Over40の髪悩みにプロが回答。白髪は抜いてもOK？ セルフ白髪染めのおすすめ品は？

40歳を過ぎると、体型、髪、睡眠、体調、メンタルなどあらゆる面でトラブルが続出。そこで、そんなトラブルの原因や対処法までをプロがアドバイス。今回は肌以上に年齢が出てしまいやすい、髪の悩みに答えます。

A.加齢で白髪、抜け毛・薄毛、うねり、パサつきなどが起きやすく
「40代になると女性ホルモンが減ってくるので、生えてくる髪の質が弱くなっていき、白髪、抜け毛・薄毛、うねり、パサつきなどさまざまなトラブルが増えます。髪だけでなく、頭皮も乾燥したり、血行が悪くなったりといったトラブルも起きがちに」（伊熊さん）

A.加齢以外にストレスも関係あり！
「白髪は加齢や、頭皮環境・生活習慣の悪化のほか、遺伝、紫外線が当たることで発生する活性酸素、血流不足、ストレスなども原因になります。ストレスについては、精神的ストレスだけでなく、スマホやパソコンなどによる目の酷使など肉体的なストレスも関係していると考えられます」（伊熊さん）

A.色素幹細胞が減少して色素細胞を生み出せなくなるから
「髪を黒くするメラニン色素は色素細胞（メラノサイト）から生まれ、その大元が色素幹細胞。これは毛包の中のバルジ領域にあり、色素幹細胞から生まれた色素細胞が髪の根元の毛母細胞に送られると黒い髪が生えます。しかし加齢などによって色素幹細胞が減少すると色素細胞が送られず白髪になるのです」（伊熊さん）

A.ストレスを溜めない生活を
「ストレスを溜めないように気をつけることが大切。夜はなるべくスマホやパソコンを見過ぎないようにするなど、デジタルストレスをリリースするよう心がけましょう。またブラッシングや頭皮クレンジングなどを習慣にして頭皮環境を整えることも大事」（伊熊さん）

A.塗るだけでカバーできるものが便利
「マスカラタイプやパウダータイプのさっと塗るだけで白髪をカバーできるものが便利。最近は仕上がりが自然で、乾いた後に色移りがしにくいものが増えています。つけたい部分の毛束を持ち上げて、毛の表側だけでなく裏側からも塗るのがコツ」（伊熊さん）

A.2カ月に1回程度
「白髪染めに限らず、ヘアカラーはアルカリ剤によって髪のキューティクルを開くため、髪の傷みや頭皮の乾燥につながります。2カ月に1回程に抑えて」（伊熊さん）

A.健康な毛にも影響が及ぶのでNG
「髪は1つの毛穴から3本程生えていて、白髪を抜くと毛根にダメージが加わり、他の髪にも悪影響が及ぶので抜くのはNG。抜かずにカバーを」（伊熊さん）

A.失敗しにくいヘアカラートリートメントが◎
「染毛剤での白髪染めは初めての場合、不安がつきものです。色持ちは10日程度ですが、キューティクルをあまり開かず、髪が傷みにくいヘアカラートリートメントという選択もありますよ」（伊熊さん）

A.なるべく暖かい部屋で行うこと
「ヘアカラートリートメントは、シャンプー後でなくお風呂に入る前の乾いた髪に直接塗るのがおすすめ。温度が高いほうがよく染まるので、暖かいところで行い、塗ってからシャワーキャップをして20〜40分ほどおくときれいに染まります」（伊熊さん）

A.ブラッシングで頭皮の血行促進を
「頭皮は加齢とともに痩せて硬くなり、髪が抜けやすくなるので、血流をよくして柔軟にするため、以下のようなブラッシングを習慣に」（伊熊さん）

A.加齢以外に自律神経の乱れなどが原因かも
「抜け毛は、季節では秋に多くなります。また、加齢以外に、女性ホルモンの減少や、紫外線によるダメージ、自律神経のバランスの乱れ、頭皮環境の悪化、血行不良、ストレス、栄養不足など、何らかの原因によって髪の生まれ変わりのヘアサイクルが乱れて、髪の休止期が長くなることが原因です」（伊熊さん）

A.ミノキシジル配合などの医薬品が効果的
「薄毛が深刻なら、ミノキシジルのような発毛成分が入った医薬品を使うのがおすすめ。また、女性ホルモンや、植物由来の育毛成分などを配合した医薬部外品の育毛剤もいいと思います」（伊熊さん）

A.たんぱく質、鉄、亜鉛など
「髪の材料になるたんぱく質や、たんぱく質の再合成に必要な亜鉛は意識して摂って。また、東洋医学では髪を血余（けつよ）（血の余り）と言うように髪には十分な血液が不可欠なので、血液を作る鉄も大事」（伊熊さん）

A.頭皮用美容液での保湿
「加齢などで頭皮が乾燥しやすくなるとバリア機能や皮脂分泌に影響が及び頭皮環境が悪化し、抜け毛の一因に。防ぐため頭皮用美容液での保湿やブラッシングを」（伊熊さん）

A.ヘアオイルやヘアマスクがおすすめ
「アイロン前に使えるReFaのロックオイルをつけて髪をアイロンで巻くとうねらずキープできます。ドロアスのクレイヘアマスクもうねり防止に◎」（伊熊さん）

A.毛髪内のケラチンのバランスが悪くなるため
「髪の主成分はケラチンというたんぱく質なのですが、このケラチンには、水を吸って膨らむ性質のものと、膨らまない性質のものがあります。加齢とともに髪の内部のこの2種類のケラチンの位置にバラつきが出てバランスが悪くなるので、うねりやすくなるのです」（伊熊さん）

A.頭皮クレンジング効果のあるものを取り入れて
「洗浄力が高過ぎないアミノ酸系シャンプー。また、頭皮の毛穴詰まりを解消するため週1回は頭皮クレンジングアイテムを取り入れるのが理想的」（伊熊さん）

A.使うものを替えるよりも頭皮ケアを意識して
「40過ぎたら、使うアイテムを替えるというより、洗い方を見直すほうが大事です。加齢とともに髪も頭皮も乾燥しやすくなるので、洗い過ぎは禁物。毎日シャンプーをすると頭皮が乾燥してかゆくなる人は、毎日のシャンプーは避けて、ときどきはお湯だけで洗う“湯シャン”も試してみるといいと思います」（伊熊さん）

A.ヘアカラー後は専用アイテムでのケアを
「パサつきの大きな原因のひとつがカラーリング。カラーリングをするとき髪のキューティクルを開き、その後のケアが不十分だと傷みやすくなり乾燥するのです。防ぐためには髪を染めた後の1週間は、カラーリングした髪専用のシャンプーやトリートメントを使うのが効果的」（伊熊さん）

A.頭皮用オイルや髪用のバーム
「シャンプー前にWaphytoのオイルで頭皮をマッサージし、オイルを毛先にもなじませて洗うとパサつき防止に。また、スプリナージュのバームを毛束を取ってつけるとパサつきが目立ちにくくなります」（伊熊さん）

A.週に1度の頭皮クレンジング
「週1回の頭皮クレンジングを習慣に。頭皮の代謝を促すので健康な髪作りにつながりますし、髪の根元が立ち上がりやすくなって薄毛も目立ちにくくなります」（伊熊さん）

MAQUIA 3月号
イラスト／リバー・リー〈Softdesign〉　取材・文／和田美穂　構成／火箱奈央（MAQUIA）
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