日々の過酷なレッスンに裏打ちされた華麗なバレエの舞台は、誰もがその美しさにうっとりしてしまうもの。ただしその美しいステージの舞台裏は、挫折や苦悩、嫉妬などがあふれるまさに人生の縮図! フィクションよりもおもしろい、ドラマチックな人間ドラマをご覧あれ。


ピュアなバレエ少年たちの

まばゆい青春と

残酷な分かれ道を描く!

Image title

★今回のおすすめ新作映画★

『バレエ・ボーイズ』

監督/ケネス・エルヴェバック 出演/ルーカス・ビヨルンボー、シーヴェルト・ロレンツ・ガルシア、トルゲール・ルンド 公開中 配給・宣伝/アップリンク

〈ストーリー〉

ルーカスとトルゲール、シーヴェルトの3人は、ノルウェーの首都、オスロでプロのバレエダンサーを目指し、切磋琢磨しながらレッスンに打ち込んでいた。ところがある日、ルーカスひとりだけが名門ロンドン・ロイヤル・バレエスクールから招待を受け、3人は人生の分かれ道の選択を余儀なくされる。


ロッカールームで

無邪気に

じゃれあう姿にキュン♡

Image title

【松山 梢の女子ツボPOINT!】

プロのバレエダンサーを目指し、週6日猛特訓する少年たちの12歳から16歳までに密着したドキュメンタリーです。「どれほどストイックで過酷な練習の日々が描かれるんだろう?」とドキドキしていると、映画が始まってすぐに拍子抜けしました。なぜなら、まだ顔にニキビが目立つあどけない少年たちが、パンツ一丁でロッカールームでじゃれ合っているのだから。同じ夢を持つ“ライバル”としての意識はまだ薄く、チュチュを着ておどけて踊ってみたり、誰が一番多く回れるかを競争したり、同い年の“親友”として共に青春を謳歌している姿がなんともまばゆく、その一瞬のきらめきを目撃できるだけでも見る価値のある健やかな青春映画です。



人生の選択を迫られたとき
3人の友情はいかに!?>>>

初めて人生の大きな

選択を迫られた

少年たちの葛藤に注目!

Image titleただし、青春はいつか終わるもの。ルーカスひとりだけが名門バレエスクールから声がかかり、人生の分かれ道の選択を余儀なくされるのです。同じ目標がありながらも、いつしか才能やモチベーション、生まれ持った体格などに残酷なまでの差が生まれていく様子は見ていてかなり切ないです。そしてもっと切ないのが、自分たちの実力不足を認めつつ、それでも地元のスクールで努力することを決める2人ではなく、親友たちとの開いてしまった距離に動揺し、最大のチャンスを前にしても親元を離れる決心がつかないピュアなルーカスの葛藤。これまで多くのバレエ映画で描かれてきた“他人を蹴落としてまでもトップを目指そう”とする野心がみじんも感じられないのが驚きです。


二度と戻らない

美しくほろ苦い

青春時代を追体験!

Image title才能も個性もまったく違うけれど、同じ時期に同じ場所で生まれたという条件だけで同級生たちと机を並べてきた私たちだって、進学や上京、結婚や出産など、様々なシーンで選択を迫られ、別れを経験しています。「あの時の選択は正しかった」と改めて確認するもよし、「あの時違う選択をしていれば!」と唇を噛んで次の機会に生かすもよし。少年たちの人生初めての選択と別れを見て、二度と戻らない美しくほろ苦い青春時代を思い出してみては? ちなみに公式サイトには彼らのインスタグラムのリンクが貼ってあるので、その後の活躍も要チェックです!


★次回は…

バレエ映画パート2 これぞバレエの舞台裏!

誰もが知るあの事件に迫った問題作をご紹介します。



〈映画ライター/松山 梢〉

映画のヒロインに感情移入することでかろうじて「女」であることを維持している、三十路まっただ中のライター松山 梢です。自分に足りない女っぷりを向上すべく、そして美意識の高いマキアオンライン読者の女っぷりをさらにアップさせるべく、愛すべき女子向け映画&ドラマを紹介していきます!



《関連リンクはこちら》

【松山 梢の女っぷり向上シネマ】>>


愛と性とは?本当の自分を見つめ直す! 美しき天才、グザヴィエ・ドラン監督『わたしはロランス』>>>



桐谷美玲、山﨑賢人、坂口健太郎の三角関係に胸キュン♪ 邪道ヒロインの恋愛術『ヒロイン失格』>>>


MAQUIA書影

MAQUIA2024年11月21日発売号

集英社の美容雑誌「MAQUIA(マキア)」を無料で試し読みできます。マキア1月号の大特集は「絶対、失敗しない!ベストコスメ2024下半期」。通常版の表紙は有村架純さんです。

ネット書店での購入

share