真剣な表情にはらはらさせられ、弾ける笑顔に幸せを感じる。いつの間にか「国民の『親戚』」になっていた人、イモトアヤコさん。「MAQUIA」5月号ではそんな彼女に、同郷の美容エディター 松本千登世がインタビュー。気になって仕方がない! 存在から放たれる美しさの秘密とは?

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タレント・女優 イモトアヤコ
『世界の果てまでイッテQ!』への出演で一躍人気者に。女優としてドラマに出演するほかCM出演や雑誌連載、自身のラジオ番組『イモトアヤコのすっぴんしゃん』を持つなど活躍の場は幅広い。

美容エディター 松本千登世
近著『「ファンデーション」より「口紅」を先に塗ると誰でも美人になれる 「いい加減」美容のすすめ』(講談社刊)ほか著書多数。


イモトアヤコさんのひたむきな美しさに
私たちが惹かれる理由

「一生懸命が面白い」という、最高の個性!

松本千登世(以下松本) 初めてお目にかかったとき、少々暗めのお店の照明の中、瞳と肌が眩いほどに輝いていて「我らが故郷、鳥取が生んだ宝」と確信しました(笑)。

イモトアヤコさん(以下イモト) 共通の友人が引き合わせてくれたんですよね。いえいえ、でもそんなふうに言ってもらえて、嬉しい。いつもロケでぼろぼろなんですけど。

松本 時代が移り、今、「ありのままが美しい」というムードが広がっています。でも、私もそうなんですが、どこか人と比べて羨んだり落ち込んだりするのも正直なところ……。唯一無二の自分を輝かせているイモトちゃんは、人と比べることってある?

イモト 私はラッキーなことに美しさを売りにする職業じゃないので「綺麗でいなくちゃ」みたいなプレッシャーがそもそもなくて、楽といえば楽なんです。普通ならコンプレックスだと思うことも、笑いに変えるというベースがある。自分でいうのもなんですが、筋肉質なカラダが自慢だったりもするので、隠すよりはむしろ、「いいところを見せまくる」みたいなアプローチにしています。

松本 それは、幼いころから?

イモト 私と正反対の、ひとつ下の妹と張り合ったことは多少あったけれど……。でも、公務員の真面目な父、保育士の明るい母ともに、幼いころから自分がしたいようにさせてくれたので、あまり人と比べることなく「ありのままでいいんだ」という意識で生きてこられたのかもしれませんね。私たちが中学、高校時代、派手な子は「メジャー」、地味な子は「マイナー」という言い方をしていたんですが、私は、そのどちらでもなかった。クラスの中でポジションを獲得するにはどうしたらいい? と思ったとき、そうだ、持って生まれたひょうきんなキャラクターでいけばいいんだ、って。するとメジャーグループともマイナーグループとも分け隔てなくつき合える。そこで社会というものを学び、今につながる「自分らしく生きる方法」を得たのかもしれません。


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学生時代からひょうきんな
キャラクターでした

「陸上部だったので脚が太くてデニムが入らなかった! でも当時から嫌いな部分を隠すより、好きな部分を見せるタイプ。クラスでは『ひょうきん者』でした」


松本 想像するに、「芸能界」は競争の激しい世界ですよね。否が応でも比べてしまうことがあるのでは?

イモト そうなんです。思えば芸人って、ひょうきんな人の集まり。その中で、自分のポジションを見つけるのが大変で……。私の場合、運よく「珍獣ハンター」というチャンスを得て、ひとりでやってきた分、女芸人でありながら、そのくくりからは距離も感じていて。なぜ、ここに入れないんだろう? 芸人として認められていないのかな? というコンプレックスも、正直ありました。大喜利も上手くないし、ものまねもできない、これといったネタもない、「芸人」と言うことが申し訳ない、みたいに感じていたんです。

松本裏返して見ると、それこそが、イモトちゃんにしかない個性。あえて言葉にするなら、「一生懸命が面白い」

イモト 松本さんとの食事の席でしたよね。「イモトちゃんは、一生懸命なところが面白い。それって、最高じゃない?」と皆に言われて。確かに、面白いことを言おう、面白いことをしよう、などと計算しているわけじゃないのだけれど、何かに挑んだり、何かから逃げたり、そういう姿が面白いと言ってもらえるなら、それでいいか、いや、それが最高って素直に思えて、もやもやしていたものがすっきりしたんです。言ってみれば、「生き様芸」(笑)。すごく嬉しい言葉だったし、これが楽になるきっかけになりました。

松本 私たちが知らず知らずのうちにイモトちゃんを親戚枠に入れていたのはきっと、それが理由なんだと思う。一生懸命が面白い、ひたむきが美しい、かけがえのない存在感を見出していたから。

イモト 仕事面においては「自分でいい」とまだまだ思えていないんですが……。でも、バラエティのみならず、お芝居のチャンスもいただいて、いろいろなジャンルに挑戦させてもらえたのが、自分を知ったり、自分を認めたりするうえで、大きな意味がありました。今もよく、聞かれるんです。「芸人さんですか? 女優さんですか?」とか、「今後はどっちで行きたいですか?」とか。でも、どっちでもありたいと思っているし、どっちと呼ばれてもいい。肩書きをつけない、それが目標なんです。



MAQUIA 5月号

撮影/菊地泰久〈vale.〉(人物) ヘア&メイク/犬木 愛〈agee〉(イモトさん分) スタイリスト/後藤仁子 取材・文/松本千登世 構成/火箱奈央(MAQUIA)


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