紅白パッケージでおなじみの「牛乳石鹼 赤箱」。肌にやさしいからと洗顔にも使う「赤箱女子」が急増中。「MAQUIA」3月号では、昔ながらの石鹸に今なぜ注目が集まるのか。肌を慈しむ秘密を探ります。

丑年は、肌を慈しむスキンケアへ
今こそ注目! 石鹸美容

カウブランド 赤箱
カラダはもとより、顔も洗える石鹸。洗顔後、肌がつっぱらず、乾燥しがちな肌もしっとりすると評判。100g ¥100/牛乳石鹼共進社
長年愛されるワケ

なめらかでクリーミィな泡立ち
キメのすみずみまでいたわるような泡立ちの由来は、赤箱の主成分である石鹸素地の良質さ。初めて使う人は「こんなに?」と驚くほど豊かでクリーミィに泡立つ。
日本人に親しみ深い、癒やされる香り
香水より石鹸の香りが好きな日本人。そのイメージの原点は、どこか懐かしい赤箱の香り。心までほっこり包み込むような香りは、私たちの生活と記憶に刷り込まれている。
価格がなんと100円
通常の洗顔料やボディソープと比較したら、破格のリーズナブル。汚れがきちんと落ちるのにつっぱらず、乾燥しがちな肌にもやさしい品質でこの価格がウケて、赤箱女子が急増中。
牛乳石鹼のこだわり

石鹸素地からオリジナル
石鹸の「優しく落とす」要である、石鹸素地。石鹸の主役であるこの石鹸素地を輸入や外注に頼らず、大阪の自社工場でイチから製造していることが牛乳石鹼の誇り。
国産の原料にこだわる
牛乳石鹼の石鹸素地の原料は、国産牛の牛脂。食用になるほどのグレードのフレッシュな牛脂を使用。このこだわりが、実はやさしさの原点!
こだわりの釜だき製法(けん化塩析法)
天然油脂(牛脂+ヤシ油)を加熱→かくはん→静置のプロセスを時間をかけて行い、じっくりと熟成させる釜だき製法。現在日本の大手でこの製法を継続しているのは牛乳石鹼だけ。
ユイコの知らない赤箱の世界
身近な存在でありながら、意外と知られていない「赤箱」の成り立ち。「赤箱女子」急増に興味津々の小田ユイコさんが、牛乳石鹼を緊急取材!

美容ジャーナリスト
小田ユイコさん
美容記者歴30年。美容の中でも「やさしく汚れを落とす」ことに重点を置き、洗顔料開発の裏側を取材し続ける。

牛乳石鹼
木谷 崇さん
牛乳石鹼共進社株式会社 マーケティング部所属の「赤箱」担当。牛乳石鹼をこよなく愛し、普及に貢献。
どうして赤い箱に牛のマークなの?
「赤は、古くから縁起の良い色とされていることや、赤い箱から真っ白な石鹸が出てくるという視覚的なおもしろさを考慮して採用。牛は、堅実で愛される経営を目指す弊社のシンボルです」(木谷さん・以下同)
そもそも牛乳は入っているの?
「牛乳は入っていないのです。でも牛乳からとれる保湿成分、乳脂(ミルクバター)は配合しています」
どうしてこんなに安いの?
「海外で生産はしておらず唯一、大阪の自社工場のみ。ひと釜で25万個以上の石鹸をつくれる60m³特注釜で、品質はそのままに生産効率をアップしています」
赤箱と青箱の違いって?
「感触と香りが違います。赤箱はクリーミィな泡立ちでしっとりとした洗い上がり、ローズ調の香り、青箱はソフトな泡立ちでさっぱりとした洗い上がり、ジャスミン調の香りです」

大阪発の牛乳石鹼が、関東向けに開発。関東では、牛乳石鹼といえば「青箱」を思い浮かべる人も多い。カウブランド 青箱 85g ¥80/牛乳石鹼共進社
製法は初代から変えているの?
「初代からずっと同じ、『釜だき製法』(けん化塩析法)です。原料の仕込みから石鹸素地ができるまで5日間かかります。手間はかかりますが、天然のうるおい成分が石鹸素地にほどよく残ります」
創業者はどんな信念のもと、つくったの?
「『商いは牛の歩みのごとく』という格言のように、粘り強く前進する堅実な経営を目指して、宮﨑奈良次郎が1909年に会社を創業。20周年に、企業理念を表す牛をシンボルとした牛乳石鹼が誕生しました」

使ってほしい世代や肌質は?
「子供から年配の方まで、世代を問わずにお使いいただけます。赤箱には、保湿成分である乳脂やスクワランが配合されていますので、乾燥しやすい肌の方にもおすすめです」
パッケージはどうして今の形になったの?
「デビュー時の1928年の箱にはシンボルの牛がどっしり。不景気だった1974年には、空気を打ち破るべく異例のピンクに。今の、洗練かつレトロなデザインは2015年から」

再ブーム到来! 時代が石鹸に追いついた!?
今、再び見直される石鹸美容
肌にやさしいだけでなく、実は環境にもやさしい石鹸。肌に刺激を与えず、乾燥しない肌へと導いてくれる石鹸は、海や大地に戻っても優等生だった!
エコのお手本・石鹸
石鹸は水に溶けやすく、微生物のエサとなって分解される「生分解性」のいい性質。下水に流れた石鹸カスは自然に帰る。また牛乳石鹼では、石鹸製造で生じた副生成物を、微生物で分解したガスをタービンを回すエネルギーとして再利用。省エネ、CO2削減に成功している。

これが牛乳石鹼の「釜だき」の現場。気温や湿度で品質がブレないよう、熟練の技術者が釜を徹底管理。
ゆらぎやすい肌にもやさしい
赤箱は石鹸素地をはじめたった8成分しか使われておらず、実にシンプル。キメ細かな泡立ちで、安定性がいいから乾燥肌、ゆらぎやすい肌にやさしい。

「赤箱」を愛用する女性の肌質第1位は乾燥肌。4位には敏感肌がランクイン。
摩擦レスで洗える
石鹸素地から丁寧につくり上げて時間をかけて熟成させた赤箱の泡は、繊細でクリーミィ。肌当たりがやさしく、さっと肌になじませるだけでキメのすみずみまで泡が行きわたり、摩擦レスで汚れを浮かび上がらせることができる。

粗い泡
泡が粗いと、キメに洗浄成分が行きわたらず、汚れ残りが。その汚れを落とすために、摩擦をかけてしまう。
細かい泡
良質な石鹸素地からなる石鹸の泡は、泡が細かくクリーミィ。摩擦レスでキメのすみずみまで汚れをオフ。
石鹸にまつわるQ&A
Q 使う頻度はどれくらいがいい?
A 軽いメイクなら落ちるほど洗浄力は十分なのに、肌に負担をかけない「赤箱」。毎日、朝晩洗顔に使ってOK。
Q 石鹸って肌がつっぱりませんか?
A 赤箱は、昔ながらの製法で保湿成分がほどよく含まれているため、やさしい洗い上がり。ただし肌に合うか合わないかは個人差が。
Q メイクもいっぺんに落とせますか?
A クレンジング成分は入っていないので、基本的にメイクを落とすことはできませんが、ミネラルコスメなど化粧品によっては落とせるものも。
小田ユイコさんが解説
洗い上がりも潤ったまま
うるすべ肌に導く洗顔法
赤箱を使用し、新年からは洗顔法も一新。ふだんなんとなく行っている洗顔を見直すだけで、冬から春にかけて乾燥&ゆらぎやすい肌の土台が整います。


1 まずは、手に付着した汚れをオフ
手が汚れていると、泡立ちが悪くなり、汚れを含む泡を肌につけることに。赤箱で手を洗い、水で洗い流してから洗顔をスタート。
2 テニスボール1個分の泡に
泡立てネットに赤箱を入れ、ぬるま湯を加えて両手でもむ。ネットから泡をしごき取り、さらにネットにつけて泡立てるとクリーミーに。

3 泡で肌をやさしく包み込む
泡を肌にのせ、手のひらで肌を包み込むようにやさしく洗う。泡を手と肌の間のクッションにして、摩擦をかけないように。
4 ぬるま湯を「当てる」ようにすすぐ
両手にたっぷり取ったぬるま湯を、肌にパシャッと「当てる」ようにすすぐ。水圧を利用し、摩擦で落とすことのないように。

5 ゴシゴシ拭かずタオルに吸い取らせる
すすいだあとは「拭く」のでなく、「吸い取らせる」ようにタオルを当てる。清潔で、肌当たりのいいタオルを使用して。
衛生的な保管も大切
品質が劣化しにくい赤箱だが、保管法は大事。平たいところに直置きせず、水切れのいい石鹸置きにのせて。石鹸置きはこまめに洗い、水分を取り除いておくことが大事。

(右)肌がしっとり洗い上がるベビー用
赤箱と同じ釜だき製法。スクワランとシアバターを配合し、よりデリケートな肌向け。キューピー ベビーせっけん 90g ¥150/牛乳石鹼共進社
(左)混じりけナシの石鹸素地100%
成分は釜だき製法で丁寧につくられた石鹸素地のみ。香料などを含まず、すっきりとした洗い上がり。無添加せっけん 100g ¥150/牛乳石鹼共進社
MAQUIA 3月号
撮影/藤澤由加(モデル) ヘア&メイク/清水美知 スタイリスト/加藤千尋 モデル/佐藤さき(マキアビューティズ) 取材・文/小田ユイコ 構成/萩原有紀(MAQUIA)
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