『気づいたらショート動画を1時間観ていた』なんてこと、ありませんか? もしかしたらそれはドーパミン中毒かも。デジタル機器に取り囲まれている現代人だからこそ、ドーパミンと上手に付き合うためのコツを知りたい!

「キレイ」も「脳の働き」も妨げる!? ドーパミンの甘い罠
ドーパミンとは?
「“もっと欲しい”“次もやってみたい”と、やる気や行動力をもたらしてくれるドーパミンは、生きる上で欠かせない神経伝達物質。
でも、一瞬で大量に出るスパイク型のドーパミンは刺激が強く、中毒になりやすい傾向が。一方で、ぬいぐるみや丸くて可愛いものに触れたり見ることで出るランプ型のドーパミンは、中毒になりにくい。
女性はスパイク型の刺激に弱く中毒になりやすいので、ご注意を」(西先生・以下同)
◯良い面
☑︎やる気や行動力の源
☑︎気分転換やストレス解消に
☑︎判断力や記憶力、創造性向上
×悪い面
☑︎刺激が強く依存しやすい
☑︎中毒になると判断能力が低下
☑︎短絡的な思考になったり、衝動が抑えられなくなる
他のホルモンとの違いは?
ストレス軽減効果抜群! 愛情物質「オキシトシン」
「オキシトシンは絆や愛情にまつわる物質といわれ、抱擁やマッサージ、食事を共にする時間などで分泌されます。
マイナスの感情が生まれる扁桃体に作用し、ストレスを感じにくくする効果が。お化け屋敷も、誰かと手をつなげば怖さが軽減するのは、オキシトシンの効果」
今のままでOK! 満ち足りた幸せ「セロトニン」
「気分を安定させる物質。同じ幸福ホルモンでも、ドーパミンは“もっと欲しい”となる報酬系ですが、セロトニンは今のままで満足という気持ちをもたらします。
マウス実験ではセロトニンが多いと我慢強くなるというデータが。ドーパミンとは複雑に影響し合って連動」
快感すぎ! 痛みも麻痺する多幸物質「β-エンドルフィン」
「至福のホルモンともいわれる多幸物質で、痛みすら麻痺させる鎮静効果が。笑った時はもちろん、辛いものを食べた時にもそれを痛みと錯覚して分泌されます。
辛いものを食べながら会話していると、β-エンドルフィンの効果で相手を好きだと錯覚しやすくなるという報告が」
こんな症状が出てたら危険! ドパガキ・ドパオバ注意報!
ショート動画などの強い刺激は、注意力や認知力低下の元に。他にお酒やタバコのニコチン、コカインなどの薬物も分泌量を増やすそう。
やめると決めたのにやめられない

「やめたいけれど“◯◯がないと無理”と感じるならそれは依存。スマホ、アルコール、ギャンブル、甘いもの、恋愛……その刺激自体が悪いわけではないのですが、“ないとダメ”と自制が利かない状態は中毒といえます」
意欲がない、楽しくない

「強い刺激に慣れ、すぐ報酬を得られないことに対してやる気が出ない傾向に。昔の人間と現代人でドーパミンの質が違うわけではないのですが、予測不能な報酬に触れやすい現代人のほうがスパイク型ドーパミン分泌が多い可能性が」
ながら行動が多い

「動画を観ながら/何かを聴きながらなど、“ながら”でないと行動できないのはドーパミン中毒になっている可能性、大。同時並行処理していないと動けないという状態は、病気とまではいえませんが、立派な依存です」
ドーパミン中毒に気づいたら…ドパ抜きテク5選
上に挙げた状態が1つでも当てはまるなら、今すぐ“ドパ抜き”を。毎日の生活で簡単に取り入れられる、ドーパミン依存回避テクを伝授。
丸く可愛いもので“じわドパ”を

「ペットや子ども、ぬいぐるみを抱きしめるなどの行為で分泌されるドーパミンはじわじわ出る健全型。丸く可愛いものを身につけるのもおすすめ。
美容が好きなら、好きなコスメのパッケージや、雑誌の美しい写真を眺めるだけでも効果的です」
タンパク質×糖質でセロトニンを分泌!

「お肉や卵、魚などのタンパク質から得られるアミノ酸は、セロトニンの材料に。生成に欠かせない炭水化物も一緒に摂るのがポイントです。
糖質オフダイエットはセロトニンが出にくくなるので、幸福度が減るという難点が」
デジタルデトックス
「デジタル機器を触らない環境を作ると、注意力や創造力、幸福度が上がるという報告が。ゲームは1時間以内なら認知機能が上がるのでOKですが、SNSをダラダラ受動的に観るのはNG。子どものSNSを制限する国が増えているのも納得です」
アーシングで足裏から脳を刺激

「足裏は触覚が発達しているので、裸足で歩くと脳にいい刺激が。地面を感じることでセロトニンが分泌され、情緒が安定しやすくなったりストレスが軽減されたり。
週末、庭や公園、海辺を裸足で歩いてみては? 日に当たること、リズム運動もセロトニン分泌に有効です」
スマホの画面をグレースケールに

iPhoneなら、設定→アクセシビリティ→画面表示とテキストサイズ→カラーフィルタをオンにしてグレイスケールを選択で、画面がモノクロの表示に。
「SNSやリールを延々と観続けてしまうなら、画面をグレースケールにするのが一番。画面が鮮やかだと刺激的で楽しく感じるのですが、色がないと面白くなさそうに思うんです。
頭で考えてやめようとするより、観たくなくなる環境に整えるほうがずっと簡単です」
MAQUIA 2026年10月号
イラスト/タイマタカシ 取材・文/高見沢さとこ 構成/山下弓子(MAQUIA)
































































































脳科学者
西 剛志先生
公式サイト
脳科学をベースにした才能の引き出し方やコミュニケーションを、メディアや講演、著書を通じて啓蒙中。『脳科学でわかった仕事のストレスをなくす本』(アスコム)など著書多数。
観たい衝動を抑えられないなら立派なドーパミン中毒!
昔ならドラマの続きは1週間待たなければ観られなかったけれど、現代は次々と刺激的な動画が観られる時代。
ドーパミンが分泌されやすい環境なので、衝動を抑える力が弱ったり、短絡的な思考になりがちに。惰性でショート動画を観続ける“ドパガキ”にならないよう注意を。
特に32歳までは“脳の思春期”といわれSNSを大量にやると依存しやすくなり、睡眠の質も低下するので、美容という点でも悪影響が。