南仏生まれのアーティストが22年前に手掛けたNY発のブランド、「ローラ メルシエ」。日本でも熱狂的なファンを持つ「ローラ メルシエ」ならではのナチュラル美肌の秘密を伺いました。
「悩みを隠すのではなく美しさを引き出すアイテムで
自分にとっての完璧な肌を」
ローラ メルシエ
マーケティングディレクター
大沢一友さん
2002年資生堂入社。百貨店営業、クレ・ド・ポー ボーテマーケティングを担当後、バーバリー ビューティの日本導入プロジェクトに携わる。2018年1月より現職に。
マキア編集長
湯田桂子
2004年にマキアを立ち上げた創刊メンバーのひとり。マキアの合言葉は、“願望実現ビューティ”!
肌にぴったりの色が必ず見つかる色数の多さ
ナチュラルに見せるために肌と一体化するよう多くの色数を揃えているのがローラ メルシエの大きな特徴。よりナチュラルで美しい仕上がりを叶えるポイントは、顔の中心にファンデーションをつけすぎないこと。フローレス フュージョン ウルトラ ロングウェア ファンデーション 30㎖ 全11色 各¥6000/ローラ メルシエ ジャパン
フローレス フェイスに欠かせない4ステップ
(右から)肌表面をなめらかに整える化粧下地。ファンデーションプライマー 50㎖ ¥4000、フローレスなカバレッジと15時間の持続力を叶える。フローレス フュージョン ウルトラ ロングウェア ファンデーション 30㎖ 全11色 各¥6000、優れたカモフラージュ効果ながら自然で崩れにくい。シークレットカモフラージュ全4種 各¥3800、上質な素肌感をキープ。ルースセッティングパウダー トランスルーセント 29g ¥4400/ローラ メルシエ ジャパン
22年間愛され続ける
“フローレス フェイス”
湯田 ローラメルシエといえば、“ベースメイク”のイメージが強いのですが、実はメイクアイテムにスキンケア、人気のボディケアまで幅広く取り揃えられていますよね。
大沢 はい。でも特に肌づくりにはこだわりがあり、仕上げの「ルースセッティングパウダー」は、売り上げ全体の15%を占めているんですよ。
湯田 やっぱり人気なんですね! 美容好きの方はお粉好きが多く、「ルースセッティングパウダー」を化粧直し用として携帯しているのを目撃したことがあるくらい。確かに透明で色がつかず、どんなファンデーションにも合うから使いやすいですね。しかもすべすべ気持ちがいいから、携帯したい気持ちわかります(笑)。
大沢 このフェイスパウダーと、化粧下地の「ファンデーションプライマー」で、ローラ メルシエブランドを知ってくださる方がとても多いんです。そもそもローラ メルシエは、フランスのプロヴァンス生まれのメイクアップアーティストで、彼女はフランスでキャリアをスタートさせました。1985年にUS ELLEの立ち上げのためNYに渡米し、その後、本来の美しさを引き出すメイクテクニックと、圧倒的なベースメイクの上手さが話題となり、トップクリエイターをはじめ、マドンナやサラ・ジェシカ・パーカーなどのセレブリティから信頼を集めました。特にマドンナとの関係は深く、8年もの間マドンナの専属メイクアップアーティストとして活躍していたんですよ。そして、自身のメソッドでより多くの人の魅力を引き出したいと、コスメティックブランド「ローラ メルシエ」をNYで立ち上げたのが、1996年、今から22年ほど前です。
湯田 ベースメイクは、化粧下地、ファンデーション、コンシーラー、パウダーの4ステップと本格的ですね。
大沢 その人が持つ美しさと自信を引き出すには肌を自分にとって理想的に、つまりフローレスに導く、というのがブランドポリシーです。そのためファンデーションを塗る前に「ファンデーションプライマー」で整えます。続くファンデーションは、首やデコルテに合った色を、というのが独自のこだわりで、外から内側に重ねていきます。
湯田 えっ、日本では顔の内から外、が鉄則なのに?
大沢 顔だけが浮くことがないよう首やデコルテに合わせてセレクトし、必要最小限の量で肌のトーンを整えます。そして視線を集める顔の中央は、その人本来の美しさを引き立てるため最小限に、ただし、目立つ部分なので気になる箇所だけ「シークレットカモフラージュ」などのコンシーラーでカバーし、最後にパウダーで仕上げます。
湯田 透けて見えるのがその人らしさなのですね。今ってインスタ映えの盛りが当たり前となっている一方で、リアルな美しさを求める人も増えていますよね。
リアルな美しさの追求が
ローラ メルシエの醍醐味
大沢 ベースメイクで4ステップというと手がかかるイメージですが、でき上がる肌は、素肌がキレイになったという印象。薄い層を重ねることで化粧持ちがよくなるので、化粧直しの手間も省けます。この4ステップさえきちんと行っていれば、美しさをキープすることができるんです。シンプルイズベストがブランドの基本スタンスです。
湯田 なるほど。薄い層を重ねるのが理想的な美しい肌への近道ということですね。そしてメイクアイテムもコンスタントに新製品を出されてますよね?
大沢 はい。ローラ自身のフィロソフィーにはブレがありませんし、本人が開発にも積極的に携わり、トレンドに左右されず、一人一人の美しさを最大限に引き出せるようなアイテムを発信し続けています。彼女自身、自らの顔立ちを受け入れ、自分の持つ美しさに気がつくまで15年かかったという経験があるため、アーティストというより一人の女性としてのリアリティを常に追求しています。
湯田 だからベーシックなカラーが充実しているんですね。“自分に似合う”が1つのトレンドとなっている今、女性たちはそれを見つけるための手間を惜しみません。そういう意味でもローラ メルシエの4ステップは、自分にとっての理想的な肌に出合う、今の時代に合ったメソッドと言えそうですね。
大沢 一時もてはやされた“時短”ですが、今は揺り戻しが来ているように思います。ローラ メルシエの肌作りのメソッドのよさをぜひ知ってもらいたいですね。
洋服であれば白シャツ。
自分の美しさの土台を
2018年の美容キーワードは間違いなく「パーソナル」。皆と一緒の美しさではなく、自分に似合い、自分を輝かせる方法を知るために、手間も投資も惜しまない本気の美容好きが増えています。ローラ メルシエはそんな今の時代にぴったりなブランドです。自分だけの美しさを手に入れるには、隠しすぎず手を抜かず、自分にとっての完璧な肌を追求すること。美容通を夢中にさせるローラ メルシエ流の美肌づくり、さらに注目を集めそうです。
MAQUIA3月号
撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/湯田桂子(MAQUIA)