16日発売)

エスト クラリファイング ジェル ウォッシュ花王

自覚のない大人の“隠れ角栓”までしっかり取り除き、酸化予防までする抗酸化洗顔。潤いは守りながらも、酸化の原因だけ取り除くから、洗うたびに明るく透明感のある肌へ。朝晩の使用OK。エスト クラリファイング ジェル ウォッシュ 130g ¥4950/花王(3月4日発売)

お悩み4
洗顔でブライトニングのベースをつくるには?
「洗顔アイテムでシミケアができるわけではありませんが、メラニンを含む角質を除去したり、酸化皮脂や黄ぐすみなどを洗い流すことで、肌の色ムラなどにアプローチできます。肌の摩擦を避け、こすらないように気をつけながらケアしてください」

クレンザーN°1 ドゥ シャネル洗顔料

レッド カメリア オイルを配合した微細な洗浄パウダーに水を加えると、やわらかく軽やかな泡に。自然由来成分94%を配合したフォーミュラーで、肌をすっきりと洗い上げ、輝きを取り戻す。クレンザー N°1 ドゥ シャネル 25g ¥6600/シャネル

デュオ ザ クレンジングバーム ホワイト a

脂ぐすみ、乾燥ぐすみ、タンパクぐすみ、メラニンぐすみ、炎症ぐすみ、血行不良ぐすみの6つの色ムラエイジングに。さらに、肌トーンを10年前に巻き戻す発想のコンプレックス成分や、ブライトニングケア成分を配合。デュオ ザ クレンジングバーム ホワイトa 90g ¥3960/プレミアアンチエイジング(2月21日発売) 

トランシーノ薬用クリアウォッシュEX第一三共ヘルスケア

保湿クリーム成分を約50%配合で、濃密泡のしっとり洗顔料。肌荒れ防止成分、潤い成分に、新たに毛穴・肌汚れ吸着成分と毛穴周り肌ケア成分を配合。洗うだけで、毛穴の目立ちにくい透明感のある肌へ。トランシーノ薬用クリアウォッシュ EX(医薬部外品) 100g ¥1980(編集部調べ)/第一三共ヘルスケア

  総論  
「クレンジングや洗顔など、落とすケアがうまくいくと、ふわっとした手触りの肌に生まれ変わります。その状態の肌に化粧水を入れて、クリームで仕上げると、肌がどんどんステップアップしていきます。だからこそ、手の動き、肌の状態を確認しながら、“新しい肌をつくっている”という意識で落とすケアを行うと、必ず美肌になれますよ」



イラスト/sino  取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/中村千夏(MAQUIA ONLINE)

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