情報化社会では事実を見極めるリテラシーが何より重要に。それは美容も同じ。巷に蔓延る「これってホント?」な噂を集め、信頼できるプロに総力取材。人気芸人のやす子さんのナビゲートで都市伝説の真相を探る旅へ!
その情報、正しい?
美容都市伝説
ウソ? ホント? 100
2019年にピン芸人としてデビュー。元自衛官という経歴を生かしたネタでお茶の間の人気者に。本企画では都市伝説に直撃するナビゲーターとして登場。
ダイエットの都市伝説
間違ったダイエットを続けても、思うような効果は得られないもの。体の仕組みをきちんと学ぶことが、健やかな美ボディへの近道に。
ダイエットのスペシャリスト
DSクリニック 新宿 院長
林 博之先生
医学的根拠に基づいた健康を損なわないダイエットを提唱。体質や生活習慣に合わせた指導でリバウンドしづらい体に導く。
ボディワーカー
森 拓郎さん
運動に限らず、様々な角度からボディメイクを提案。モデルからの信頼も厚く、オンラインレッスンは国内最大級の会員数。
食事の量を減らすと胃が小さくなる
× 「胃が慣れる」という表現が正解
「満腹を感じる食事量は、胃の大きさのおよそ6〜7割。食べる量を減らすことで胃自体が小さくなるのではなく、“これ以上食べなくても生命を保つことができる”という適正量に胃が慣れるのだと思います」(林先生)
睡眠不足の人は、太りやすく痩せにくい
○ ホルモンの乱れを招き、
食欲や血糖値のコントロールに影響が
「睡眠の量が6時間以下になると、満腹感を与えるホルモンが減少。逆に、食欲亢進ホルモンが分泌される傾向が。また、生活リズムの乱れで自律神経が狂うと血糖値が乱高下しやすくなるので、睡眠をとる時間帯も重要に」(森さん)
有酸素運動は20分以上行わないと効果がない
× 運動時間を小分けにした場合と効果はあまり変わらない
「たしかに脂肪が燃え始めるのは20分以降ですが、重要なのは一日の消費カロリー。30分連続でも15分×2回でも消費カロリーの合計はあまり変わらないので、時間を小分けにして運動するのも十分意味があります」(森さん)
16時間断食するオートファジーは
ダイエット効果が高い
△ 食事量が減って痩せるケースはあるが、
栄養不足に陥るリスクも
「オートファジーは16時間で最大化しますが、夕食から朝食は通常でも12時間程度は空くので、劇的な効果とはいえない気がします。食事可能な時間が短いため、食べる回数が減って痩せる場合もありますが、栄養不足や筋肉が減るなどのリスク面にも注意を」(森さん)
話題の梅流しで宿便がどっさり出る!
× 医学的な根拠はなし!
「“宿便”とは、腸管内に溜まり排出されなくなった便のこと。梅流しに医学的実績はありませんが、大根に含まれる食物繊維と梅干しのクエン酸、それに加えてお湯で内臓が温められることでデトックス効果が得られているのでは」(林先生)
汗はかけばかくだけ痩せる!
サウナはダイエットにもってこい
× 過度に汗をかく行為はストレスになり、
体にも負担が大きい!
「運動やサウナなど、大量に汗をかく行為は体にストレスがかかっている状態。その際に分泌されるストレスホルモンによって脂肪の分解が起こるのですが、ストレスが過多になると体にとってはダメージに。筋トレもやりすぎると筋肉が減る方向に向かうので、何事も適量を心がけましょう」(森さん)
水はたくさん飲むほど、体の巡りが良くなる
× 適量は人によって異なるため、飲みすぎは注意
「水の処理能力は人によって異なり、適量を超えると代謝不良を起こすケースも。一般的に体重×35〜40mlが必要な水分量とされていますが、その日の体調や運動量でも変動するので、飲みすぎには注意が必要」(森さん)
生野菜は体を冷やすため
ダイエットには不向きである
× それは東洋医学的な考え。代謝には影響しない
「生野菜に含まれるカリウムは利尿作用があり、排尿の際に体温が奪われて体が冷えるというのが東洋医学の考え方。とはいえ、代謝とは直接的な関係がなく、ダイエットに不向きとも向いているともいえません」(森さん)
脂肪細胞の数は生まれる前に決まっている
× 10代後半までは細胞分裂で増える
「脂肪細胞の数が決まるのは、思春期とされる10代後半。その後も過剰な肥満で脂肪細胞が分裂することや、痩せすぎて脂肪細胞が減るケースもありますが、極端な増減は起こりません」(森さん)
空腹時に筋トレや運動を行うと効果がアップする!
× むしろ筋肉が分解されてしまう!
「運動は体にストレスを与える行為。エネルギーが補給されていない状態で運動をすると、筋肉がどんどん分解されて体を壊すことも。かといって満腹も良くないので、果物ジュースやゼリーなど消化に良いものを食べてから行うのがベストです」(森さん)
肥満は遺伝する
○ 遺伝する確率は約3割!
「肥満要因で遺伝が占める割合は約3割。基礎代謝量や脂肪が蓄積しやすい場所が遺伝するとされています。DSクリニックでは脂肪の分解や燃焼能力が診断できる肥満遺伝子の検査を行っており、より効率的なダイエット方法を探したい時に有効です」(林先生)
DSクリニック 新宿
●東京都新宿区西新宿1-4-2 141ビルB1・B2
☎0120-019-001 【営】11:00〜20:00 不定休
遺伝子検査では、肥満やコレステロールなど16項目の遺伝的傾向が測定できる。
痩せ菌は存在する
× 痩せやすさは腸内細菌のバランスで決まる
「“痩せ菌”は単体ではなく、痩せやすい体質に導く腸内細菌のバランスのことを指します。善玉菌、悪玉菌、日和見菌の割合が、2:1:7になるのが理想で、水溶性食物繊維や発酵食品を摂ることがバランス改善の鍵に」(林先生)
白米を玄米に代えると、
日本人は痩せやすい
△ 玄米の方が食物繊維は多いが、カロリーはあまり変わらない
「白米に比べて食物繊維は多いけれど、カロリーはほぼ同じなので“玄米=痩せやすい”とはいえない気が。圧力釜などでモチモチにして食べることも多く、消化吸収や血糖値の上がり方も実際に測定すると大きな違いはないのでは」(森さん)
生理中はダイエットのご褒美期。
何を食べても太らない!
× ダイエットの効果が出やすい時期ではあるが、何を食べてもいいわけではない
「生理開始から約2週間は、ホルモンの影響を受けにくい時期。血糖値の乱高下も起こりづらく、ダイエットに適していますが、食べすぎればもちろん太ります。運動の効果が得やすい時期でもあるので、無理のない範囲で体を動かしてみるのも良いかも」(森さん)
MAQUIA 12月号
撮影/天日恵美子(やす子さん分) ヘア&メイク/神谷真帆 モデル/やす子 取材・文/高見沢さとこ 真島絵麻里 構成/火箱奈央(MAQUIA)