ナチュラルにこだわりながらも、モード感もあり、かといって肩ひじを張った感じもない。何とも不思議な存在感を放つTHREEとは? 生みの親である石橋社長にお話を伺いました。「MAQUIA」4月号より、ご紹介します。
「世界でも圧倒的な存在感を放つ、
“Made in Japan”ブランドを」
(株)ACRO
代表取締役社長
石橋 寧さん
美容業界歴43年。大手国産化粧品メーカーを経て、アーティストブランドを立ち上げ、成功。その手腕を買われて、2007年にA C R O を設立し、THREEを発表する。
マキア編集長
湯田桂子
2004年にマキアを立ち上げた創刊メンバーのひとり。マキアの合言葉は、“願望実現ビューティ”!
日本生まれの素晴らしさ
を肌、そして心へ届けたい
湯田 誕生から今年で8年目、スキンケアも、メイクアップも、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのTHREEですが、コンセプトから製品アイディアまで石橋社長の想いが詰まっているとか。そもそもどういうきっかけでTHREEを立ち上げようと思われたのですか?
石橋 世界的に見て化粧品はヨーロッパブランドが主流です。日本製品は品質がよく、クオリティが高いのにそれが評価されていないのが実情。だからこそ、世界的に存在感を放つ日本発信のグローバルブランドを作りたかったんです。
湯田 それでTHREEは“日本”にクローズアップしているんですね。
石橋 日本って本当に素晴らしい国ですよね。四季があって、土地それぞれの文化がある。さらに、24時間営業のコンビニがあって、女性一人でも食事がとれる美味しいお店も充実している。こんな国、そうないですよ。
湯田 確かに。海外に行くと我慢が当たり前だけど、日本はすべてが揃っていますものね。
石橋 日本は台風など災害が多い。だからこそ、自然と向き合いながらいい作物を育てている。
湯田 そこに着目され、国産原料を積極的に使っているんですね。
石橋 人の命と健康はその土と共にあるという考えの“身土不二”。生産者の顔が見える“安心感”。地域の伝統文化の維持と継承ができる、“地域経済の活性化”など、人にも環境にも優しい“地産地消”の考え方で、日本の優れた原料を取り入れています。たとえば、THREEを代表する美容成分の「ティーシードオイル」は、静岡県の牧之原の茶葉の種子が原料です。これまで使われていなかった茶の種子ですが、サラリとしながらも人の皮脂にとても近い。THREEではスキンケアにもメイクアップ製品にも採用しています。それこそ北は北海道から南は与那国島まで、日本全国にある優れた原料に注目し、産地を厳選して採用しているんです。実はここにTHREEの語源があるんですよ。
湯田 というのは?
石橋 THREE、つまり3は安定を意味する数字。世界中の信号は3色が多いし、ピラミッドも富士山も三角形でとても美しい。THREEに込めた思いは、相反する「2つの価値」を交差させ、生まれる新たな「第3の価値」を発信すること。北は陰、南を陽とすれば、世の中の両極からいいところを取って、新しい概念を創造しているのです。
他と一線を画す製品こそ
THREEの神髄
湯田 確かにTHREEには両極なものがたくさん! 精油をはじめとした植物の力と、先進サイエンスによる多機能的なアプローチ。ナチュラルでリラックス感満載のスキンケアとモードなメイク。“落とす”と“潤す”が同時にできる人気の「バランシング クレンジング オイル」はその最たるものですね。
石橋 バランシングラインは、美しい肌に欠かせない水分と皮脂のバランスを整えることを目指したラインです。どのアイテムも90%近い天然由来成分で開発しています。
湯田 さらにTHREEには、ヘアケアもサプリメントもあるうえ、2013年には、ショップとスパとダイニングを1つにまとめた、ここ「THREE AOYAMA」もオープンしましたね。
石橋 ヘアケアの要望は元々多かったのですが、いい配合成分との出合いがあったことが大きいですね。ヘアケアの試作品を実際に試していたら、目に見えてそのよさがわかって。事情を知らない社員に驚かれたほどです(笑)。サプリは、2年前に百貨店からのオファーで開発をスタートしました。ただ、新しい“コスメライフスタイル”を提案していくTHREEとしては、10年間の間にこれらを手掛けていく計画は元々あったんです。最終的に、家に行ったらTHREEばっかり、というのが理想です(笑)。
湯田 THREE漬けの24時間!
石橋 THREEの日である3月3日は、限定アイテムも発売します。
湯田「ウイスパーグロスフォー アイ」と「シマリング リップジャム」、「エピック ミニ ダッシュ」の人気の3アイテムがセットになったメイクキットですよね。すでに編集部でも話題になっています。
石橋 3種類発売しますが、人気色に加え、1アイテムだけこのキットでしか手に入らない限定色が入っているんです。また同じく限定の「アロマハンドクリーム」はベタつかない桜色のやわらかなクリームと桜を想わせる香りで、春を感じられる製品です。
湯田 日本のわび・さびを感じさせる製品ですね。いよいよ本格的に海外へ展開されるのですか?
石橋 3年ほど前からタイ、台湾、インドネシア、マレーシア、香港に進出。今後も積極的に海外に進出する予定です。
湯田 THREEはいよいよ第2ステージに突入。今後ますます目が離せなくなりそうです。
THREEのアイテムは出すもの皆ヒット!
(写真上)1 12月に登場した「ゆず」に続き、日本独自の四季のおもてなしをヒントに誕生、「桜」のハンドクリーム。アロマハンドクリーム 50g ¥3300(3/ 3限定発売) 2 目元、口元、頬、3つのスターアイテムのセットを桃の節句、THREEの日に。3.3. THREE ピーチセレブレーション 全3種 各¥6800(3/ 3限定発売) 3 不動の人気を誇るクレンジングオイルは香りも大人気。バランシング クレンジング オイル 200㎖ ¥4000/THREE
お洒落なブランドの
根底にある高い志
ナチュラルなスキンケアからインナーケアまで揃うホリスティックケア、モードなメイク。時代の気分を的確に捉え、センスがよくて使いやすくて……。そんなブランドの根底にあるのは「日本発」の心意気。至れり尽くせりのおもてなし、四季のある国ならではの自然への畏敬や慈しみ、安全性。石橋社長から語られる日本は、とにかく魅力的で、日本人であることを誇りに思えるほど。そんな想いの詰まった製品だから、THREEを使う自分を誇りに思うのは当然。人気沸騰の秘密がよくわかりました。
MAQUIA 4月号
撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/湯田桂子(MAQUIA)