ますます身近なものになってきている美容医療。信頼できるクリニックの選び方やメリット&デメリットなど、美容医療の現状やトレンド、問題点を知り尽くしたお2人に徹底的に伺いました。

美容医療を受けるその前に、知っておきたい心構え。よいクリニックを見極める秘訣も伝授

今知りたいトレンド&知るべき心構えとは?
美容医療の最前線

エキスパートの2人が語る
美容医療は今年どうなる?

お話をうかがったのは
室 孝明先生

BESPOKE CLINIC 総院長 美容形成外科医

室 孝明先生

肌治療から手術まで! 細かな診察に定評のある腕利きドクター
形成外科専門医と美容外科専門医のダブルライセンスを持つ目鼻アンチエイジングの専門医。顔立ちのコンプレックスを解消し、かつ自然に仕上げてくれる。

美容医療を受けるその前に、知っておきたい心構え。よいクリニックを見極める秘訣も伝授_2

BESPOKE CLINIC 東京院
●東京都目黒区青葉台1-2-5 レジーナ代官山 2F
☎︎0120-394-412
◯診10:00〜19:00(完全予約制)

無休 福岡院もあり。
https://bespoke-clinic.jp

美容医療患者が低年齢化傾向に。
医師の倫理観・経験値は大事。
患者さんのリテラシーも問われる時代

美容形成外科医として美容医療業界全体のモラル向上を目指す室 孝明先生は、近年は一歩進んだ美容医療を受ける人が増えていると語る。


「昔はメスを入れることに躊躇する人がほとんどでしたが、今は多くの患者さんが美容整形を本気で検討するようになっています。特に顕著なのは低年齢層。思春期はアイデンティティが曖昧で、人の視線が気になったり、外見のコンプレックスを抱えやすい時期。SNSで美容医療の情報に触れる機会が増え、親世代も美容整形に理解を示すようになった今、自分を変えられるなら受けたい、と考えるのは自然な流れと言えます」

施術の選択肢が増えているからこそ
カウンセリングの質はますます重要

クリニックの側では、マシンや手技の進化によって、提供できる治療の選択肢が増えているという。


「たとえば顔の下膨れをなくすなら、高周波、脂肪吸引、リフトアップ手術、エラの骨切りなどいろんな選択肢が考えられる。そこで患者さんの肌質や肉づき、骨格を見極めつつ、どんな風に見せたいのかなど丁寧なカウンセリングをして、その人に本当に必要な選択肢を提案する。これが、あるべき美容医療の姿だと思うんです。たとえ10代の患者さんが希望する施術でも、5年後10年後を考えたら今はこちらの選択肢にしておいたほうがいい、とアドバイスできるような倫理観、たくさんの選択肢から患者さんにとってのベストをチョイスできる経験値が、これからの医師には必須です」

よいクリニックを見極める質問は
“定期検診はありますか?”

一方今後は患者の側にも、クリニックや医師を選ぶためのリテラシーが必要と室先生。


「これだけ美容クリニックが増えると、よい医院や医師を見つけるスキルが不可欠です。ネットのクチコミは自演かもしれないし、誤情報を見極めるのは難しい。一番は、多くの医師と話をして目を肥やすこと。そのとき有効なのが、“検診はどのくらいありますか?”という質問です。美容医療は、一回で終了ではありません。ダウンタイムが終わっても、定期検診で不安や不具合がないかを確認するフォローアップをするべきです。そのため、施術後に日を改めて診察する“検診”が定期的にある医院を選びましょう。ほかにも、信頼できそうな医師に“よい美容外科の先生を教えて”とお願いして、きちんと答えてくれるなら合格。美容皮膚科の先生に、美容外科の先生を紹介してもらうのもありでしょう」

お話をうかがったのは
真山綾美さん

Liberate Beauty代表 美容医療カウンセラー

真山綾美さん

自ら受けた施術は100回以上。リアルな体験がカウンセリングに生きる
LIANクリニックマネージャーとして、美容医療カウンセラーの育成に注力。公式YouTubeチャンネルでは、おすすめ美容施術やコスメの情報を発信する。

美容医療を受けるその前に、知っておきたい心構え。よいクリニックを見極める秘訣も伝授_3

LIANクリニック 表参道院
●東京都渋谷区神宮前4-2-12 wes building 2F
☎03(3470)5678
◯診9:00〜18:00
㊡月曜・水曜
https://lianclinic.net

美容医療カウンセラーの役割は
患者さんのニーズを引き出し
適切な施術をアドバイスすること

“これからの美容医療には質の高いカウンセラーが不可欠”と断言するのは、美容医療カウンセラーの育成に力を入れている真山綾美さん。


「美容医療カウンセラーの仕事は、患者さんの悩みの原因を探り、最適な施術を紹介すること。近年の美容医療は、選択肢が豊富です。“たるみを引き締めるために●●というマシンの施術を受けたい”と施術を指名する患者さんがいても、たるみの原因がどこにあるのか見極め、数ある選択肢から最適な施術を提案できるカウンセラーが必要なのです」

SNSやHPでクリニックを
チェックするポイントは
センス・経験値・症例写真の質

医師相手では緊張する人も、カウンセラーになら悩みを相談しやすいことも。そのうえで、腕の確かな医師に施術をまかせられれば、安心度は上がる。


「信頼できる医師を探すなら、SNSで発信している情報、特に症例数や症例写真を必ずチェックしてください。症例数は、経験値の現れです。また、“キレイな仕上がり”と感じる症例写真は、医師のセンスが自分と似ていること、相性がよいことの目安にもなります。画像を加工していないことは大前提ですが、ネット上に誠実な症例を掲載する医師は、信頼できると私は考えます。SNSで全世界に名前を出して公表するのはそれなりに覚悟が必要なこと。腕に自信があり、誠意のある証拠です」

いま美容クリニックが急増中。
初診は大手クリニックもアリ。
カスタマイズ施術は個人クリニックで

美容医療を受けてみたいけれど、そもそも心の準備ができていないという初心者は、まず大手クリニックを選択するのも手、と真山さん。


「待合室に老若男女が大勢いる光景を見れば、ちょっと安心して美容医療へのハードルが下がるかも。カウンセラーと話をして、興味があればピーリングや光治療など簡単な施術を受けてみるのもよいでしょう。もちろん、カウンセリングだけでもOKです。むしろ当日に施術をゴリ押ししてくるクリニックはNG。きっぱり断って大丈夫です。慣れてきたら、自分が信頼できる医師のいるホーム(かかりつけ)クリニックを探してみましょう。いまや、安価な大手から腕の立つ個人医院まで、美容クリニックが乱立する時代。ピーリングのように高頻度で受ける施術は安価なところ、高周波など1年に1回受ける高価な施術やカスタマイズ治療などは腕の確かな医院にするなど、使い分けがスタンダードになると思います」

カウンセリングのみの来院でもOK。その場で契約や施術を煽るクリニックは要注意

MAQUIA 3月号
イラスト/タイマタカシ 取材・文/風間裕美子 構成/髙橋美智子(MAQUIA)

公開日:

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