柔らかな笑顔の裏には、さまざまな経験や乗り越えてきた葛藤がある。主演映画『違国日記』にも通じる、優しくて寛容で健やかなマインドとは──。時に正座をしながら真剣に紡いでくれた、自分らしさについての言葉たち。

新垣結衣 インタビュー 違国日記

お話をうかがったのは
新垣結衣

俳優

新垣結衣

あらがき ゆい●1988年6月11日生まれ、沖縄県出身。モデルを経て2005年にドラマ『Sh15uya』で俳優デビュー。近年の主な出演作は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』、『風間公親-教場0-』、映画『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』、『GHOSTBOOK おばけずかん』、『正欲』など。 

不完全な自分も、なりたい自分も。
すべてが「私」

新垣結衣 自分らしさの見つけ方

“あなたの世界”と“私の世界”

新垣結衣さんインタビュー。「距離を保ちつつ、尊重できる人でいたい」_2

距離を保ちつつ、尊重できる人でいたい


子供の頃から漫画好きだったという新垣さん。主演映画『違国日記』も、オファーを受ける前から読んでいた大好きな漫画が原作。嬉しさと責任を感じながら「精一杯演じるしかない」と臨んだのが、事故で両親を亡くした姪を引き取る小説家の槙生役だ。


「初対面の人には人見知りしてしまう槙生ちゃんですが、その初めのハードルを越えてしまえば、誰に対しても平等に向き合うし、言葉を尽くす人だなぁと思っていて。クールな印象はあるけれど、無理に表情を作ったり愛想笑いをしないというだけで実は表情豊かですごくユニーク。自分のダメな部分を嫌というほど自覚していて、それが槙生ちゃんの抱えているトラウマにも繋がっていたりするのですが……そんな自分をなんとか受け入れていて、そんな自分を知った上で一緒にいてくれる人を大事に思っている。こんな風に人と向き合いたいと思わせてくれる役でした」


年齢も性格も違う、異なる国=世界を持つ叔母と姪の風変わりな共同生活を、温かな視点で見つめた本作。新垣さん自身も、まったく違う他者と関わる上で心がけていることがある。


「あなたの世界と私の世界、その距離をちゃんと保ちつつ尊重できる人でいたいと思っています。親しい関係だったとしてもお互いに自立した存在であることを忘れないようにしたいです。共感したり、感覚が同じだと思えることはとても嬉しいし大事なことだけれど、違う人間だから、すべて理解できるわけじゃない。相手の大事なことを自分の大事なものに置き換えて考えてみたり、いろんな視点で捉える努力をします。『そういう考えもあるんだ』と知ることも楽しいですしね」


とはいえ、冷静な新垣さんにだって時にモヤっとしてしまうことはある。


「全然あります(笑)。心がけているのは、突発的にモヤっとした時は一呼吸おいて冷静になるように意識することと、疑問に思ったことを溜め込まずに素直に聞くこと。その結果、単なるお互いの思い違いだったこともよくありますし、補足してもらうことで視界がクリアになることも多いです。ちゃんとコミュニケーションを取ることで、すれ違いは避けられると思っています」


目標は“ちゃんと生きる”こと。


「そうしないと後悔したり、思い返して眠れなくなったり、最終的に自分が嫌な思いをするから。でも別にちゃんと生きること=完璧に生きることではないんです。私自身、いつまでたっても不完全だなって思うから。瞬間、瞬間に最善を尽くして今を生きる。その積み重ねでしかないのかもしれません」

Information

新垣結衣さんインタビュー。「距離を保ちつつ、尊重できる人でいたい」_3

映画『違国日記』
©2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会
少女小説家の槙生(新垣結衣)はある日、交通事故で両親を亡くした15歳の姪、朝(早瀬憩)を勢いで引き取ることに。ほぼ初対面の二人の奇妙な共同生活が始まるものの、人見知りで不器用な槙生と、人懐っこくて素直な朝の性格は正反対。初めて見る風変わりな大人である叔母に戸惑いながらも、朝は持ち前の天真爛漫さで、槙生の心を動かしていく。ヤマシタトモコの同名コミックを、瀬田なつき監督が映画化。●6月7日より全国公開

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