「MAQUIA」3月号の特集『繊細な私がHappyになるための100問100答』から、心の問題を抱える「繊細さん」の対策法をご紹介します。
肌も体も心も、揺らいでしまうから。
繊細な私がHappyになるための100問100答
精神科医
長沼睦雄先生
十勝むつみのクリニック院長。日本では数少ないHSPの臨床医。
公認心理師
山名裕子さん
「やまな mental care office」代表。心の専門家として活躍。
晴れないモヤモヤ……繊細な心
思ったことを言えず人に合わせてしまったり、クヨクヨ思い悩んだりといった心の問題を抱える「繊細さん」も少なくない。対策を知っておいて、少しでも心を楽に!
職場のモヤモヤ
Q 職場に怒っている人がいると自分もおびえてしまいます
A 他人との境界線をイメージし、「人は人」と言い聞かせて
「繊細な人は同調性が高く、他人の感情が自分に伝わってしまいます。相手に意識を向けるのをやめ、他人との境界線をイメージし、“人は人、自分は自分”と言い聞かせて、人と自分の問題をきっちり分けましょう」(長沼先生)
Q 後輩にどんなふうに注意したらいいのかわからない
A “You メッセージ”でなく、“I メッセージ”で伝える
「“あなたってこうね”と相手を主語にした“You メッセージ”でなく、主語を自分にして“私はこう思う”と“I メッセージ”で伝えると、相手が自分を批判された気持ちにならないため意見を聞いてもらいやすいです」(長沼先生)
You メッセージ
“あなた”を主語にすると、相手は自分の言動を責められた気持ちになるので伝えたいことを拒絶されやすい。
I メッセージ
“私”を主語にして考えを伝えると相手は自分を批判された気持ちにならず、意見を受け止めてもらいやすい。
Q 職場で雑談をするのが苦手です
A 自分を責めず、聞き役に回ったり、短時間で席を外して
「日常的な会話が苦手な人は、物事を考えるときに空想してしまったり、物事の本質を考えてしまう人。でもそんな自分を責める必要はありません。長い時間話すと疲れるので聞き役に回ったり、短時間で席を外して」(長沼先生)
Q 仕事を頼まれると断れず、私だけ仕事が山積みに……
A 頼まれたらすぐに受けず、一度落ち着いて考える
「繊細さんは相手も自分も傷つけたくないため断るのが苦手で、仕事を頼まれやすい傾向が。頼まれたらすぐ受けず“いったん考えさせてください”と伝えて間を取り、相手に自分の仕事の状況をメールなどで説明を」(長沼先生)
友達のモヤモヤ
Q 友達に意見を合わせてしまい、自分の本音が出せない
A 違う意見を言う=嫌われる、と思い込んでいませんか
「人と違う意見を言う=嫌われる、と思い込んでいるのかも。まずはこの思い込みに気づきましょう。どう思うかは相手次第。まずは自分を優先というくらいに思っているほうが自分を出せるようになりますよ」(長沼先生)
Q 本当は合わない友達と、なぜか仲良くしてしまいます
A 離れるほうが、本当に仲良くなれる人が見つかります
「繊細さんは人を嫌っちゃいけないという思いが強く、合わない人ともつい仲良くするため疲れてしまいます。合わない人と離れるほうが自分が解放されて自立でき、本当に仲良くなれる人に目が向きます」(長沼先生)
Q SNSで友達の幸せそうな姿を見るとモヤモヤする自分が嫌
A 自分の幸せを振り返ってみましょう
「自分の心が満たされていないと、人の幸せに嫉妬し、モヤモヤした気持ちに。自分の幸せをこまめに振り返るクセをつけて心を満たせば、人の幸せも喜べるようになります。SNSを見る時間を減らすことも大切」(山名さん)
Q 冗談が受け流せず、グサッとくることが多い
A “クッション言葉”でいったん気持ちを落ち着かせて
「繊細さんは冗談にも傷つきがち。でも言い返すとトラブルを招くので、まず“あなたはそう思うんだね”などとクッションになる言葉をおき相手の攻撃心と自分の反発心を抑えて。そのうえで理由を聞いてみて」(山名さん)
NG
生真面目な繊細さんは冗談も受け流せないけれど、“なんてこというの!”と言い返すと相手の攻撃心を高めるだけ。
OK
クッション言葉をはさむと相手の攻撃心が抑えられ、そのうえで“なぜそう思ったの?”と素直に聞けば自分の直すべき点に気付ける場合も。
Q 子育て中の友達と、独身の私。話が噛み合わず、疎遠になりそう
A 今はしばらく距離をおいても、きっとまた話が合うときがきます
「知らないことを知ることは自分の成長につながるので、子育ての話もいつか自分に役立つかもと思って聞くといいと思います。でも楽しくないと感じるなら、無理せずしばらく距離をおきましょう。友達の子育てが落ち着いたときなど、また話が合うときがくるはず」(山名さん)
家族のモヤモヤ
Q 親の理想に合わせて“いい子”を演じ、疲れてしまいます
A わかってくれる人を相手に“いい子にならない練習”を
「“いい子”を演じ続けると本当の自分との解離を起こし、生きづらくなります。まずはわかってくれる人を相手に“本心や本音を隠したいい子”にならない練習を。まずはしてほしいことを素直に伝えるだけでもOK。慣れたら親にもそうして、“いい子”から卒業を」(長沼先生)
Q 親と一緒にいると気疲れします
A 親だからこそちょっとした違いが不満に。適度な距離感を
「親は身近であるがゆえに少しの意見の違いにも不満を感じ、気疲れする人も多いと思います。ひとり暮らしをするなど適度な距離感を保ちましょう。親の大切さを再認識でき、よい関係を築きやすくなります」(山名さん)
MAQUIA 3月号
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/榛沢麻衣 スタイリスト/松尾正美 モデル/佐藤さき(マキアビューティズ) 取材・文/和田美穂 轟木あずさ 構成/村岡真知子(MAQUIA)
最終更新日: