鏡を見るたびに気になる肌トラブル。何が原因なのかわからずスキンケア迷子に。肌内部で起こっていることを正しく理解すれば、手を打つべきケアが一目瞭然。今回は毛穴トラブルを詳しく解説します。
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。皮膚のメカニズムにもとづく正しいスキンケア知識を啓蒙し、各メディアで活躍。
シミ、シワ、たるみ、乾燥、毛穴…悩みの原因はコレ! 慶田先生が解説
図解 トラブル肌のメカニズム
健康な肌
基底層で生まれた表皮細胞がきちんと成熟して、角層になり、約2週間で正常にはがれ落ちる。真皮ではコラーゲン、エラスチンが弾力を保ち、ヒアルロン酸に満ち溢れて内側から跳ね返すようなハリ感が!
「浸透」するとは?
通常のスキンケアコスメは、角層をケアし、ものによっては基底層近くまで浸透。薬用の有効成分の一部は真皮まで届いてコラーゲン産生などをサポート。
トラブルは“毛穴まわり”で起きている!
毛穴悩みは単なる皮脂トラブルではなく、表皮や真皮の健やかさのバロメーター。「皮脂は常に粛々と分泌するもので、毛穴が目立つからといって止めることはできず、つまりを押し出すなど過激なケアは逆効果。毎日の洗顔、保湿、ハリケアで毛穴を取り巻く肌を整え、毛穴を大暴れさせないことが肝心です」(慶田先生)
毛穴の周囲の肌はこうなっている!
真皮の奥深くまで到達する袋状の組織
皮膚の奥深くまで存在して毛を収めている“毛包”が、いわゆる毛穴。汗と混じって天然の“保護膜”となる皮脂は、常に作られ、毛を伝って角層の外へと排出。DHEAというホルモンが男性ホルモンのジヒドロテストステロンに変わり皮脂腺に作用すると皮脂分泌が活発に。
毛穴の皮脂腺の構造
毛穴に直結する皮脂腺が複数存在
ひとつの毛穴に対し、皮脂腺はひとつとは限らず、毛穴が目立つ部分には複数存在。皮脂腺内部で脂腺細胞が成熟するとはじけ、皮脂が分泌。毛を伝って外に押し出される。
黒ずみ毛穴
洗顔で取り切れなかった皮脂が酸化
日々の洗顔で毛穴につまった皮脂を取り切れず、残ったままにすると酸化。黒ずみが目立つだけでなく、炎症を起こして吹き出物、毛穴まわりの肌あれの原因に。
たるみ毛穴
毛穴まわりがハリを失い細長い毛穴に
加齢や紫外線の影響で、真皮のコラーゲンやエラスチンなどの弾力繊維が目減り。毛穴まわりの肌がゆるみ、開口部が重力で細長く垂れた状態に。
開き毛穴
皮脂腺が多く、皮脂分泌が活発で開きっぱなしに
皮脂腺が複数あったり、皮脂腺が大きいと皮脂分泌が活発に。かといって皮脂を取りすぎると乾燥し、肌を守ろうと角層が厚くなり、かえって毛穴目立ちに。
つまり毛穴
黒ずみ毛穴を放置し角栓となった状態
酸化した皮脂と毛穴まわりの角質などがまじりあい、角栓となってつまった状態。黒ずみ毛穴の放置や老化で、毛穴まわりのターンオーバーの乱れが原因。
MAQUIA 12月号
イラスト/シママスミ(肌の断面図) きくちりえ〈Softdesign〉 取材・文/小田ユイコ 構成/髙橋美智子(MAQUIA)