ビタミンCの可能性に着目し、クリニック級の肌実感をもたらすコスメを次々に開発しているドクターシーラボ。皮膚の専門家ならではの製品作りのお話を伺いました。
「ビタミンCこそ万能&最強なエイジングケア成分です」
シロノクリニック総院長・
ドクターシーラボ開発管掌役員兼CEO
城野親德先生
ブランドを代表する「オールインワンゲル」の生みの親。多くの肌トラブルに対応する中で、治療後も使えるスキンケアを目指し、1999年にドクターシーラボを設立。
マキア編集長
湯田桂子
2004年にマキアを立ち上げた創刊メンバーのひとり。マキアの合言葉は、“願望実現ビューティ”!
高吸収型ビタミンC
サプリがついに完成
「飲むビタミンC点滴」を目指し、体内への吸収に焦点を当てて開発されたビタミンCサプリ。フレッシュな柑橘風味のパウダータイプ。水に溶かして飲んで。メガリポVC100 30包 ¥7800/ドクターシーラボ
常に進化を続ける
ドクターシーラボコスメ
高浸透ビタミンC「APPS」を高濃度に配合した「VC100」シリーズ。2017年には、ゲルとセラムを追加しパワーアップ! (写真左から)VC100ホットピールクレンジングゲル 150g ¥2760、VC100エッセンスローション 150㎖ ¥4700、VC100エンリッチセラム 40g ¥6800、VC100ゲル 80g ¥4800/ドクターシーラボ
リフトアップ用ゲルも今や4代目。2018年2月にはさらに進化して登場予定。アクアコラーゲンゲル エンリッチリフトEX 120g ¥8300/ドクターシーラボ
1つの“ゲル”から
ドクターシーラボが誕生
湯田 今でこそ一般的になった美容医療ですが、城野先生が始められたころは、それこそ世の中にまったく認知されていませんでしたよね。
城野 シロノクリニックの開院は1995年なのですが、僕はそれ以前からレーザー治療に注目していたんです。そこでアメリカに赴き、研鑽を積み、周囲の反対を押し切ってレーザー治療専門クリニックとして開院しました。
湯田 なぜレーザー治療にご興味を持たれたのですか?
城野 皮膚科医として多くの患者さんの肌トラブルに対応していると、皮膚疾患だけでなく、シミやシワ、たるみなどに悩んでいる方がとても多くいらっしゃった。そこで、これらの肌悩みが解決できるレーザー治療を導入したのです。結果は想像以上の反響でした。当時はレーザー治療をしているところはあまりありませんでしたから、それこそ県外からも患者さんが来られるほどでした。
湯田 それだけ皆さん、待ち望んでいたものだったのですね。でもレーザーで肌悩みが解決できるのに、スキンケアの開発をされようと思ったのはなぜですか?
城野 レーザー治療後の肌はとてもデリケートな状態です。過剰な刺激や化粧品でさらに悪化してしまい、再来院される方が多くいらっしゃいました。そこで改めてスキンケアの大切さに気づいたのですが、これ、とおすすめできる化粧品がない。肌に負担をかける成分を配合せず、たっぷりの水分と共に、必要な成分を安心、安全、確実に肌に届けることができるものを、と試行錯誤の末たどり着いたのが“ゲル”でした。そうして完成したのが「アクアコラーゲンゲル」の前身となる「薬壺ゲル」です。これを院内処方したところ瞬く間に話題となり、一時は“幻のゲル”といわれたほどでした。
湯田 “ゲル”、さらに当時存在すらしなかった“オールインワン”という化粧品にした理由は?
城野 スキンケア習慣のない男性である僕は、そもそも化粧水、美容液、乳液……といくつものスキンケア製品を使うことに疑問がありました。皮膚科医としての見地から「肌トラブルのすべての原因は角質の水分不足である」という理論のもと、理想的な素材としてゲルに行き着きました。ゲルとは、植物や動物の体内にある天然のゼリー状の粘質のことなのですが、人間の細胞もゲルで覆われています。しかも、肌の細胞間脂質によく似た構造を持っているためとてもなじみがよく、保湿成分が肌の中までしっかり浸透し、外部の刺激から肌を守ってくれるのです。
湯田 そんなオールインワンコスメのパイオニアが、次に注目したのがビタミンC。美肌にとってビタミンCは必要不可欠な成分かと思いますが、ここまでビタミンCを追求し続けているのはすごいですね。
ビタミンCの内外ケアで
老けない肌作りを
城野 ビタミンCは、抗酸化作用が高く、体内の活性酸素を抑えて細胞の老化を防ぐのでエイジングケアに最適なんです。しかも、コラーゲンを合成してハリを保ったり、メラニンをブロックしてシミを防いだり、皮脂を抑制して毛穴もニキビもケアできます。ビタミンCは美容皮膚科医にとってパートナーともいえる万能成分。だから設立の当初より研究していました。
湯田 確か、ドクターシーラボの“シー”は、シロノ先生の「シ」と、海の“sea”、collagenの頭文字の“C”とビタミンCの“C”の意味を含んでいると聞きました。とはいえ、ビタミンCは不安定で製品化しにくいと聞いています。
城野 そうなんです。でも、近年は“即効性・浸透力・刺激の少なさ”をすべてクリアした最強のビタミンC「APPS(高浸透ビタミンC)」により、確実に効果を実感しながらケアできるような商品が開発できるようになりました。
湯田 11月に、ビタミンCの改良型サプリメントがついに発売しましたね。
城野 クリニックで行われているビタミンC点滴の効果を一般の方にお届けしたいという思いから、ビタミンCサプリの開発を手がけました。通常、ビタミンCを経口しても胃酸で分解されて、なかなか小腸に届かない。ここが大きな難関でしたが、リポ化することで体内に吸収するビタミンCサプリがようやく完成しました。
湯田 私も試したところ、すぐに顔色がぱあっと明るくなるのを実感できました。Cって即効性もすごいですね。今後もクリニック級の効果が期待できる製品を期待しています。
あきらめていた悩みに
すばり回答をくれる
お話を伺った印象は、ひとことで言って美容業界の「革命児」。当時まったく一般的ではなかった「メスを使わない美容医療」をいち早く手がけ、オールインワンという言葉のない時代に「万能ゲル」を開発し、今回は「ビタミンCの吸収ロス」に立ち向かう。常識的概念を覆す成功の裏に、先生の反骨精神と信念を感じます。悩める女性が求めているずばっとした回答、それこそがドクターシーラボの本質であることがよく理解できた取材でした。
MAQUIA2月号
撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/湯田桂子(MAQUIA)