時代の荒波を美容軸で乗り切る！ BIG BOSSこと新庄剛志さんの規格外「美容論」

14年のブランクを経て2020年トライアウトに挑戦。選手としての復帰は叶わぬも、今シーズンからは北海道日本ハムファイターズの監督としてユニフォームを着、球史に新たな１ページを刻む新庄剛志さん。ジェネレーションやジェンダーを超えて注がれるこの人への視線は、野球に留まらず、その美意識の高さやスーパーポジティブな思考にあった！

テレビ出演や取材のオファーが絶えない、まさに時の人！ 北海道日本ハムファイターズ 新監督・新庄剛志さん。彼への取材が叶ったのは昨年末のこと。都内某所のスタジオに現れたBIG BOSSは、高身長と広い肩幅、そして年齢を感じさせない、ハリに満ちた美しい肌が印象的！
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「女性美容誌ですよね？ 僕がいろいろ顔をいじっているから話を聞きにきたの？（笑）。でもね、実は今まで美容にはそんなに興味がなかったんだよね。手に塗ったハンドクリームを顔につけるような男だった。でも、トライアウトを目指すと決め、受かった時に、新庄カッコイイ！ 肌がキレイ！ そんな完璧な状態だったらいいなって思って美容整形とスキンケアを始めた。だけど、ダウンタイムとか何も計算できていなかったから、トライアウト当日は顔がパンパンだったし、オファーはなかったし、最悪やー！ っていうのが現状。まぁ一瞬落ち込んだけど、引きずってもいいことは何もないから、切り替えも早かったよ。次は……監督？ 監督になる？ っていう目標が見えて、そこから毛穴ケアやダーマペンの施術を受けに、週に１〜２回のペースでクリニックに通ったんだよね。その甲斐あったね、現実に監督のオファーが来たし」

――― では本格的に美容を始められたのは帰国されてからなんですね。
「そう、現役引退後は暫くバリ島に住んでいたから、スキンケア化粧品なんかもいいものが直ぐに手に入る環境じゃなかったし……。あ、でも、選手時代、23歳の時に初めてボトックスとヒアルロン酸を注入した経験はあった。僕、鼻が低いのがコンプレックスで。本当に鼻根がペチャンコだったので、鼻を高くしたい！ って言っていたら、元嫁がヒアルロン酸注射っていうのがあるよって教えてくれて。それで、みんなにバレないように徐々に徐々に入れてたんだよね（笑）。週刊誌なんかでメチャクチャ顔をいじっているって言われていますけど、エラも削っていないし、鼻にプロテーゼも入れてないし、二重にもしていない。注射系くらいなんですよ、僕の整形は。これ本当！」

――― 最近、お肌のケアのルーティンに取り入れていることは？
「朝のスキンケアのあとは、直ぐに日焼け止めを塗ること。日焼け止めは選手時代も、バリ島生活でも塗ったことがなかった。何なら逆に黒くしたかったくらい。だって、そのほうが歯が白く見えるしね。でも帰国して、紫外線が肌に一番悪いと知ってからは、クリニックでケアした肌を日焼け止めでガードするようになった。その効果には思わず声を出してスゲエ！ と驚いたほど。２ヶ月くらいで肌が変わってきた。守りのケアも本当に大事なんだね。あとはほぼ毎日、30〜40分の半身浴をやっています。もちろん、入浴後は５分以内（毛穴が閉まる前）のスキンケアを徹底。それでも、もう50歳だからね、やってもやっても肌はたるんでくる。だから、YouTubeなんかで動画を探して表情筋のトレーニングも取り入れてるよ」

――― 球界一ユニフォームの着こなしがカッコイイと言われた新庄さん。ボディにはどんなこだわりがありますか？
「プロ野球選手は、人気があって、レギュラーで、目立たないと。グラウンドに出た瞬間に、直ぐに新庄だ！ って分かるようにしなくちゃいけないというのが僕にはあった。そのためには、ユニフォームが似合う“体のライン”が大事なんだよね。それが僕にとってのファッション（笑）。だから、肩と胸と腹筋をトレーニング。そう、脚はなるべく太くならないように……」

――― 目指すは、男子トイレのマークみたいな体だとか？
「それそれ。そうやって鍛えたボディラインがあれば、Tシャツにデニム、サングラスをちょっとしただけでオーラって出るから。だから、この間も選手たちにちょっと痩せようって言ったんだよね（笑）。体のラインが良くなったら、服装はもちろん、歯のホワイトニングや肌にも興味が出るでしょ？　カッコ良くなったらファンも増えるし、CMとかのオファーだって来るよね」

――― 野球をやりながら歯やお肌のケアまで！　選手時代はお忙しいシーズン中もされていたんですか？
「だって、野球の練習や試合をするのはたった数時間。その他は自由時間だからね。僕がよく言うのは、８時間寝て８時間仕事、残りの８時間のうちの１時間を肌のケアやメンテナンス、トレーニングに充てる！ ってこと。ボーッと過ごすくらいなら、自分が変わる何かをするほうが断然いい。わずか１時間の積み重ねが、気付けば大きな変化をもたらすことに。『痩せた？ 顔、めっちゃ締まってる！』って言われると嬉しいし。もっと続ければさらに締まるのかな？ とか思うのが好きなんだよね。美容は監督になっても続けるよ。何なら、成績が上がってきたスター候補の選手に、ちょっと目をいじった方がいいかな？ とか、鼻のラインをヒアルロン酸で！ とかアドバイスもするかもしれない（笑）」

――― 最近、さらにお肌も体も引き締まっているようにお見受けします。
「今ね、テレビ出演などでめちゃくちゃ忙しい。脳も使ってるし。知ってます？ 頭を使うと痩せるらしいんですよ。だから、たぶん締まっているのかも（笑）」

――― 体型維持やお肌のために、食事面では何か努力されていますか？
「何でも食べます、でも少食かな。朝は毎日、トーストにバターと練乳をつけて食べています。結構甘党なんです、僕。でも、その後は夜まで食べないことが多いかな。選手時代は夜に肉を食べることが多かったし、コンビニの中華そばみたいなのも好きだった。でも流石に怪我をした時は食事も徹底しましたよ。それでも現役最後の年には、好きなものを食べてストレスを溜めないような生き方にシフトしました。今もそれを続けています。やっぱり、自分の体が欲しがるものを食べるのがいいの。例えば、立ちくらみがするときなんかは、自ずとレバーやほうれん草が食べたくなるんですよ、僕の場合。体が求めるものを素直に聞いて食べる！ それだけ。そう、体としっかり対話してね」

――― 今後、新庄さんが目指す美しさとは？
「歳を重ねるごとに、見た目年齢を下げて行きたい。50歳になったら40歳に、60歳になったら30歳にって感じに。80歳になったら10歳……そう、小学生くらいに見えるような気持ちで。それくらい面白いヤツがいてもいいでしょ？（笑）」

――― となると、より美にはストイックになりますか？
「美は自分を鍛えることだと思うんだよね。見た目は後から付いてくる。現役選手のウエイトトレーニングのやり方は人によって違うんですけど、僕は体をカッコよくしたくてやっていたって言うのが正直なところ。でも、気づいたらそれが野球にプラスになっていた。普通、みんなは逆ですよね（笑）。でも、どんな考え方でもいいんです！　鍛え方も考え方も自由でいい。要は発想の転換。例えば、100回を目指して腕立て伏せをするとしますよね。97、98、99……もうこれ以上は上がらない！ ってなってきたら、「僕は、地球を持ち上げる!!!」ってイメージするんです（アラレちゃんみたいに）。そうすると上がるんですよ（笑）。本当に考え方ひとつで体も肌も心も変えられる。だから、外出前にサンダルの鼻緒がバチッって切れたら、不吉って思う人がほとんどだと思うんですけど、僕は違う。ありがとう！ とか、良かったぁ〜！ って思っちゃう。だって出先で切れたら、靴を探さなあかんやんってなりません？ だから家を出る前で良かったって思うんですよね。美容もそんな感じで続けたいね」

――― そんなポジティブな新庄さんのようにみんななりたいと思うのですが……。
「なれるなれる！ あぁ、でもなぁ〜。いろんな苦労を成し遂げて、目標や自分に勝ってたどり着いた時に、ネガティブさってなくなってくるんだよね。いろんな意味で、俺、できるやん！ って自信が付いてくるんですよ。ポジティブになるには自分に勝つこと。でも、努力を努力と思わない努力をしなければいけないのよ。それが大事」

――― 今日は貴重なお話を有難うございました。チームのため、プロ野球界のために頑張ってください。ご活躍を楽しみにしています。
「いやいや、頑張っちゃダメだよ！ 楽しむよ！」

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カメラマン／飯岡拓也　スタイリスト／中川原寛（CaNN）　ヘアメイク／馬渡さやか（BLANCO）　取材・文／靍田由香　構成／佐藤 陽（MAQUIA ONLINE）