何となく前と肌が変わった、メイクのりが悪くなったなど、30歳前後に感じ始める肌の不調。その原因を解明し、新スキンケアブランドを誕生させたファンケルにお話を伺いました。
「30歳前後の肌に今起きていることに着目。
今も未来も上向くハリツヤ肌に」
ファンケル
マーケティング本部
化粧品事業部
小林慶美さん
30歳前後の女性のためのスキンケア「AND MIRAI(アンド ミライ)」のブランド立ち上げに携わり、開発までを担う。
マキア編集長
湯田桂子
2004年にマキアを立ち上げた創刊メンバーのひとり。マキアの合言葉は、“願望実現ビューティ”!
透明感溢れ、メイクのりの
よいハリツヤ肌へ
(右から)スピード浸透処方により肌の奥まで潤いと美容成分を効率的にチャージ。 AND MIRAI スキン アップローションⅠ 180ml ¥2300、ブルーライトによる肌ダメージをケアしながら美容成分を肌へ。パック効果も。同 スキン アップジェルクリーム 85g ¥2800、マッサージ効果と温感効果のある、泡立て不要のこんにゃくスクラブ入りジェル洗顔。同 スキン アップウォッシュ 120g ¥1200/ファンケル
肌が変わり始める
30歳前後のために誕生
湯田 この4月に30歳前後に向けた新ブランド「AND MIRAI」が誕生しましたね。これまでのファンケルにはない斬新なイメージです。
小林ちょうど私と同じ世代に向けたブランドということで、立ち上げから商品設計、開発に携わりましたが、サイズやデザインも含め、いろいろとチャレンジをしました。
湯田白羽の矢が立ったのですね! ブランドを立ち上げるきっかけは何だったのですか?
小林私もそうなのですが、30歳前後は徐々に肌の変化を感じる女性が増えてきます。調査をしたところ、そろそろ大人のケアをしないといけないと思いながらも、自分に合ったケアがわからない、と感じている女性が全体の約5割もいらっしゃいました。そこにアプローチするため、というのもありますが、実は当社の研究所から「現代と20年前の30歳前後の女性の肌弾力を比較したら、明らかに現代女性の肌弾力が下がっている。女性の肌は大丈夫ですか?」という報告を受けて……。
湯田えっ、どういうことですか?
小林30歳前後の肌表面に大きくたるみが現れているわけではないのですが、弾力を調べる機器で見ると30歳前後なのに60代並みの肌弾力しかない人がいる。この原因を調べたところ、現代人ならではの生活習慣、 行動パターンが肌力の低下を引き起こしていることがわかりました。
湯田具体的に教えてください。
小林1 日中使っているスマホによる「ブルーライト」の影響、マスクをする習慣、噛まない食事によって表情筋を動かさないことが大きく関わっていると考えました。
湯田でも、スマホによるブルーライトの影響は30歳前後に限ったことではないのでは?
小林もちろん全世代にいえることです。近年はブルーライトが肌に及ぼす影響が研究され、紫外線カット剤もブルーライトから肌をプロテクトする設計になっているものもあります。でも夜寝る前のすっぴん肌は、ブルーライトの影響を至近距離でダイレクトに受けてしまいます。寝る前に長時間スマホを見ている、30歳前後は、この影響を最も受けていると考えられます。ご存じの通り、ブルーライトは紫外線より波長が長いため、肌の奥まで届き、肌内に活性酸素を発生させます。これが肌の生まれ変わりを低下させ、ハリの低下やくすみを引き起こしてしまうのです。
湯田なるほど。ブルーライトカットはあっても、すっぴん肌のガードはこれまでありませんでしたね。そしてもう1つの原因は、表情筋を動かさないことですか?
小林肌は動くことにより、筋肉からキレイホルモンの一種である「マイオカイン」が分泌されます。しかし、マスクで表情を隠していたり、噛まない食事、さらにスマホによる下向きの姿勢を長時間続けることでこのキレイホルモンの分泌がされず、肌力が低下。まさに「スマホ下がり肌」といえます。
あれもこれも叶えるのが
「AND MIRAI」!
湯田無自覚のまま肌の中ではエイジングが進行しているんですね。
小林そこで、ブルーライトによる活性酸素を除去し、肌のターンオーバーを促進、即効エナジーチャージする「桜発酵チャージ成分」を開発し、全品共通機能として採用しました。また表情を動かさないことで眠った状態の肌は、刺激を与えることで「マイオカイン」が活性化されます。そこで温感効果、マッサージ効果、芳香成分の3つのアプローチの「目覚まし処方」で肌を根底から引き上げ、ハリを高めます。
湯田寝る前のブルーライトカットは必須ですね。それを美容液とパック効果のある「スキン アップジェルクリーム」に、温感&マッサージ効果を洗顔料の「スキン アップウォッシュ」に持たせているんですね。芳香成分は共通ですか?
小林はい。実はこの芳香成分、ローズマリーとカモミールと乳香樹の精油中心のブレンドで、リラックス効果だけでなく、「マイオカイン」 の分泌を促進することを新発見しました。これらを独自バランスで調香しているのですが、乳香樹が独特な香りのため本当に難しくて。試行錯誤の連続でした。
湯田これまでにない新鮮な香り! ケアはこの3品でOKなんですね。
小林洗顔、化粧水後は、1本で美容液、乳液、パック、化粧下地の4役を果たすジェルクリームだけ。ブランド名の 「AND MIRAI」 には、あれもこれも今ほしい効果をいろいろ叶えながら未来につなげる、 という思いを託しました。
湯田まさに今、そして未来に向けたブランドの誕生ですね。
習慣は変えられない、
だったら、ケアを変える
ファンケルの概念を覆す大容量ながら防腐剤(パラベン)や合成香料はもちろん無添加。安定性の追求からスキン アップジェルクリームの容器はこの形になったといいます。スマホ習慣や無表情、噛まない食生活の美容における害に気づきながらも習慣を変えるのは難しい。だったら原因を解明し、先回りケアで未来まで明るく、というポジティブな発想が何ともユニーク。等身大女性の視点が隅々に行き届き、マキア世代に必要な、頼もしい新ブランドの誕生です。
MAQUIA6月号
撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/湯田桂子(MAQUIA)