美肌の概念が変わりつつあり、今、過渡期に突入している「美白」という世界。2021年に加わった新たなトピックを、サイエンス目線で岡部美代治さんが解説!


岡部美代治さんが読み解く! 2021年最新美白キーワード_1

岡部美代治さん

ビューティサイエンティスト

岡部美代治さん

大手化粧品メーカー研究員を経て独立。美容を科学目線で読み解く美のプロ。

 キーワード1 
最新美白はエイジングケアと両輪
なりたい肌でコスメを選ぶ時代

美白に“面”のケアを求めるようになってきた昨今。マキア世代が目指す肌は透明感がキーワード。


「ユーザーが目標とするものが透明感とハリ感に変化してきた流れもあり、ここ数年の美白コスメは純度の高い美しさと、立体感のある肌を目指す傾向にあります。そんな肌トレンドや研究の進化もあり、美白とエイジングケアのW機能をうたうコスメが増えたのも、当然の流れだと感じています。


もちろん“点”のシミを徹底的にケアしたい人もいるし、全体のくすみを払いたい人もいる。最新のサイエンスが投入されそれぞれの願望を叶える美白コスメがそろっているのが2021年。ご自身の目指す肌に応じて美白アイテムを選べる時代になってきています」(岡部さん・以下同)

 キーワード2 
エイジングが気になる肌には
“彷徨いメラニン”が存在する!

岡部美代治さんが読み解く! 2021年最新美白キーワード_2

(左図:健康な肌)まっすぐ、垂直方向へ細胞分裂が進み、不要な メラニンは速やかに排出されていく。 
(右図:細胞分裂の方向が乱れた肌 )細胞分裂の方向が乱れ、メラニンを含む細胞 が肌の奥で溜まり、迷子になっている。

「健康な肌だと、細胞分裂がまっすぐ上に進むのでメラニンは垂直方向へ排出されていきます(左図)。ただエイジングが進行している肌だと、細胞分裂の方向が乱れ、その基底層には行き場を失ったメラニンが溜まって見えています(右図)。

最近研究が進み、これはシミやくすみの原因の一つだと言われるようになりました。この内部で停滞した“彷徨いメラニン”がある肌状態を調べてみると、柔軟性や弾力が低下し、シワができやすいということも。つまりシミのある部分はシワもできやすい。この“彷徨いメラニン”がある状態は30代以上の肌には、だれにでも起こり得ることです」

 キーワード3 
「細胞の分裂方向を知らせるタンパク」が
美白+エイジングケアのカギ

岡部美代治さんが読み解く! 2021年最新美白キーワード_3

「サイトカインという、細胞に指令を出すタンパク質があることはわかっていましたが、細胞分裂の方向性を知らせる複合体タンパクがあることが近年、発見されました。これが細胞分裂を上方向へと導くことで、“彷徨いメラニン”を抱えた細胞がまっすぐ排出されていくように。

つまり肌の奥で滞り、シミやシワの一因となっていた“彷徨いメラニン”がきちんとターンオーバーされやすくなるんです。美白のメカニズムで基底細胞の細胞分裂の方向、そしてその正しい方向をコントロールする存在に着目した点に、研究の新しさを感じています」

 キーワード4 
シミの元のターンオーバーに関わる
「推進性のカテキン」に注目

「細胞の分裂方向を知らせるタンパクの機能を高めるために開発された成分が“推進性のカテキン”です。この複合体タンパクを正しく垂直方向へ誘導するために何が正解なのか……。地道に150種の成分を研究&確認し、たどり着いた成分が緑茶だそう。発酵系のお茶ではないものにカテキンが多く含まれるという科学的事実に到達したという点を私は高く評価しています。

お茶の成分カテキンは抗酸化などの作用で知られていますが、今回の新発見ではケラチノサイトのナビゲーションタンパクを増加させたり、垂直方向への細胞分裂を推進することが発見されたのです」

 キーワード5 
シミにもシワにも両方アプローチする
「ナイアシンアミド」時代の到来

「ナイアシンアミドは古くから化粧品に使われてきた成分です。体を元気にする成分なので、化粧品だけでなく栄養ドリンクなどにも配合されています。メラニンの移動を制限する美白の有効成分としてだけでなく、他のコスメにも長年安定的に使われてきた経緯があるので、デリケートな肌にも使えるのがメリット。

そんな成分が、2年前にシワ改善の有効成分として認証を受けたのは大ニュースに。この歴史的な出来事があってから、ナイアシンアミドを配合したシミもシワも両方ケアできる医薬部外品コスメが多く誕生しています。どちらも同時にケアしたいというニーズが今後も増えていくと考えると、これからの美白はナイアシンアミドの時代になるかもしれません」


●お問い合わせ/
アテニア美容相談室 0120-165-333
平日・土 / 9時~21時 日・祝日 / 9時~17時 


撮影/新倉哲也〈SIGNO〉(背景) イラスト/きくちりえ〈Softdesign LLP〉 構成・文/松井美千代 企画/横山由佳(MAQUIA)
 

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