みなさんはベースメイクをするとき、ファンデーションのあとにコンシーラーを使いますか? それとも前ですか? クリームチークはファンデの前に使う? それともあと? 毎日のベースメイクをもっとキレイに、もっと崩れにくくするために、今さら聞けない「ベースメイクの順番」をおさらい。自分の手順に自信がないという人も、崩れにくいメイクにしたいという人も必見。肌づくりのお作法を、現役美容部員に教えてもらいました。

ベースメイクの順番

教えてくれたのは……
HINAさん

資生堂 パーソナルビューティーパートナー

HINAさん

現役美容部員。資生堂のおすすめアイテムや使い方、メイクルックを紹介するSNSの投稿が大人気。かゆいところに手が届くメイクテクを中心に発信している。

ベースメイクの基本を美容部員が解説

ベースメイクの超ベーシックな順番は下地、ファンデーション、フェイスパウダーが一般的。ところがオプションアイテムを使うとなると、混乱しがち。“スティックタイプのコンシーラーってファンデーションの前?後?” “クリームチークはどの段階で仕込めばいい?”など、悩んでしまう人は多いはず。「大丈夫、迷うことはありません。ひとつのセオリーに沿って考えれば、使う順番は自ずと決まってくるんです」と心強いアドバイスをくれたのは、資生堂の現役美容部員として美容情報を発信するHINAさん。

ベースメイクの順番はズバリ“油分の多いものを先に使う”

「従うべきセオリーはズバリ“油分の多いものを先に使う”。剤型の硬さなどではなく、油分の多いもの=よりこってりした質感のアイテムを優先して、油分の少ないもの=よりサラサラした質感のアイテムをあとまわしにする、と考えましょう」。たとえばリキッドタイプのファンデとスティックタイプのコンシーラーを使うなら、よりクリーミィなリキッドファンデを先に使って、それよりサラリとしたスティックコンシーラーを重ねる。パウダリーファンデとクリームチークを使うなら、先にクリームチークをのせて、あとからライトなパウダリーファンデを重ねるといった具合。

粉っぽいものの上に油っぽいものを重ねると、うまく密着しないんです。だからキレイなベースメイクに仕上がらないし、崩れやすくなってしまいます。“こってりの上にサラサラ”を心がければ、迷うことなく崩れにくい肌作りができると思います」

迷った時は思い切って省いてシンプルに

どちらを先にすればよいか迷ったら、下地とファンデーションという必要最低限のアイテム以外なら省いてしまうのもひとつの手段。

「ベースメイクはアイテムを重ねれば重ねるほど不安定になるので、省けば崩れにくくなるというメリットも。コンシーラーの順番が分からない場合は、カバー力の高いファンデで乗り切ったり、日焼け止めからファンデまで1本でこなせるBBクリームもおすすめです」

最近は素肌っぽい仕上がりのベースメイクが主流だし、混乱しながら全部盛りする必要はなし。高機能に進化したアイテムの力を借りれば、楽しても十分キレイなベースメイクが叶うはず。

ベースメイクの基本の順番と目的

ベースメイクに使うアイテムの順序と役割をおさらい。あくまで基本となるステップをご紹介しますが、アイテムの質感によって前後するケースもあるので臨機応変にアレンジを。

ベースメイクの順番

1. 日焼け止め

紫外線から肌を守るために使うアイテム。スキンケアを終えたら、毎日必ず仕込みたい。光を反射する紫外線散乱剤や、吸収した光を熱エネルギーなどに変換して放出する紫外線吸収剤を活用している。最近はトーンアップできるもの、カラーコントロール機能のあるものなどベースメイク的役割を持ったアイテムも増えている。

2. 下地

肌とファンデーションの密着を助けるアイテム。紫外線防御効果や保湿効果を兼ね備えたものが多い。肌の色調を補正する効果に特化したカラーコントロール下地、毛穴など肌の凹凸を埋める効果に特化したスムーサー下地なども存在する。
カラーコントロールやスムーサーを使うときは、全顔に保湿タイプなどノーマルな下地を塗ってから、色ムラや凹凸が気になる部分に重ねるのがおすすめ。

3. ファンデーション

肌の色ムラや凹凸をカバーしながら美しい肌にカモフラージュして、メイクの土台=ファンデーションになるアイテム。

代表的な質感としては、粉体が多めで固形のパウダリー、粉体以外に水分と油分の多いリキッド、より油分の多いクリームが挙げられる。そのほか形状の違いとしてスポンジにリキッドファンデをしみこませたクッション、クリームを固形にしたエマルジョン、クリームをスティック状にしたスティックタイプなどもある。

4. コンシーラー

ファンデーションでは隠しきれない色ムラや凹凸をカバーするアイテム。固形のパレットタイプやスティックタイプ、リキッドをチップやブラシでつけるクリームタイプなどがある。

パレットタイプは異なる数色をセットしたものが多く、自分で色を調整したり、隠したい部位によって色を使い分けられる。スティックは、シミやニキビ跡などピンポイントのカバーにおすすめ。クリームタイプはのびがよく密着力が高いので、目のまわりやほうれい線など肌がよく動くパーツに重宝する。

リキッドやクリームのファンデとあわせるなら、ファンデーション→コンシーラー。パウダリーのファンデーションを使うのなら、コンシーラー→ファンデーションの順だと失敗が少ない。

5. チーク

頬に血色感や立体感を与えるために使うメイクアイテム。パウダリータイプ、あるいはクリームタイプが一般的。使い分けは、組み合わせるファンデーションにあわせて。パウダリーファンデならパウダータイプのチーク、リキッドやクリームのファンデならクリームタイプのチークと相性◎。ベースメイクにおいては、使うアイテムの質感をそろえることが、よりナチュラルに仕上げるポイント。

6. ハイライト

パールなどで光を多く反射する部分をつくり出し、目の錯覚で顔立ちを立体的に見せるアイテム。パウダータイプやクリームタイプがある。こちらもチークと同じく、組み合わせるファンデーションと質感をそろえるのがおすすめ。
使う順番は、チークの前でも後でもOK。チークのあとにハイライトを重ねる場合は、チークの発色の強さを和らげる効果が得られる。

7. フェイスパウダー

ベースメイクの仕上げに使うオプション的アイテム。それまで重ねたベースメイクアイテムが崩れるのを防いだり、皮脂によってテカるのを防ぐことができる。処方によっては肌にツヤ感をプラスしたり逆にマットに仕上げたり、透明感を高めたりすることも可能。
粉体を固めたプレストタイプとルースタイプがあり、プレストタイプはマットで肌にきちんと感が出るものが多い。化粧直しに便利。一方ルースタイプは、ふんわりした質感でナチュラルな肌に仕上がるものが多い。

イラスト/二階堂ちはる 構成・文/風間裕美子 企画/有住美慧(MAQUIA)
 

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