「MAQUIA」5月号の『素材100%活しテク&レシピ』から、素材を活かす調理法をご紹介。今回は、ほうれんそうやキャベツなど、野菜を調理するときのコツをお届け!
栄養まるごと、きちんと摂れていますか?
素材100%活かしテク&レシピ
教えてくれたのは…
管理栄養士 赤石定典先生
管理栄養士 濱 裕宣先生
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部所属。病院内の栄養食事指導に加え、本の出版など一般の食生活向上の普及に努める。
あなたはできてる?
素材活かし調理法 野菜編
Q ほうれんそうのビタミンCが保てるのはどっちの調理法?
a ゆでる b レンチン
A b レンチン
ゆでると約40%も流出!
切るタイミングにも注意して
アク抜きは、ゆでるよりも電子レンジがベター。また、調理時に切ってからゆでると切り口からビタミンCがどんどん流れ出るので、ゆでた後に切るのが鉄則。ほうれんそうのビタミンCは外側の葉から失われ、1日保存すると含有量が約半分になるため、買ったらなるべく早めに食べるか、レンチンでアク抜きして冷凍保存を。
ほうれんそうのビタミンKは、じゃこのカルシウムの吸収を5倍に。ほうれんそうはレンチンでビタミンの流出が防げる。
Q キャベツのビタミンを余さず摂れる食べ方は?
a 塩もみ b 鍋 c スープ d ロールキャベツ
A c スープ
芯は葉よりも栄養たっぷり。
まるごと食べる工夫を
芯の部分にはビタミンCをはじめ、カルシウムやナトリウムなどミネラルがたっぷり。捨ててしまいがちな芯はスライスにしてスープにすると、食感も楽しめ、美味しく味わえる。スープに溶けたビタミンCは加熱で酸化するものの、アミノ酸化合物など別の成分と反応することで同じ働きを取り戻すといわれている。
スープの中に炒めたベーコンやオイルを少したらすことで、キャベツに含まれる油溶性のビタミンKが溶け出し、効率よく摂取できる。
Q じゃがいもの豊富なビタミンCをキープできる食べ方は?
a じゃがバター b ポテトサラダ c スープ d フライドポテト
A a じゃがバター
皮つきならビタミンB群、
ビタミンCがたっぷり摂れる
皮をむいたり、細かく切って火にかけると4〜5割もビタミンが失われる。いきなりお湯に入れると細胞壁を壊して栄養が流出するので、ゆでる時は水の中へ。また、皮に近い部分に抗酸化作用のあるクロロゲン酸が多いので皮をむきすぎないこと。中にも鉄分やカルシウムが豊富なので逃がさないよう焼いたり蒸す時も皮つきで。
切り口を水にさらすとビタミンB群、Cが流れ出るので、皮ごと蒸す調理法がベター。食物繊維も壊れない。タンパク質を多く含む合いびき肉と合わせて。
Q 玉ねぎの血液サラサラ効果を活かす切り方は?
a みじん切り b 薄切り c 角切り
A a みじん切り
刻んで細胞を壊すことで
アリシンの働きが活性化する
玉ねぎの辛味のもと、硫化アリルは刻むことでアリシンに変化。血液をサラサラにするほか、代謝促進、疲労回復、美肌効果も。辛味抜きのために切って水にさらすとアリシンや水溶性ビタミンが流れ出る! みじん切りや、すりおろしにして10分ほど放置するのが正解。皮を剝くのは1枚目だけに留めて。
青魚のEPA、DHAは酸化しやすいが、たたきで生のままだと100%摂れる。抗酸化作用のある玉ねぎを加えると調理中の酸化防止に。
Q ニンジンは ? だとβ-カロテンが2分の1ダウン⁉
a 乱切り b 輪切り c 千切り
A c 千切り
皮にこそ豊富な栄養が!
洗うだけで全部食べて
美肌や風邪予防に欠かせないβ-カロテンが豊富なニンジン。皮側に多く含まれていて、その量は中心部の2.5倍! 皮ごと食べるのがおすすめ。中心部は時間が経つほど栄養が抜けるため、千切りやそぎ切りにすると、最後は食物繊維のみに。一度に使い切らない場合は、外側と中心部を一緒に食べられる輪切りがベスト。
加熱することでβ-カロテンの吸収量が7倍に。炒める順は肉と同時に。キャベツを最後にするとキャベツのビタミンCも逃さない。
MAQUIA 5月号
撮影/山下みどり スタイリスト/中野径恵 料理制作/梶山葉月 取材・文/中木 純〈デジタルライツ〉 企画/萩原有紀(MAQUIA) 撮影協力/UTUWA
【MAQUIA5月号☆好評発売中】