「MAQUIA」2月号では、話題の「菌活」について大特集。今、菌活すべき10の理由を専門家がレクチャーします!
美肌も健康もメンタルも。
始めた人からQOLアップ
菌活100問100答
スキンケアやダイエットに励んでも、美肌や美ボディが手に入らないのはなぜ? その答えのカギを握るのが、私たちのカラダに棲む、美の運命共同体「菌」の存在だった!
お話を伺ったのは…
皮膚科医
工藤清加先生
わかばクリニック院長。早くから美肌菌に着目し、自身のスキンケアブランド「フラセラ」を開発。
皮膚科専門医
出来尾 格先生
ミルディス皮フ科勤務。さまざまなメディアで美肌菌の新常識を啓蒙する、皮膚常在菌の権威。
早稲田大学
服部正平先生
「菌界のドン」。常在菌のメタゲノム解析に携わり、菌の常識を塗り替える、菌研究のパイオニア。
新知見が続々解明!
今、菌活すべき10の理由
美にこだわる人こそ、菌活すべきって言われるけど、どうして?
Q 美肌も、健康も、メンタルも菌次第ってホントなの?
A ホントです。
私たちの体に生息する常在菌たちのゴキゲン次第
「人間の体に生息する常在菌の数は、40兆個。圧倒的な存在です。免疫に関わるのはもちろん、脳と連携してメンタルもコントロール。近年、皮膚常在菌の研究も進み、肌トラブルや老化との関係が解明されつつあります。人間の健康は常在菌たちのゴキゲンにかかっているといっても過言ではありません」(服部先生)
Q 美肌菌って言葉、最近よく見かけるような…
A 急ピッチで研究が進んでいる
今、大注目の分野です
「遺伝子解析技術などが進んで、美肌菌の全貌がわかるようになった昨今、ようやく皮膚常在菌の役割が認知されるように。美肌菌を無視しては美肌になれないことがわかり、各方面で研究が進んでいます」(出来尾先生)
Q 肌の菌トラブルの代表格といえばニキビ?
A それだけではありません。
乾燥肌、ゆらぎ肌も、菌トラブルです
「美肌菌は、実は肌の司令塔。環境から肌を保護し、免疫をコントロールし、ダメージの回復にも関わるなど大活躍。そんな美肌菌が弱れば、乾燥しやすくなり、敏感に傾くのも当然。ニキビができるのも、美肌菌のバランスがくずれたひとつの例にすぎません」(工藤先生)
Q 美肌菌を増やすコスメが増えている?
A 続々、登場中!
「私も以前から美肌菌に着目し、コスメを開発してきましたが、ここにきて美肌菌を適正に増やして、棲みやすい環境を整える育菌コスメが増えてきたのはうれしいことです。“肌の住人”である美肌菌を思いやれば、正しいコスメ選びもできるし、使い方も間違えないのではないでしょうか」(工藤先生)
Q シミ、シワ、たるみも菌が関係?
A Yes! 最新知見で明らかになっています
「美肌菌は皮脂や汗を食べて酸を分泌。美肌の条件である“弱酸性”に肌を保ってくれます。弱酸性の肌は、すべての肌老化を招く炎症を最小限に。美肌菌を大事にすればシミ、シワ、たるみをかなり予防できます」(出来尾先生)
Q つまり、菌の常識が変わってきた?
A そうなんです!
善玉菌・悪玉菌・日和見菌という分類ももう古い
「表皮ブドウ球菌が善玉、アクネ菌が悪玉という、単純な分類は古い。今はアクネ菌も人間の肌に有益な菌であることがわかっています。増えれば悪さをする黄色ブドウ球菌やマラセチア菌も、勢力が小さければそれほど悪さをしません。大切なのは、皮膚常在菌に“多様性”があり、その人にとってベストなバランスであること。今はその菌状態を総称して美肌菌と呼んでいます」(服部先生)
Q 気分や性格まで菌が左右?
A そのとおり。腸内細菌が関係します
「“腸は第二の脳”と言われるように、腸と脳は、神経を通じて情報交換しています。腸の働きを左右する腸内細菌は、メンタルの司令塔でもあるのです。近年では、うつも認知症も、腸内細菌が大きく関わっていることがわかっています」(服部先生)
Q 腸の調子を整えるのも、菌活ですよね?
A はい、菌活の代表格です
「アメリカの治療で行われているような便移植でもしない限り、腸内の菌叢(きんそう)はそう簡単には変わりません。むしろ自分の菌叢を大事にして、バランスよく整え、年齢とともに失われていく菌に長くいてもらえるよう、食事や生活に気を配りましょう」(服部先生)
Q 今更ですが腸活って、便秘以外も改善するの?
A 脳の働き、ダイエット、免疫力のカギも握っています
「腸活がうまくいけば、イライラ、うつうつしづらくなり、免疫力がアップして風邪やインフルエンザなどにもかかりづらく。栄養の吸収もスムーズに進んで体型もすっきり。肌も潤いを増しますよ」(服部先生)
Q 肌と腸以外に、菌活すべきところって?
A 今一番の注目は「口内」
「口内細菌の状態は、美肌菌とともに若さのバロメータ。菌バランスが乱れると虫歯や歯周病にかかりやすくなり、噛むことがうまくいかなければ腸に負担をかけ、腸内細菌にも影響が。また、口内に黄色ブドウ球菌や大腸菌が増えるとエイジングが進んだ証と言われています」(工藤先生)
MAQUIA 2月号
撮影/岩谷優一〈vale.〉(モデル) 恩田はるみ(物) ヘア&メイク/清水美知 スタイリスト/金山礼子 モデル/Rei イラスト/こさかいずみ 取材・文/小田ユイコ 柏谷麻夕子 構成/山下弓子(MAQUIA)
【MAQUIA2月号☆好評発売中】
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