目には見えないけれど、私たちの体で分泌され美に貢献したりメンタルや健康を左右している存在・ホルモン。特に気になる「女性ホルモン」について、基本の内容をプロが教えます。
私の“バランス”のカギを握る!
ホルモンの不思議100問100答
イーク表参道副院長。生理や更年期について男性も交えて語りやすいムードを作った第一人者。著書多数。
成城松村クリニック院長。未病の不調治療に積極的で、サプリや漢方を取り入れた診療と親身な診察で人気。
自身の肥満やパニック障害を睡眠改善で克服。新著『ココロとカラダを整えるオトナ女子の休み方』も好評。
PART2
一緒に人生を歩む相棒♡
女性ホルモンちゃんと旅するQ&A
Q 女性ホルモンって、そもそも何?
A 卵巣が作るホルモンのこと
「一般的に、卵巣が作るホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの2種類を指します。“女性ホルモン”は医学的な表現ではなく総称ですが、肌や髪、それに血管を守って生活習慣病を防ぐパワーがあり女性にとって大切なホルモンです」(高尾先生)
Q 女性ホルモンは子宮からは出ないの?
A 出ません
「子宮は女性の象徴のように言われがちですがただの“筋肉の袋”なんですよ。女性ホルモンの分泌は卵巣が担っています」(松村先生)
Q 生涯に分泌される女性ホルモンの量、ティースプーン一杯って本当?
A 目に見えるような量ではありません
「分泌される女性ホルモンの量は、ピコというごくごく少量の単位。“ちょっぴり”というイメージで“ティースプーン”のような表現が生まれたと思われますが、目に見えるような量ではありません」(松村先生)
Q 生理がきていれば、女性ホルモンは足りてる?
A おおむねOK
「エストロゲンが十分に分泌されて初めて生理がくるので、規則的に生理がきていればほぼ大丈夫。まれに無排卵月経もあるので、周期が一定でない場合は受診を」(高尾先生)
Q 女性ホルモンって自力で増やせますか?
A 基本は増やせません
「スイッチがあれば押したいですが、自力で増やすのは100%無理です」(高尾先生)「増やすことは難しいけれど、更年期のホルモン減少を多少コントロールすることは可能です」(森田さん)「増やせない一方で、ストレスや不規則な生活で減ることはあるので、減らさない努力が必要」(松村先生)
Q 女性ホルモンがたくさん分泌されるほど色っぽい?
A 直接的な関係はなし!
「その量が色気に結びつくものではないし、女性ホルモンの量が多いと医学的なリスクも高まります」(松村先生)「エストロゲンがしっかり分泌されているとお肌の調子はいいはず。バストの大きさはホルモン分泌量と関係ありません」(高尾先生)
Q 恋愛や推し活で女性ホルモンが増える?
A オキシトシンは出ます
「女性ホルモンは増えません。ただ、自律神経が整って元気になるのは確かなので推し活はおすすめ」(松村先生)「女性ホルモンは推し活で増えませんが、オキシトシンは増えるし、気持ちにハリが出て表情や姿勢が変わるので生き生きして見えるかも」(高尾先生)
Q 男性にも女性ホルモンがあるって本当?
A 本当です
「男性も、女性の約半分量の女性ホルモンを分泌しています。高齢男性が女性っぽい印象になるのは男性ホルモンが減るのに女性ホルモンはあるから」(松村先生)
Q 逆に女性にも男性ホルモンがあるって本当?
A 微量ですがあります
「男性の1/10程度と微量ですが、女性にも男性ホルモンがあり、元気や活力の源に。閉経後の女性は男性ホルモンのほうが優位になります」(松村先生)
Q 10代や20代でも女性ホルモンって気にしたほうがいい?
A もちろん!
「生理痛と思っていたら子宮内膜症が潜んでいたという10代の人は少なくありません。ホルモンをコントロールする選択肢は早くから知っておくべき」(松村先生)「今の若い人は情報にさらされて育っているストレス世代。その影響は早くから意識して」(森田さん)
Q ホルモンケアでPMSを軽くできる?
A メラトニン&セロトニンを大事にしてみて
「PMS(月経前症候群)でイライラする人は、睡眠を改善するとわりといい状態に。運動習慣がある方がPMSが軽いというデータがあるので、ストレッチやウォーキングなども◎。それでも辛い場合は漢方や低用量ピルを使いますが、生活改善も含め検討を」(高尾先生)
Q 子宮周りを温めるのって女性ホルモンにいいですか?
A 痛みのホルモンの排出が促されます
「経血を排出するために子宮を収縮させるプロスタグランジンというホルモンは、痛みの原因物質。温めることで体外へ排出されやすくなります」(松村先生)
ムレにくい薄手タイプ。アウターに響かないのでデイリーに大活躍。イウミー さらっとはらまきパンツ ¥6980/エベリス
Q ピルの服用は、ホルモンバランスにいい影響がある?
A メリット大!
「病気も防げるしホルモンの急変動がなくなるので心身が安定。飲み始めに吐き気や頭痛などを感じる方がいたり血栓症のリスクもわずかにありますが大きなメリットも。月経痛やPMSの改善にも効果的です」(松村先生)
Q ピルって副作用が怖そう
A QOL(クオリティ オブ ライフ)を上げる1つの手段
「残念ながら日本はピル後進国。欧米では普及率が約30%なのに日本では2.9%だそう。こんなにいい薬があるのに副作用にばかり注目されるのは残念」(松村先生)
Q 女性ホルモン分泌量のピークって?
A 20代後半(松村先生)
Q 大豆がホルモンにいいって本当?
A エストロゲンと構造が似ている“ホルモン様物質”が摂れます
「大豆に含まれるイソフラボンはおだやかに作用する物質。PMSを和らげる効果もあるので、女性ホルモンを軽く“トッピング”する感覚でアラフォーからサプリメントを摂るのもあり」(松村先生)
自宅で採尿して郵送すると、大豆からエクオールを作れているかがわかる簡単キット。ソイチェック ¥4785/カラダのものさし
Q 女性ホルモンがもたらすリスクってある?
A 婦人科系の病気
「子宮筋腫や乳がん、子宮内膜症などエストロゲン依存性の病気がいくつかあります。生理経験回数が多いほどリスクも上がる傾向があるのは事実」(高尾先生)
Q 睡眠不足は女性ホルモンに影響する?
A します!
「睡眠不足は視床下部にとって大きなストレス。昼夜逆転した生活も負の影響が」(高尾先生)「エストロゲンが減ると眠りの質が悪くなりやすく、生理不順や更年期症状にもつながります」(友野さん)
Q 女性ホルモンにとって、糖質制限ダイエットが良くないって本当?
A 代謝全般に悪影響が
「女性ホルモンだけでなく、代謝全般に影響します。エネルギー量が足りなくなると、体はいろいろな働きをセーブする方向に」(高尾先生)
MAQUIA 9月号
撮影/榊原裕一(モデル) ヘア&メイク/甲斐美穂〈ROI〉 スタイリスト/福永いずみ モデル/新田さちか イラスト/沼田光太郎 構成・文/高見沢里子 企画/吉田百合(MAQUIA)
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