【大人の女性の綺麗とは? 河北裕介さん×神崎 恵さんが指南】

若いこと、可愛らしい見た目であることを長年、課せられてきた日本の女性。そんな呪縛から大人の女性を解放し、新たな美の価値観を提案し続けてくれる河北裕介さん&神崎恵さんに大人の女性が綺麗に年を重ねるコツについてお話をお聞きしました。


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[目次]





 神崎 恵さんが考える「大人の綺麗」6つのキーワード 

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神崎 恵さん
美容家であり、3人の息子を持つ母。大人の女性がより満たされた人生を歩む美容法を提案し、雑誌やSNSで人気を博す。その生き方やライフスタイルも憧れの的。


⒈大人の色気は自信と柔軟性に宿るもの

「自信がある人って、それだけで色っぽい。そして、柔軟さも欠かせない。男性がいなくたって生きていける強さ、何が起こったって“どうにかなるさ!”ぐらいの余裕がある方が、女性は逆に魅力的。色気も増すんです」

⒉自信は育てていくものだと思います。

「自分が自信を持てそうなことに挑戦してほしい。私は見た目に自信がなかったから、メイクで克服したかった。それでも自信が持てない時は、人と違うことで浮くのも手。比べることのできない個性は自信に変わり得るから」

⒊自分の中の“美人顔”を捨てると可能性は無限

「昔から洋服が似合わないことがコンプレックスで。あるとき、私のおしゃれの邪魔をしていたのは、“自分が思う美人顔”だって気づいたんです。それ以来、定番の顔を捨てて、服に合わせていろんな顔にトライするように。すると、おしゃれがずっと楽しくなって、自分の顔をもっと好きになれたんです」

⒋大人こそ、もっと自由に自分色に彩るべき

「大人になると、周囲になじもうとして無色になりがち。でも、そこを『えいっ』と飛び越えた人が、楽しめるんだろうなって思うんです。美容はキレイや若さを作るものではなく、毎日を自分らしく、自信を持って生きるための支えとなるもの。そんな風に美容を味方につければ、人生はぐっと彩り豊かなものになるはず」

⒌年齢はただの数字なんかじゃない

「その人の生きてきた年月であり、その積み重ねで顔は作られるから。私の母は、包容力があってチャーミングで、表情がとても豊かな人。美容の大切さを知り、私にキレイに歳をとれることを教えてくれた人。そんな母のように、若さと引き換えに経験や知恵を手に入れ、年齢を受け止めながら、ちゃんと歳を重ねていきたい」

⒍怖がらずに浮いてみる。それが個性になる

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 河北裕介さんが考える「大人の綺麗」6つのキーワード 

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河北裕介さん

ヘア&メイクアップアーティスト。鋭い観察眼でその人の美しさを瞬時に見抜き、ミニマムなメイクで最大限に魅力を表現。マキア読者が選ぶ好きなメイクでも、常に上位にランクイン。


⒈自分以外の誰かになろうとはしてほしくない

「最初は憧れの人の真似でもいい。だけど、自分以外の誰かになろうとはして欲しくないなって。その人から受けたエッセンスを消化したうえで、自分らしい魅力を放てる女性こそ、人を引きつけるんだと思う」

⒉削ぎ落とした先に自分らしいキレイが見えてくる

「大人になると悩みは増えるけれど、メイクで何もかもを消して、完全武装するのは逆効果。あなたの魅力まで消えてしまう。それよりも、自分の顔の個性と特徴を知り、カバーすべき部分をミニマムに見極めて。ハンコを押したような画一的な顔じゃない、本質が透けた顔にこそ、人は惹かれるから」

⒊自分を肯定できる人がセンシュアル

「美人って色気のある女性だと思う。ただ、僕が理想とする色気は、表面的で安っぽいセクシーさではなく、佇まいからも女性らしさが香りたつ“センシュアル”さ。つまりは、その人だけが持ちうる美しさ。それを手に入れるには、自分を理解し、愛し、肯定することから始まる」

⒋大人の女性を解放したかった

「僕がずっと伝えたかったのは、女性の魅力や美しさは、若さや可愛らしさによって定義されないってこと。大人の女性を年齢を重ねる恐怖から解放して、もっと自信とパワーを持てるように後押ししたい。その想いが僕の原動力」

⒌自分の顔は自分で責任を取らなきゃいけない

「その顔、その体で生まれてきたんだから、受け入れて生きていくしかない。コンプレックスも受け止めないとね。そのうえで、自分に似合うものをプロファイリングしていくこと。それが自分を輝かせるいちばんの手段」

⒍コンプレックスの数だけキレイになれるチャンスがある

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 神崎 恵さんに教わる大人の綺麗の正解、メイクのポイント 

神崎さんが思う、大人のキレイの本質とは? もっと自由に、自分らしく。年齢を美しさ、自信に変える方法を伝授します。

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Q 大人のキレイの正解って?
相手のことを考えられるかどうか

「もちろん自分の顔だから、好きなことをしていいし、人の目を気にしすぎる必要はないけれど、相手を尊重するって大切。例えば、パートナーにとって大事な人に会う場であれば、安心して紹介できる顔で行くとか。相手の気持ちを考えたおしゃれって、とても素敵だと思う」


Q 美しい女性に共通することは?
自分の人生を生きている

「年齢に抗おうとしたり、モテようとメイクすると、途端に美しさを削ぐ“必死感”が出てしまう。そうならないため、女性を楽しもうって思いながら服をまとい、自分を愛しむようにメイクをしてほしい。自分のストーリーを生きる女性には、清々しい美しさが漂ってくるはずだから」

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Q 年齢を重ねることが怖いんです
年齢の檻に自らを閉じこめないで

「『昔と肌が違うから』『もう○歳だから』『似合わないから』と、人の目や年齢を気にして、実は減点方式で世界を狭くしている人が多い。自らを閉じ込めている檻さえも吹き飛ばす、強さを持ってほしい。それにはやっぱり自分を好きになって、自信を育てるしかないんです」


Q 自信が持てない時はどうすればいい?
ひっつめ髪と赤リップが「私は大丈夫」と思える魔法

「時々やってくる心の濁りに負けないよう、“自信がある風”に誘ってくれる手段は持っておいた方がいい。私にとっては、それがひっつめ髪と濃い赤リップ。人はどうしても比べてしまう生き物だから、いっそのこと思い切り浮いて、比べられない場所にまで行けばいい」

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「私に自信という魔法をかけてくれる3本」。ルージュ ディオール 999¥4200/パルファン・クリスチャン・ディオール ラプソリュ ルージュ M198¥4000/ランコム ルージュ ココ フラッシュ 56¥4000/シャネル 


Q 大人の女性がメイクで大切にすべきことって?
静止画じゃない「動」の美しさ

「自分がキレイに見える角度や、毛穴ひとつない完璧な肌に捕らわれすぎてはダメ。女性ってシャッターを押した2、3秒あとのほうが絶対可愛い顔をしているし、少し隙のある肌のほうが近寄りやすくないですか? 温かみや生っぽさを感じさせる、塗り固めないリアルを生かしたメイク。それこそが大人には必要だと思うんです」


Q 魅力的に年齢を重ねる秘訣は?
“似合わない”を勇気を持って捨てる

「自分自身をよく観察して、似合わなくなったものは潔く捨てる勇気を持つこと。例えば、私はもう膝上のスカートをはかないし、30代後半でカラコンがノイズに感じたのでやめました。自分にとっての鉄板メイクも、色みは同じでもいいから、質感は新しいものにチェンジして欲しい。捨てると新たな循環が生まれます」

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 河北裕介さんに教わる大人の綺麗の正解、メイクのポイント 

美しい女性に共通することは? 大人の女性がメイクで大切にすべきことって? 大人のキレイの本質についてQ&A形式でお届けします。

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Q 大人のキレイの正解って?
A TPOをふまえていること

「いつ、どこで、誰に会うかを考えてメイクすることこそが大人の嗜み。結婚式にスッピン風メイクで行くのはNGだし、会社にアイラインをガッツリ効かせたメイクは不似合いでしょ。できるならば、シーンと同時に肌にあたる光までを想像しながらメイクするといいよね」


Q 美しい女性に共通することは?
プロデュース力

「自分を知っていて、印象を自在にコントロールできるセルフプロデュース力は、大人の女性にこそ必要なもの。そのためには、洋服を着替えてからメイクすること。大きな鏡の前で全身を引いて見つつ、シチュエーションに合った“なりたい自分”にメイクで近づけていって」


Q 自信が持てない時はどうすればいい?
人とちょっと違ったメイクをしてみればいい

「自信がないのは、自分のポテンシャルを信じきれずに人と比べてしまっている証拠。そんな時は、メイクで冒険するのがいいと思う。みんなと一緒、いつもと一緒は安心するけど、違いを楽しむ余裕こそが表情を輝かせ、自信をつけてくれる。今季なら、グレーのアイシャドウやくすみっぽい赤リップがおすすめ」

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「いつものベージュやブラウンシャドウの上から、二重幅にだけBのグレーを効かせてみて。すると、怖い顔にならずになじんで、失敗がない。リップCは直塗りして、輪郭を指で少しぼかしてラフに」。

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使用アイテム

ハイピグメント ロングウェアアイライナー 8191¥3000/NARS JAPAN トーン タッチ アイズ 15 ¥3700/SUQQU ルージュ ディオール ウルトラ リキッド 989¥4200/パルファン・クリスチャン・ディオール D「チークはあくまでも気配でいい」。ピュア カラー ブラッシュ 11¥5500/SUQQU


Q 年齢を重ねることが怖いんです
A 自分目線で、幸せについて考えてみて

「気持ちはよくわかります。でも避けられないことだから、他人の目を気にするんじゃなく、自分がどんな風に年齢を重ねていきたいかに視点をシフトすべき。積み重ねていく経験は人生に深みを出してくれるし、流れゆく時間を目一杯に楽しんでいる人は魅力的だよね。絶対」


Q 大人の女性がメイクで大切にすべきことって?
A やっぱり眉

「リップやアイメイクよりも顔の印象を左右して、意志を醸し出すパーツが眉。アンダーラインをまっすぐフラットに描くだけで、甘さがいい感じに消えて、顔に知性が宿ってくる。それから、まつ毛を上げすぎないこと、チークを主張させないことも大人には効く」

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「薄すぎず濃すぎない絶妙な発色のリキッドとパウダーだから、顔が一気にあか抜ける。色持ちも最強」。リキッドアイブロウ ダークブラウン ¥1400/Clue

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 神崎 恵さんに聞いた「美容に疲れた人」へのアドバイス 

新たな美の価値観を提案し続けている神崎 恵さんに、今、女性に伝えたいことや、美容に疲れた人へのアドバイスを聞きました。

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「目が強い分、唇は柔らかいニュアンスに」。

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使用アイテム
プレステージ ル フルイド タン ドゥ ローズ SPF25・PA+++ 全5色 各¥13000/パルファン・クリスチャン・ディオール B「ピンクニュアンスのドラマティックな眼差しに」。アイ カラー クォード 03A¥9200/トム フォード ビューティ C「誰にでも似合って、ほんのり今年っぽさを添えるキャラメルベージュ」。ルージュ アリュール リクィッド パウダー 974¥4200/シャネル


Q 美容に疲れた人の美容との心地よい距離の取り方って?
休むのがいい。歯磨きぐらいの最低限で十分

「洗顔後はクリーム1品だけとか、メイクはリップと眉だけとか、やる気が戻ってくるまで投げ出しちゃいましょ。毎日の『あれをしなくちゃいけない』というノルマは、できなかった時のストレスで心を削り、キレイを遠ざけるから、私は禁止しているんです。疲れた時は、歯磨きぐらい、頑張らずにできる最低限のことで十分」


Q 今、女性に伝えたいことは?
「女性」って、とてもやり甲斐のあるもの。もっと自由に楽しんで

「お決まりの鉄板から卒業して、もっとメイクを自由にワクワク楽しんでほしい。ただし、ルーズなものではなく、品の良さを織り交ぜた大人の自由です。このメイクでは、そんな想いを表現。肌は端正に作り、今まであまりポイントにしてこなかったアイメイクで遊んでいます」

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 河北裕介さんに聞いた「美容に疲れた人」へのアドバイス 

大人のキレイの価値観を変えた河北裕介さんに、魅力的に年齢を重ねる秘訣や、いま女性たちに伝えたいことをうかがいしました。

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「上まぶたと下まぶたにパレットDの右から2番目のブラウンを軽くのせ、リップEはブラシで輪郭を縁取りながら丁寧に仕上げて」。

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使用アイテム

A「リアルな質感のツヤ肌が基本」。クリーム ファウンデイション N SPF15・PA++ 全6色 各¥5000/イプサ B「跳ね上げも、キワ埋めも難なくこなす天才ライナー」。&be リキッドアイライナー ブラック ¥1500、C「このマスカラは、目力が出るのにこのうえなく繊細」。&be マスカラ ブラック ¥1500/Clue D「肌そのものをキレイに見せる発色がいい」。イプノ パレット 11¥6800/ランコム E「どんな荒れた唇もなめらかに」。ザ ルージュ ベルベット BR301¥3500/コスメデコルテ


Q 魅力的に年齢を重ねる秘訣は?
A 流行を必死に追わず審美眼をアップデート

「時代とともに、さりげなくブラッシュアップできていっている人が魅力的だよね。若い頃の自分にしがみつくでも、流行を必死に追うのでもなく。最新のコレクションを軽くチェックしておくだけでいい。それが頭の片隅に残り、選ぶメイクやファッションがアップデートされるから」


Q 美容に疲れた人の美容との心地よい距離の取り方って?
A 視野を広げて違う逃げ場を作る

「一度、その場から離れて、視点を変えるのがいいと思う。SNSを見て人と比べて疲れるようなら、しばらくやめてみるとか、違う趣味を見つけてみるとか。同じところでグルグルしているとハマッてしまうから、逃げるが勝ち。僕もいろんな逃げ場を作るようにしてます(笑)」


Q 今、女性に伝えたいことは?
A 意志のある強い女性はそれだけでカッコイイ

「もっと女性には強く、パワーを持っていて欲しい。そんな女性像を簡単に作れるのが、クレバーさを潜ませた落ち着きのあるブラウンメイク。今っぽい色だし、似合わない人はいないんだよね。目元と口元にブラウンを効かせたら、跳ね上げラインで知的かつクールな印象に」

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