シャンプーだけでしっとり、さらさら。

昨今のシャンプーは洗浄力のみならず、使用感やダメージケアなど、多機能が期待されています。


ところで、シャンプー後に髪がきしんでしまった!という経験はありませんか?

洗髪後の「キシキシ」の原因は、実は全てがNGではありません

シャンプー後の滑らかな髪は、却ってトリートメントの効果を半減させてしまうことも・・・?


■シャンプーの役割

シャンプーの基本的な役割は、毛髪および頭皮の洗浄です。

毛髪の汚れはちり・埃やヘアスタイリング剤

頭皮汚れは古くなった角質、汗が乾いて残った塩分や尿素、皮脂など。

油性の汚れはお水だけでは落とせませんので、界面活性剤の力が必要になります。


濡れた髪は摩擦ダメージを受けやすい状態。シャンプーは泡立ちの良いアニオン界面活性剤が頻用されます。

「~塩」「~酸ナトリウム」などと表示されているもので、水中でマイナスイオンになります。(クエン酸Na, 乳酸Na, 硫酸Naなどの無機塩は例外)

他にも洗浄力をマイルドにするアンホ型界面活性剤や(pHによってマイナスにもプラスにもなる)、ノニオン型界面活性剤(水中でイオンにならない)なども補助的に使用されますが、いずれも目刺激性のないものが使用されます。


キシキシの原因①

界面活性剤の代表格「石ケン」もアニオン界面活性剤の一つです。

石ケンは高い洗浄力と生分解性を持ちますが、水中のCaイオンやMgイオンなどと結合して不溶性の「石ケンカス」を形成。これが髪に付着するときしみの原因になってしまいます。


キシキシの原因②

シャンプーの主成分はアニオン界面活性剤。洗髪後は毛髪表面がマイナスに傾きます。静電気の影響でキューティクルがひらき、髪がキシキシとした感触に・・・。しかし、同時にトリートメントを吸着しやすい状態でもあるです


シャンプー後にサラサラする仕組み

シャンプー後の毛髪の質感向上には、「コアセルベート」という考え方があります。

洗浄中はアニオンやアンホ型界面活性剤が働き、水ですすいで希釈されると不溶体が形成され、毛髪に吸着するというものです

これがイオンを中和し、シャンプー後もさらさらとした質感になるのです。

最近では、さらにマイナスの層を形成する材料もありますが、そう多くはありません。


リンス・トリートメントの役割

リンス・トリートメントの機能は、毛髪の静電気を防止し、くし通りをよくすること。

カチオン界面活性剤(水中でプラスイオン)が主成分で、キューティクルに吸着して毛髪を滑らかにします。

プラスとマイナスはよく引き合いますので、毛髪表面がマイナスに帯電しているほど、トリートメントの吸着性は向上するのです。


髪がキシキシしてしまった時、それが石ケンの影響か、そうではないか確かめてみてください。

いつもはNG評価のシャンプーも、お気に入りに変わるかもしれません^^

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かおりん

インフルエンサー/スキンケア

かおりん

10年目/乾燥肌/イエローベース

リケジョの美容家として活動中。

化粧品成分に精通した、リケジョブロガー。スキンケアなどの訴求成分については、原料メーカーのホームページや技術情報誌・特許まで読んで調べるそう。

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