スキンケアの最前線を語り尽くす！ 美容のプロ2人による対談をお届け【MAQUIAベストコスメ2022下半期】

長引くマスク生活で生まれた肌悩みに、研究を極めた自信作の投入が目立った下半期。プロ2人の分析やいかに!?

今期最も激戦だったのがクリーム。
アベ　化粧水や美容液は使ってもクリームには手を出していない若い世代も、クリームのよさに目覚めなきゃもったいない、という充実ぶりでしたね。
タイラ　ベスト・オブ・ベストのオバジを始め、今期は試すもの、試すもの全部がよくて。リフトケアはもちろん、センサイやディセンシアのように肌の調子が悪いときにクリームで穏やかになだめるケアの提案など、クリームのポテンシャルは高いと改めて。
アベ　マスク着用で乾燥、肌あれなどのトラブルが下半顔に集中している人も多い。そんな人こそ、クリームでなんとかすべし！

マスクを外せる日も間近？ でもマスクの裏でたるんだ下半顔をさらす勇気は、もはやなく。
アベ　これまでリフトアップ＝40代以上のものという印象だったけど、マスクだるみは20代、30代でも。たるみケアやリフトアップという言葉は万人に刺さるキーワードに。
タイラ　オバジやシャネルなど張力に着目したもの、SHISEIDO ビオパフォーマンスのヒアルロン酸分子のサイズを変えてハリを出すものなどなど。
アベ　ひとくちにリフトアップといっても、下に下がったものを上げるのか、しぼんだものを膨らませるのか。「どういうたるみなのか」というメーカーの捉え方もさまざまだった。それにより商品のアプローチも多彩になった気がします。
タイラ 肌がアガると気持ちもアガる！
アベ　心の平安に繋がりますよね。

夜間の肌の修復力を高めるアイテムに注目。
アベ　今や夜しかお手入れする時間が取れないという人も多い。“3時間多く眠ったような肌になれる”というコスデコのリポソームのナイトクリームを始め、ここにきての「夜のケアをちゃんとしよう」という意識の高まりは、新しい日常にストレスを感じている人が増えたせい？
タイラ　花王のエストのリキッドサプリメントで睡眠の質が上がったという人、周りにもすごく多かった。しっかり眠らないと肌のターンオーバーも滞るし、夜間美容、睡眠美容は美肌育成の基本のキ。
アベ　夜間ケアへのニーズの高まりに対して、効果を実感しやすい説得力のあるアイテムの登場は、3年前に突如としてやってきたタフな「新しい時代」を乗り切るための、生活の知恵なのかも。コロナ禍における美容、3年目の回答ですね。
タイラ　角層ケアやリフトアップ、クリームの進化もすべてそうだと言えますね。

バーム優勢だったクレンジング界に、久しぶりにオイル人気が戻ってきた！
アベ　オイルのテクスチャーの進化が目覚ましい。セルヴォークやルナソル、そして惜しくもランク外だったけど、シュウ ウエムラのクレンジングオイルも全部よかったな♥
タイラ　バームオイルという新質感にも注目。オイル自体が美容液成分たっぷりで、ベタつき感がなく、むしろ洗うことで肌が潤うんですよね。ダブル洗顔も不要だし、落としすぎ感もないから、私も久々にクレンジングオイルに回帰しました。
アベ　うんうん。どれも落とし方がすごく「上手く」なってますよね。クリームと並んで、最も進化を感じたカテゴリーです。

美肌印象の決め手はズバリ角層！
タイラ　角層が年齢とともに分厚くなることや角層がよい状態だと肌内部にもいい影響を及ぼすことなどがわかってきました。
アベ　クリームのところでも出た、角層の立て直しを図るセンサイやディセンシア、そして角層から毛穴にアプローチするドゥ・ラ・メールのピーリング美容液などがありましたね。
タイラ　化粧品が肌にできることは角層まで。だから、肌の最表層である角層が美しさを左右することがストレートにわかるような、実感重視のアイテムが増えている印象。
アベ　肌触りや肌の明るさ、後に使うアイテムの浸透力アップなど、スキンケアの醍醐味が味わえますよ。

MAQUIA 1月号
取材・文／平 輝乃　企画・構成／吉田百合（MAQUIA）