毎日毎日、見て触れて感じて、恋人のようにいたわっている髪。なのに、いつしかお手入れがないがしろになっている人も多いのでは? シャンプーの仕方は大丈夫? 頭皮のケアはできてる? もしかして抜け毛が気になっているのでは? いつまでもハリのあるツヤ髪でいるためにおさえておきたいことを、ここで一度おさらいしてみましょう。新たな美髪の秘訣が発見できるかも!
医学博士/ウィメンズヘルスクリニック東京院長
浜中聡子先生
女性専門のクリニックで、髪の悩みを解決。近著は「髪をあきらめない人は、3つの生活習慣をもっている~専門医が教える、髪のエイジング対策法~」(学研プラス)
社団法人 日本毛髪科学協会認定の毛髪診断士の資格をもち、美髪のためのさまざまな提案を行う。ご自身の美しい黒髪も必見!
白髪・抜け毛・ベタつき・パサつき…髪&頭皮のギモンQ&A
時代とともにヘアケアはますます進化している!
「白髪の原因や抜け毛の仕組みなど、まだまだ解明されていないことが多い髪の毛のメカニズム。例えば、一度白髪になった髪は、もう二度と黒くならないといわれていますが、実際に黒くなった、という声を聞くようになりました」と美香さん。そう、ヘアケアや商品はどんどん進化していて、今まで「諦めていた」ことが、実現する時代になってきているのです。そこで、なんとかしたい髪や頭皮にまつわるギモンを専門家にうかがいました。
Q.白髪って、抜いたら増えるの?
A.白髪を抜くと増えたように感じるのは、新しく生えてくる毛も白髪になるため短い白髪が目立つからだといわれています。「白髪は抜いても改善されるわけではなく、それどころか無理に抜くと毛根を傷つけてしまって逆効果です。白髪があることがストレスになる人は、抜かずにヘアカラーをしてみては」と美香さんからアドバイス。やはり白髪とストレスは無関係ではありません。全身の血行促進や、快眠、自律神経のバランスを整えるためにも、夏こそお風呂でリラックスすることがオススメ。アロマバスソルトなどを活用して五感を解放すると、より効果的です。
Q.秋に抜け毛が多くなるのはなぜ?
A.「多くの動物が夏毛・冬毛に生え替わるのと同じように、人間も季節の変わり目に抜け毛が多くなるのは確かです。でも特に秋に抜け毛が多くなるのは、夏の紫外線によるダメージや夏バテの影響が大きいですね」と浜中先生。髪だけでなく、特に頭皮のUVダメージは抜け毛に直結。髪で隠れているからと安心せず、頭皮も紫外線をガードすることが大事です。日傘や帽子などをかぶれない日は、UVスプレーで紫外線をブロックして。
(左)全身に使える、温泉水と天然ハーブをブレンドした日焼け止めスプレー。江原道 クリアUVヴェールSPF50+・PA++++ 60g ¥2300/KoGenDo (右)汗・水・皮脂にも落ちにくい、−5℃タッチの透明ジェルスプレー。スポーツ ビューティ UVウェア ジェル スプレー SPF50+・PA++++ 70g ¥1500(編集部調べ)/コーセー
Q.頭皮がいつもベタつきます…
A.毎日シャンプーしているのに、頭皮がベタベタ、脂っぽい、臭いがしないか心配…夏に多いお悩みです。「過剰な皮脂分泌は、不規則な生活でホルモンバランスなどが崩れることによっても起こります。皮脂の酸化や炎症を防ぐために、頭皮を清潔に保つスペシャルケアをプラスしてみて」(美香さん)。週に1〜2回は、余分な皮脂をすっきり落としてオイルコントロールをしてくれるスカルプケアがオススメです。
(左)1週間に2回だけ使用する、オイリーな頭皮のためのシャンプー。ローランド オーガニックウェイ リライフ セバムバランス ヘアバス 240ml ¥3400/アラミック (右)シャンプーだけで落としきれない毛穴の汚れを徹底洗浄する頭皮用クレンジングジェル。週に1回使用。ラ・カスタ アロマエステ スキャルプ クレンジング リファイン 150ml ¥2000/アルペンローゼ
Q.パサついて広がる髪はどうしたらいい?
A.ダメージヘア用のシャンプー&トリートメントを使ってはいるものの、やっぱりパサつきが気になる人は多いはず。乾かしたてはまとまっているのに、だんだんパサついて広がるパターンも多いでしょう。それは、ドライヤーの熱やブラシの摩擦、紫外線などにより、時間が経つほど乾燥してしまうため。そんな髪にオススメなのは、サラッと心地よく髪を落ち着かせてくれるボタニカルなヘアオイル。乾いた髪、濡れた髪、どちらにも使えるタイプが便利です。
(左)髪の毛1本1本を植物性オイルの保護膜で包み込み、パサつきや枝毛を防ぐアウトバストリートメント。スタイルコントロール オイル5.2 80ml ¥3000/オブ・コスメティックス (右)5種のボタニカルオイルを凝縮し、集中補修とカラーキープを目指すノンシリコンのヘアオイル。2017年8月21日発売。ネイチャー アンド コー ボタニカル ヘアオイル 100ml ¥1600(編集部調べ)/コーセーコスメニエンス
Q.シャンプーは1日何回までならOK?
A.シャンプーの理想的なタイミングと回数について、浜中先生は「1日1回きちんと頭皮の汚れを落とす、それが理想です。お湯だけでも髪の汚れはある程度は取れますが、頭皮の汚れまでは落とし切れないので、必ずシャンプー剤を使いましょう」 一方、美香さんは「朝か夜かは人それぞれですが、一般的には夜シャンが必須。寝る前にその日の髪と頭皮の汚れを落とすのが基本と心得ましょう。また、普段は1回だけど、スポーツなどで汗をかいたから今日は2回洗う、いつもは朝洗うけどスタイリング剤を付けたから夜にする、冬には頭皮が乾燥してしまうから時々1日おきにする…など状況次第でいいと思います。要は頭皮が清潔に保てて、自分自身も快適であること、ストレスにならないことが大切です」
Q.頭皮の健康状態を知る方法は?
A.健康な髪のためには、頭皮が健康であることが重要…。ところで、健康な頭皮は見た目でわかることを知っていましたか? それを知るには頭皮の「色」を見ること。美香さんによれば「健康な頭皮は、透明感のある青みがかった色をしています。髪の毛は1つの毛穴から数本生えていてOK。赤みがかかっていたりピンクっぽかったりするのは、炎症が起きている可能性が。乾燥から過敏になっていることも考えられます。また、黄色っぽい場合は毛穴に皮脂や汚れが詰まっていて不健康な状態です。茶色っぽい頭皮は、血行やリンパの流れが悪く、老廃物が滞っている可能性大です」 髪の分け目の頭皮は、紫外線にさらされて日焼けしていることも多いので、分け目ではない部分の頭皮を鏡に映すか、人に見てもらいましょう。
髪と頭皮の仕組みをもう一度おさらい
「髪」ってそもそも何? どうして傷みやすいの?
髪の毛は皮膚のいちばん上の層、角層が変化したもの。通常角質は1ヵ月程度ではがれ落ちますが、髪は外に押し出された後2〜6年ほど伸び続けます。「つまり髪は死んだ細胞が集まったもの。そのため髪は構造が変わることがなく、自己修復機能もありません。紫外線や外からの熱、パーマやカラーなどの刺激で一度傷んでしまうと元に戻ることはなく、年数の経った毛先ほどダメージが進みます。ですので、ダメージを与えないことが大切なのです」と浜中先生。傷んでしまったら適切なケアでダメージを進行させないことがポイントです。
「ヘアサイクル」を知ると 頭皮の大切さが見えてくる!
私たちが「髪」と言っているのは「毛幹」と呼ばれる目に見える部分。頭皮に埋まっている部分は「毛根」と呼びます。髪の成長に大切なのは髪の製造工場である、毛根です。髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」を経て寿命を迎えた髪は自然に抜け落ち、また新しい髪がつくられます。これがヘアサイクル(毛周期)です。1本の髪の寿命は2〜6年。自然に抜け落ちる毛は1日に80〜100本と意外に多いけれど、それでも量が少なくならないのは9割が成長期の髪で、新しい毛が次々とつくり出されているからです。
あなたの髪の将来は? 未来を占うチェックリスト
この項目のうち、あなたはいくつ当てはまりますか? 実はこれ、すべて頭皮にダメージを与えることばかり。当てはまる項目が多いほど毛根はダメージを受け、ヘアサイクルが乱れてしまいます。つまり、今後、薄毛や抜け毛のリスクが高くなってしまうということ。「元気な髪をつくり育てるには、髪の材料となるタンパク質、消化吸収を助けるビタミンやミネラルなどの栄養が大事。そしてストレスや疲れ、睡眠不足を蓄積させないこと。また、肌と同じで乾燥も皮脂の多い状態もよくありません」と浜中先生。
やっぱり続けたい! 髪と頭皮にイイ生活習慣
「実は頭皮と髪のしくみは、まだまだ解明されていないことが多いんです。でも、トラブルのあるお客様を見ていると、きちんとケアをした方は、薄毛や白髪が気にならなくなるなど、確かに効果を感じているようです。頭皮を正しくケアして、髪にもきちんと手をかければ、必ず美髪は手に入ります!」と力強く語る美香さん。間違った認識&ヘアケア法を改め、毎日コツコツ、髪と頭皮にいいケアを積み重ねていきましょう。そうすればお手入れがラクになるし、見た目印象もアップ! 頭皮と一枚皮でつながっている顔や首のシワ、たるみ防止にもつながるはずです。
あなたのケアは間違ってない? 美髪を育てる正しいお手入れ法
髪が生まれ変わる ブラッシング法
「シャンプー前のブラッシング」を習慣に!
「ブラッシングは、髪のもつれを取るためにいつもやってるわ♪」というあなた、それだけではもったいない! ブラッシングは丁寧に正しく行えば頭皮の汚れを落としやすくし、血流を促し、毎日続けることで確実に頭皮の環境を良くしてくれるはず。毎日の習慣にするために、シャンプーの前に必ずブラッシングすると決めるのも賢い方法です。特に最近はブラッシングの効果が見直され、頭皮に負担をかけずにブラッシングできるタイプが多く出ているのでぜひ注目を。
見直してみよう! 自己流シャンプー
どう選び、どう洗う?正しいシャンプーの新常識
「大抵の人は小さい頃に親に教えてもらったまま、自己流の方法でシャンプーしている人が多いですね」と美香さん。シャンプーで重要なのは、①髪を傷めないようにたっぷりの泡で洗うこと。②頭皮をきちんと洗うこと。そのためには、まず、何も付けずにお湯だけで「予洗い」をする習慣をつけましょう。予洗いで髪に付着した汚れを取った後であれば、髪自体にシャンプー剤を付けて泡立ててもOKです。もちろん、頭皮は爪を立てず、「指の腹」を使って洗いましょう。
マッサージは やっぱり必要?
簡単な頭皮マッサージで、頭皮の血流をアップ!
「頭皮を触る機会がほとんどない人がいますが、実はそれが一番よくないんです」と美香さんが言うように、髪には触れても頭皮に関心を持たない人も多いのでは?そんな人は、シャンプーの時はもちろん、それ以外でも頭皮を指の腹で触ってみることから始めましょう。例えば、ちょっと休憩するときに、おでこの生え際に指を入れて頭皮を前後に動かしてみたり、頭の形を確かめるように、両手でいろんな場所を指圧してみたり。それだけでも頭皮が刺激されて血流がよくなるはずです。
ちょっと意外?! 抜け毛防止法
抜け毛が気になる人は、食生活の改善とスペシャルケアで!
抜け毛が気になる人、薄毛になるのが心配な人に向けて浜中先生がアドバイス。「抜け毛の原因は大きく分けて、頭皮の血流の低下、ホルモンバランスの乱れです。また、髪の毛の材料となるのは、タンパク質です。良質なタンパク質と共にビタミンやミネラルを一緒に摂り、質の良い睡眠を心がけることが大切です。
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編集部
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