「MAQUIA」9月号では、実力もさることながら圧倒的な存在感を放つ女性たちにクローズアップ。変化を恐れない彼女たちの生き様を、齋藤 薫さんが分析します。今回は冨永 愛さんについて。

齋藤 薫さんが分析! スケールが半端ではない、冨永 愛さんの生き様を深掘り_1

齋藤薫が、しなやかに生きる4人の女性たちを紐解く
「変化を恐れない女(ひと)は、美しい。」という真実

変化が著しい芸能界を見渡すと、時流や環境の移り変わりに負けることなく、しなやかに生き抜く女性が活躍していた! そんな1本筋が通った女性たちの輝く強さと魅力を、美容ジャーナリスト齋藤薫さんが分析する。


日々、変化する時流を乗りこなせる理由は?
話題の美女たちを齋藤 薫が分析
実力もさることながら圧倒的な存在感を放つ3人の女性。それぞれがしなやかな強さをもちつつ、その表現方法は様々。そんな彼女たちなりの時流の捉え方、変化することを恐れない生き様を深掘りする。


トップモデルから女優業まで難なくこなす
冨永 愛
Ai Tominaga


自分の人生すら
俯瞰から見られるスケールが
軸をぶらさず変われる鍵
以前ある著名なカメラマンが、今まで撮影をした人の中で一番印象的だったのは、冨永 愛さんであると語ったことが忘れられない。ともかく強烈なオーラを発していたと。それはそうだろう。10代でNYコレクションのランウェイを歩いた人なのだ。モデルとして別格であるのは当然のこと。でもそれだけじゃないんだよ、と彼は言った。その意味が次第に解ってきた。人としてのスケールが、半端ではない人、なのである。179センチという長身、並外れたプロポーション、彫刻のような骨格を持つクールビューティ......世間はそれだけでひれ伏し、それ以上にこの人を知ろうとしなかった。しかし、ひとたび語り出せば、その説得力や言葉の強さに感服させられ、女優として演技をすれば、空気を一瞬で変えてしまう存在感と驚きの演技力で他を圧倒する。そうかと思えば、自らの生い立ちを書き下ろし、シリアスなドラマも顔負けの劇的な内容で、私たちを驚愕させた。人間離れした美貌で、リアルな生活感を1%も感じさせずにきた自分のイメージを自ら破壊してみせたのだ。17歳で単身NYに渡ってオーディションを受けたという肝の座り方が、改めて思い出された。この人の世界的な成功は、単に恵まれた外見だけで手にした薄っぺらいものでは無い。年齢では測れない経験と苦悩が、何事にもひるむことのない強靭な心を猛スピードで育てたことが、10代での巨大な成功につながった。冒頭のカメラマンはたくさんの美女たちを見てきた経験からも、その違いを見抜いたのだった。
途中、数年に亘って、仕事を完全休業したことも話題となったが、一般的には30代前半こそ女にとって働き盛りで、休むことが一番怖い年齢。がむしゃらになるはずなのになぜ? と不思議に思っていたが、何かそういう一般論を超えてしまうスケールをもった人だからこそ、それができたのだろう。しかも今年2月、この人は再びパリコレのランウェイを歩いている。おそらくは、人生を大きく俯瞰して見ることができるからこそ、休業もできるし、事もなげに復活もできる。そういうスケールこそが、どんな変化にもどんな逆境にも全く動じることなく、自分の歩幅で人生を歩いていける決め手となるのだろう。ここまで優れた肢体に、ここまでのスケールを与えるなんて、神様はやっぱり不公平だ。

齋藤 薫さんが分析! スケールが半端ではない、冨永 愛さんの生き様を深掘り_2

Profile
神奈川県出身。179cmという日本人離れした体型で、パリコレをはじめ一流メゾンのランウェイで活躍。現在は女優としての一面も開花させ、抜群の存在感を発揮している。今年3月、自身の美の秘訣をまとめたビューティブック『冨永 愛 美の法則』(ダイヤモンド社)が発売に。


MAQUIA 9月号
撮影/酒井貴生〈aosora〉 橋口恵佑(背景) 構成・文/若菜遊子(MAQUIA)

最終更新日:

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