今までは隠すことが美徳とされてきた生理やセックスの話が、ここ数年で大きく変化。若い世代を中心に友達同士でも気軽に話せるようになってきて、女性の体を取りまくフェムテックアイテムも続々登場しています。そのムーブメントの第一人者・北原みのりさんに、最新トレンドを伺いました！
運営するオンラインストア「ラブピースクラブ」では、女性のためのラブグッズのほか、女性の体と心を慈しむフェミニストコラムを発信。
女性の女性による女性のためのフェムテックが始動
「フェムテックという言葉が生まれたのは2017年。ドイツで女性の生理周期を管理するアプリがリリースされたのをきっかけに、『女性の体に関する悩みをテクノロジーで解決する』という意味で生まれた経済用語なんです。それまでも女性の体のサイクルを記録するツールはありましたが、このタイミングでフェムテックブームに火がついたのには、女性の科学者が増えたことが大きいと思います」。
「以前はそういったツールをはじめ、生理用品やフェミニンケアアイテム、さらにはラブグッズに関しても、男性によって作られるものが多かったんです。それが、最近は女性の研究者が増えたことで、女性の体と心に寄り添ってものづくりがされるようになり、『こんなのが欲しかった』と思えるものが増えている。ジェンダー平等や女性のエンパワーメントの概念が広まり、生理や妊娠、出産、更年期など、女性の悩みをオープンに話せる場所が増えたのも、昨今のフェムテックブームに繋がっているのだと思います」。
不快な思いにフタをする必要はない！ もっと楽に受け入れて
「生理のわずらわしさやセックスによる痛みなど、女性であるがために我慢してきた不快感。今まではただ黙って我慢するしかなかったけど、それでは何も良くならない。女性は生理中を含め、その前後のホルモンバランスの乱れにより、月の半分以上は心身ともにコントロールが利きにくい状態になります。そんな女性が1日でも多くご機嫌でいるためには、女性の体と心を慈しんであげることが大切。女性の悩みを隠し事にせず、まずは女友達と話すところから始めてみるのもいいと思います。そうすることで悩んでいるのは自分だけではないと気づくことができるし、進化し続けるフェムテックアイテムについての情報交換もできるかも。コントロールが利きにくい自分も受け入れて、不快なサイクルを少しでもご機嫌に過ごせる方法を探ってみてください」。
今では20社以上から発売されている吸水ショーツ。こちらは生理用とは思えないデザイン性で、憂鬱な気分も明るくなりそう。ムーンパンツ デイタイム ブラックレース ￥5280／ラブピースクラブ
プレジャーケアで体と心を豊かにする
「フェムテック市場の中でも急速に売上を伸ばしているのが、女性向けのセクシャルトイ。日本ではまだまだ浸透していませんが、欧米ではかなり一般的に。女性がセックスでオーガズムを得られる割合はわずか30%程度と言われており、もちろん、オーガズムを得られなくてもパートナーとのスキンシップがあれば満足という人もいるし、それはそれで素晴らしいこと。でも、オーガズムを得ることで副交感神経が優位になり、体も心もリラックスした状態になるということも事実。実は生理中にオーガズムを感じることで生理痛が緩和するという研究結果があるんです」。
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膣トレで女性のさまざまな悩みをクリアに
「膣トレとは骨盤底筋と呼ばれるインナーマッスルを鍛えるトレーニングで、体幹にもアプローチするのでどんな世代にもトライして欲しいのですが、特におすすめなのは出産経験のある経産婦の方。妊娠＆出産により骨盤底筋が引き伸ばされ、かなり緩んだ状態になるので、それにより尿もれしやすくなったり、膣の感度が低下する人は多いんです。膣トレは自分のためのトレーニング。自分ではなかなか鍛えにくい部分だけに、やればすぐに違いを体感できるはず」。
取材・文／野崎千衣子 イラスト／itabamoe 構成／佐藤 陽（MAQUIA ONLINE）
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