ハードワークによる頭やからだの疲れ、眼精疲労に心因的ストレスなど、すべての“疲れ”は「ある場所」から生まれることが明らかに。その仕組みやケア法を、疲労のスペシャリストに教えていただきました。
老け印象を寄せ付けない!
疲れにくいからだを作る生活
医学博士。『「疲れないからだ」になれる本』(三笠書房)など著書多数。疲労回復専門医としての分かりやすい医学解説にも定評あり。
あなたも本当は疲れている?
Q 疲れはどこからやってくる?
A 私たちが感じる疲れの発生源は脳(自律神経)
「体の司令塔である脳は、生命維持のために指令を出し続けています。その要は、呼吸や消化吸収など体のあらゆる機能を調整する『自律神経』。激しい運動やストレスなどで自律神経に負荷がかかると、活性酸素が発生して自律神経の中枢をサビつかせ、機能が低下。これが『疲れ』の正体です。サビついた自律神経を復活させるのは難しい上、その機能は年齢とともに低下するので負担をかけないことが重要です」(梶本先生、以下同)
Q 疲れを減らすために大切なことは?
A “何となく”感じることを見逃さずクリアにしていく
「体に負担をかけない、質の良い睡眠をしっかりとる、バランスよく食べる、人疲れを避けるなど、疲れをリセットするコツは日常の中にあります。また、朝目覚めた時に浮かぶ“何だか今日はしんどいな”“会社に行きたくない”といった感情は、疲れの危険信号であることが多いもの。何気ない感覚を見逃さずにケアしましょう」
Q 自分がどれくらい疲れているか知りたい
A 「疲れたな」と感じたらそれは脳からの警告サイン
運動や緊張、気温差、孤独による不安、人間関係、紫外線など、あらゆる刺激が疲れの原因に。当てはまる項目が多い人ほど、無意識に疲れを溜めている可能性大。「もし“体が疲れた”と感じたら、それは脳からの警報! 自律神経が疲労すると、脳はこれ以上負荷をかけないために、あえて体が疲れたと勘違いさせるシグナルを送っているのです」
嬉しいことがあると疲れが吹っ飛ぶのはなぜ?
じつは隠されただけで残っています
「人間は、『意欲と達成感の中枢』や『欲の中枢』と呼ばれる脳の前頭葉が極めて発達した結果、達成感や意欲が疲労感を隠してしまうという弊害が生まれました。疲労感をあまり感じなくても、“仕事をした分だけ、いつもと同じように疲れている”と自覚することが必要です」
MAQUIA6月号
イラスト/二階堂ちはる 取材・文/国分美由紀 企画・構成/横山由佳(MAQUIA)
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