美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識をディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、トコトリエノール(ビタミンE)の特徴や働きについてコンパクトに解説。
医師が回答するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込むQ&Aも掲載。
≫飲む? 塗る? “スーパービタミンE”の実際
- そもそも「トコトリエノール(ビタミンE)」って何ですか?
- 「トコトリエノール(ビタミンE)」の持つ美容的なメリットとは?
- 「トコトリエノール(ビタミンE)」を含むスキンケアコスメを使用するときに気を付けることとは?
- 医師が回答! 美容成分「トコトリエノール(ビタミンE)のここが知りたい 」
そもそも「トコトリエノール(ビタミンE)」って何ですか?
パームオイルに豊富に含まれており、米や麦類、ココナッツなどにも含まれている植物性油脂の成分。ビタミンEの一種ですが、その中でも抗酸化作用が強いとされており、抗酸化作用や抗老化作用が期待されるスキンケア製品に配合されるほか、製品そのものの酸化を防ぐためにメイクアップ製品などにも使用されることがあります。その抗酸化力の高さから、市販の製品にはスーパービタミンEという表記をされることもしばしばです。
また、経口摂取した場合にコレステロールを低下させる作用や動脈硬化を抑制する作用があるという報告もあり、サプリメント等の研究開発も進められています。
「トコトリエノール(ビタミンE)」の持つ美容的なメリットとは?
トコトリエノール(ビタミンE)はその高い抗酸化作用から、シミ・そばかすのケア、アンチエイジングケアのスキンケアコスメに使用されることが多い美容成分。また、線維芽細胞の増殖やヒアルロン酸産生促進の作用も報告されているので、ハリ不足が気になる肌のケアにも。
スキンケア成分としては肌で刺激が生じにくく、また、アレルギーを起こすリスクもきわめて低い成分です。
「トコトリエノール(ビタミンE)」を含むスキンケアコスメを使用するときに気を付けることとは?
内服でコレステロールを低下させる、動脈硬化や血栓形成を防ぐといったデータがありますが、一般的にビタミンEサプリメントの主な成分はαトコフェロールであることが多く、またトコトリエノールの生体内での吸収率は高いとは言えないので注意が必要です。
≫ 美容成分 Q & A
医師が回答! 美容成分「トコトリエノール(ビタミンE)のここが知りたい 」
美容に関心の高い方から募った「トコトリエノール(ビタミンE)」についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。
内科・皮膚科医
友利 新先生
医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。
Q.サプリなどもあるようですが、食品で摂取する場合のおすすめ食材を教えてください(MAQUIA公式ブロガー ちかこさん)
A.「トコトリエノールはビタミンEの一種なのですが、化粧品メーカーや原料メーカーによってさまざまな呼び方をしているので、ここではビタミンEとして説明しますね。ビタミンEは血流を促す働きがあり、内服では肝斑や色素沈着を改善するというデータがあります。ビタミンCと一緒に摂るのがおすすめです。食材としてはうなぎ、モロヘイヤ、ニジマスなどのほか、ナッツ類やひまわり油などに多く含まれています。」(友利先生)
Q.アレルギーを引き起こす可能性はありますか? 胃腸が弱くても経口摂取して大丈夫でしょうか?(MAQUIA公式ブロガー Sayakaさん)
A.「経口摂取でアレルギーを引き起こす可能性はそれほど高くありませんが、どうしても飲まなければいけない、誰もが補う必要のある成分というわけではありません。それでも摂りたい場合、胃腸の弱い方なら食後がおすすめです。」(友利先生)
Q.抗酸化作用が高いもの(成分)同士の摂取は避けた方がいいでしょうか?(MAQUIA公式ブロガー Yuriさん)
A.「抗酸化作用の高い成分はCoQ10yやアスタキサンチンなどいろいろありますが、どういうところでアプローチするかはそれぞれ違います。複数の摂取は問題ありませんが、自分でチョイスするより、1つの製品に複数が配合されているものを選ぶ方がバランスを取れると思います。」(友利先生)
監修/友利 新 取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/有住美慧
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