たくさんの素敵な映画を観てきた経験から、「映画は本当に美に効くんです!」と宣言するLiLiCoさん。ヒロインのメイクを真似したいと思える作品から、内面が磨かれる作品まで、この春にぜひ観てほしい、美欲を刺激する3本を熱く語ります。

LiLiCoさん

タレント/映画コメンテーター

LiLiCoさん

1970年11月16日生まれ、スウェーデン・ストックホルム出身。『王様のブランチ』の映画コメンテーターやタレントとして活躍するほか、ジュエリーブランド(LiLiNaデザイナー)、北欧雑貨のセレクトウェブショップ(LiLiCoCo)など幅広く活躍中。

『マリー・ミー』

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_1

ストーリー
世界的歌姫のカット(ジェニファー・ロペス)は、新曲『マリー・ミー』を携え、大観衆の前で華々しく結婚式を挙げる予定だった。ところがショーの直前に婚約者の浮気がスクープされ、失意のままステージに上がったカットは「MARRY ME」というパネルを掲げる観客の男性に突然プロポーズ。お相手は、友人に無理やり連れてこられた平凡な数学教師(オーウェン・ウィルソン)だった。
4月22日(金)全国公開 
© 2021 Universal Pictures

50歳を過ぎたJ.Loの圧巻の美しさを見てモチベを上げて!

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_2

スクリーンがこれほどキラキラする映画を観たのは久々! 映画の冒頭から歌姫を演じるジェニファー・ロペスが、40キロの重さがあるゴージャスなウエディング・ドレス姿で登場するんです。もうその姿を見ただけでテンションが上がったし、私も結婚式をやり直したくなっちゃいました(笑)。ドレス以外にも、この映画の中で彼女は信じられないくらいかわいい衣装をいっぱい着るんです。淡いピンクのセクシーなワンピースとか、街中で着ていたら『どうしたんですか?』と言われそうなものばかりなんだけど、スクリーンの中のおとぎ話として見るには最適の映画だと思いました。ラテン系の女性ならではのヘルシーな肌に、濃いアイメイクやアプリコット系のチーク、ヌーディなリップがまたとっても映えるんです。J.Loに影響されて、私も目元にグリッターをのせちゃいました

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_3

日本の女性って30代半ばを過ぎると年齢を過剰に気にしたり、『私なんて』と謙遜したりしますけど、私は本当にもったいないなと思うんです。だってJ.Loはオーバー50ですよ! 映画の中はもちろんだけど、私生活でも常に恋をしているし、自分を輝かせるファッションやメイクに身を包んで女性であることを存分に楽しんでいるじゃないですか。ヨガをするシーンが出てくるように、あのプリップリのお尻とスタイルをキープするにはとんでもない努力をしていると思うんです。でも、映画の中でキラキラしているJ.Loを見たら『私もがんばろう!』と、自分磨きをしたくなるはず。きっとこの映画は10代でも50代でも刺激をもらえるはずです!

『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_4

ストーリー
舞台は90年代のニューヨーク。作家を夢見るジョアンナ(マーガレット・クアリー)は、老舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の上司マーガレット(シガニー・ウィーバー)の編集アシスタントとして働き始める。
5月6日(金)新宿ピカデリー、Bunkamura  ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
9232-2437 Québec Inc - Parallel Films (Salinger) Dac © 2020 All rights reserved.

真似したいヘアとファッションの宝庫。今の時代の『アメリ』です!

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_5

かつてそのかわいらしい世界観に女の子みんなが憧れた『アメリ』。この映画は90年代のニューヨークを舞台にしているけれど、ヒロインのジョアンナが着ているファッションは今見てもかわいいんです。赤いニットに赤いストッキングを合わせたり、花柄のブラウスの上にニットを重ねたり、黒のストラップシューズを履いていたり。私自身はタイプが違いすぎるから真似できないけど、ああいうファッションが似合う女性になりたかったなとは思います。映画だからスタイリストが衣装をいくらでも用意できるはずだけど、この映画ではヒロインが西海岸から引っ越して来たばかりだから、手持ちの服が少ない設定なんでしょうね。何度も同じブラウスやシャツが出てくるんです。その着回し方はすごくリアルだったし、一生懸命おしゃれを楽しみながらお仕事している感じがかわいかったです

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_6

プラスして注目してほしいのはヘアスタイル。大事な仕事の時はすごくキレイに編み込んでいたり、真ん中分けにしてちょっと大人っぽく仕上げたり、家でリラックスするときは無造作にお団子にしていたり。髪型ですごく印象が違うんです。オンとオフを上手に切り替えながら、いろんな自分を演出している姿は刺激になったし、ヘアアレンジをいろいろ研究してみようかなという気になりましたね。個人的には上司のマーガレットを演じたシガニー・ウィーバーのボブスタイルもとっても素敵だと思いました。ちなみにこの映画はお仕事映画としても見応えがあります。自分の夢のために回り道をしてでもやりたいことを貫き通す姿はすごくカッコよかったし、お仕事への意欲が湧いてくるはず。この春、新しいチャレンジをする人にはぜひ見てほしいです!

『ベルイマン島にて』

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_7

ストーリー
映画監督カップルのクリス(ヴィッキー・クリープス)とトニー(ティム・ロス)は、敬愛するイングマール・ベルイマン監督が数々の傑作を作ったスウェーデンのフォーレ島へ、アメリカからやってくる。やがて島からインスピレーションを得たクリスは、初恋をテーマにした脚本を書き始めることに。
4月22日(金)、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
© 2020 CG Cinéma ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinéma

心のブラジャーを脱いで、ナチュラルビューティを感じて!

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_8

この映画の舞台は、私の故郷のスウェーデン。イングマール・ベルイマンという巨匠の映画監督がかつて住んでいた島で展開される物語です。ベルイマン監督は名作をいっぱい残しているんだけど、どれも謎(笑)。よくわからない世界観が彼らしさなんです。だからベルイマンの映画をお勉強しなくても全然平気です。なぜならこの映画も、現実とフィクションが交錯する謎な物語だから。物語の内容よりも感じてもらいたいのは、スウェーデンの美しさです。シャンパンを飲みながら緑豊かな屋外でパーティをしたり、本当に見ているだけでそよ風が髪に吹きつける感覚になるくらい癒されました

LiLiCoさんがアツく推す! この春公開の「美に効く映画3選」_9

舞台が田舎の島だから、登場する女性たちもみんなナチュラル。主人公のクリスを演じたヴィッキー・クリープスの、セットしていないカーリーヘアとかそばかすのある肌、無理をしていないファッションがすっごくかわいいの。クリスが脚本を手掛ける作品の主人公として、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカも登場するんだけど、彼女の若い肌も本当に透明感があってキレイでした。そしてこの2人、どのシーンでもブラジャーをしていません。実は私も、日本に来るまでは着けたことがなかったんです。来日してすぐの頃、ノーブラで葛飾の街を歩いていたらおばあちゃんに怒られてびっくりしたことがあるくらい(笑)。日本人女性が彼女たちを見たら違和感があるかもしれないけれど、ぜひ、心のブラジャーを外してナチュラルな美しさを堪能してみてください。知らない間に凝り固まっていた気持ちが、ゆっくりと解きほぐされるはずです

 取材・文/松山 梢 構成/佐藤 陽(MAQUIA ONLINE)

share