軽やか＆華やか！ 神崎 恵さんの春メイクは「大人ピンク」がテーマ

新色コスメが続々と登場して、どれにしようかと、目移りしている人も多いのでは？ 今月は、神崎さんが今シーズン真っ先に使いたいメイクアイテムを軸に、春メイクを提案します。

今年の春のテーマは「解放」ではないかと思っているんです。自由や脱力ともちょっと違う「解放」。言葉の通り、縛りをほどき、解き放つ……自分を。
社会って、キュウキュウです。どこにいても、どんなときも、何かしらの線が張り巡らされていて、その線に引っかからないよう生きることがクセ付けられる。そんなベースの上に、年齢やら、性別やら、太い線が重ねられ続け、正直なんて息苦しいのだろうと感じることも少なくない。それに加えてこの数年、重い重い蓋を被せられ、どんよりした空の下を酸素薄めで生きてきたような、そんな心地なんです。でも、そろそろ、解放されていいのでは？　解放してあげたい、自分を！ と思うんです。頑張ってきた自分から重いものを全部剥ぎ取って、ぽいっと空に放ってあげる。好きなものを食べて、好きな服を着て、好きなメイクをして、好きな自分になって、行きたいところに行っちゃいなさい。そんな気分です。春の陽気がこれにぴったりで、少しばかり大胆な選択もポンっと背中を押してくれるというか。春のにおいと風が、軽やかにそんな気分を押し上げてくれるような気がします。
そんなマインドのこの春、真っ先に纏いたいのは春風のような色をしたメイク。春の空気は透明に見えて、そうじゃない。淡くて優しくて、ふわふわとしたピンクやグリーン、ブルーやイエローが流れている……それをそのままメイクとして肌の上にのせたい気分です。アイカラーもリップも、春色を重ねたり、混ぜたり。「シメる」なんて忘れて、どこまでもふわふわとやわらかく。綿菓子のようなメイクが「存在感」に変わるよう、ヘアや服も空気感を統一。ヘアは春風に弾むようなカーリーヘア。ころんころんとしたフォルムで甘く優しい雰囲気を出して。
服も白に溶けそうなやわらかな色を並べ重ねる。色が深い冬では浮いてしまうこの存在感も、春の中では別格です。かわいいだけでは終わらない、見るひとの心に、春を連れてくることができるというか、春を届けることができるんです。自分もひとも春で包むメイク、楽しんでほしいです。

MAQUIA 3月号
モデル・メイク・文／神崎 恵　撮影／魵澤和之〈まきうらオフィス〉　ヘア／shuco〈3rd〉　スタイリスト／松島 茜〈io〉　構成・文／若菜遊子（MAQUIA）

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