メイクアップアーティストにメイクテクニックを取材すると、ポイントとなるのがそのブラシ使い。真似してみたいけれど、種類が多くて選ぶのが大変、どうやって使えばよいのか分からない。そんな疑問に、人気ヘアメイクのみなさんがお答えします。
今回はベースメイクの仕上げに欠かせない、フェイスブラシの使い方を詳しく解説します。ブラシテクを取り入れて、素肌感のある、段違いにキメ細かい透明肌に。理想の肌づくりを実現しよう!
- フェイスブラシの基礎知識
- 【KUBOKIさん】フェイスブラシの選び方・使い方
- 【イガリシノブさん】フェイスブラシの選び方・使い方
- 【paku☆chanさん】フェイスブラシの選び方・使い方
- 【Georgeさん】フェイスブラシの選び方・使い方
- 【北原 果さん】フェイスブラシの選び方・使い方
- 【Kanakoさん】フェイスブラシの選び方・使い方
フェイスブラシの基礎知識
〈左から〉山羊の毛を使ったチーク筆ブラシ。白鳳堂化粧筆 J210 ¥4620、灰リスと山羊の毛をブレンド。チークの濃淡を調整しやすい。同 G6440 ¥10780、ふんわりマットに仕上がる、灰リスの毛を使ったフェイスパウダー用。同 S105Bk ¥15950/すべて白鳳堂
ブラシ選びのポイントは毛の種類や密度、長さにあり
「ブラシの毛には、大きく分けて動物の毛を使った天然毛と、ポリエステルなどを使った合成繊維の2種類があります。中には、その2種類をブレンドしたものも。天然毛と合成繊維は、どちらが優れている、というものではありません。求めるメイクの仕上がりによって使い分けるのが正解です。私の場合、動物毛の中でもコシがある山羊の毛は、しっかりメイク×ツヤ感が欲しいときに。柔らかな灰リスの毛は、ふんわり薄づきメイクにしたいときに、粉や液を吸着しにくい合成繊維は、リキッドやクリームをムラなく塗りたいときに使っています」(Kanakoさん)
トップス¥9900/EATME ピアス¥16500/kiyolakrei
毛の密度や長さも、 メイクの仕上がりに差がつくポイント
「毛の密度が高いと、粉含みがよくしっかり色がつきます。逆に毛の密度が低いブラシは、ぼかしたり薄づき仕上げにしたいときに便利。また、毛足が短いとしっかり発色、毛足が長いとシアーに色づくという特徴もあります。ブラシの好みは、毛の種類や密度などの組み合わせによって千差万別。ヘアメイクさんの多くは、いろんなブラシを用意していて、メイクによって使い分けをすると思います」(Kanakoさん)
【KUBOKIさん】フェイスブラシの選び方・使い方
Three PEACE所属。美容誌のイメージビジュアルづくりのほか、女優やタレントのメイクにも引っ張りだこ。メンズ美容にも詳しい。ヘアサロン『umber』、ヘッドマッサージサロン『awin』も手がける。
お気に入りのフェイスブラシは、SUQQUのフェイス パウダー ブラシ。「毛がソフトでチクチクせず、肌に安心。粉含みがよく、肌にのるパウダーの量も絶妙です」(KUBOKIさん)
やや縦長の円を描いて自然な仕上がりに
「ふんわり優しく仕上げたいフェイスパウダーには、毛足が長め、ほどよいコシのあるフェイスパウダーブラシをチョイス。使うときはブラシを肌に対して立てるように持ち、大きく内側から外側へ、少し縦長の円を描くように動かします。すると、素肌感を生かした絶妙なベースメイクの完成です」(KUBOKIさん)
【イガリシノブさん】フェイスブラシの選び方・使い方
愛用フェイスブラシは、(左)NARS ブロンザー/セッティングパウダーブラシ #14と(右)M・A・C #240S ラージ テーパード ブレンディング ブラシ。「どちらのブラシも毛足が長く、少しずつパウダーを重ねられるタイプ。重ねた分だけ、くっきり鮮やかに発色します」(イガリシノブさん)
均一にのばすには“寝かせ”がキモ
「フェイスブラシは、毛が長くて柔らかいものを。広い範囲に粉をのせることができるので厚塗りにならなうえ、粉の量を調整しやすいというメリットがあります。実際にパウダーをのせるときは、ブラシを寝かせて回転させながら動かします。ブラシを寝かせると、均一にパウダーがのるためムラづきを防げるんです」(イガリシノブさん)
【paku☆chanさん】フェイスブラシの選び方・使い方
Three PEACE所属。女性誌や美容誌のほか、多くの女優やタレントのメイクも担当。ナチュラルメイクはもちろん、トレンドを生かしたおしゃれで遊び心のあるメイクも得意。
愛用フェイスブラシはアルチザン&アーティスト 熊野筆 フェイスブラシ 7WM-PF01。「ボリュームがあって毛が柔らかく、肌に当てたときしっかり毛がしなる毛足の長さ、コシがセレクトのポイントです」(paku☆chanさん)
フェイスパウダーはブラシを下から上へ
「フェイスブラシは、ボリューミィなものが好み。パウダーを含ませたら毛先の部分を上にしてアゴの下から鼻の横に当てます。そこから外へとブラシを動かすと、キレイに見せたい顔の中心はほどよく、フェイスラインは薄づきに仕上がってGOOD」(paku☆chanさん)
シェーディングは毛をしならせて
「シェーディングを入れるときも、丸型で大きめのフェイスブラシを使用。毛をしっかりしならせながら、フェイスラインをなぞるようにして影を入れます。毛をしならせると“ぼけ足”が出て、ほどよい引き締め効果が出るんです」(paku☆chanさん)
【Georgeさん】フェイスブラシの選び方・使い方
愛用フェイスブラシはNARS ブロンザー/セッティングパウダーブラシ #14。「丸型ブラシの中でも先がとがっていて、ポイント使いしやすいこちらのブラシがお気に入り。毛先の角度が、骨格にフィットしやすいと思います」(Georgeさん)
ブラシの角度を変えて部分使い
「フェイスパウダーは顔全面に使わず、テカリを抑えたい部分だけにのせて下地やファンデのツヤを残すようにしています。なので、ブラシは一般的なフェイスブラシよりやや小ぶりなものをチョイス。大きい面は寝かせて使い、小鼻の凹凸などには立てて使っています」(Georgeさん)
【北原 果さん】フェイスブラシの選び方・使い方
KiKi inc.所属。NAYAさん、イガリシノブさんに師事し、独立。透け感のあるベースメイク、ポップな色を上品にまとめるメイクが人気。女性誌や美容誌、広告のビジュアルづくりなどで活躍。
愛用フェイスブラシはNARS プレシジョンパウダーブラシ #15。「先が少しとがっているので、細かな凹凸にフィットしやすいところがお気に入り」(北原 果さん)
ハイライトはブラシの側面を使う
「ハイライトは、フェイスブラシではなく丸くて中型のチークブラシを使って入れます。ハリとコシのあるものを選ぶようにしています。ハイライトをのせるときは、ブラシの側面を肌にあて、滑らせつつブラシを少し回転させます。側面を使うと粉をのせる面積を絞ることができて、ハイライトののっている部分とのっていない部分のコントラストが生きてきます」(北原 果さん)
【Kanakoさん】フェイスブラシの選び方・使い方
愛用のフェイスブラシは、(左)灰リス・山羊の丸筆、白鳳堂化粧筆 B509と(右)山羊の丸筆、白鳳堂化粧筆 B104 。「フェイスパウダーを使うときは、粉をたっぷり含む天然毛を選びます。丸型は、肌に均一に粉をのせられる点がメリット」(Kanakoさん)
Tゾーンのくずれをブラシ使いでブロック
「メイクくずれしやすいTゾーンにフェイスパウダーをのせるときは、パウダーをしっかりのせられる山羊毛のフェイスブラシを。額は中央から外へ円を描くように、鼻筋は上下にブラシを動かして。小鼻は、フェイスブラシより少しサイズの小さなブラシで、クルクル細かく円を描いてお粉をのせます」(Kanakoさん)
ハイライトはややブラシを立てる
「ハイライトはチークブラシを使用。チークの上にハイライトをのせてなじませるときは、毛の柔らかな灰リスのブラシを使い、こめかみから目の下中央くらいまでにパウダーをのせます」(Kanakoさん)
撮影/石澤義人 ヘア&メイク/Kanako スタイリスト/豊島優子 モデル/南りほ 取材・文/風間裕美子 構成/有住美慧
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