「MAQUIA」11月号では、創刊14周年を記念して、いつもキレイを発信し続けているあの人にインタビュー! 世代を超えて支持される美容エディター・松本千登世さんに、美容の目覚め、転機、そして今を語っていただきました。
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松本千登世

美容エディター。丁寧な人柄と、繊細、かつ豊かな感性が紡ぎ出す美しくて心に響く文章に、どの世代の女性からも圧倒的な支持が。最新著『もう一度大人磨き綺麗を開く毎日のレッスン76』(講談社)が好評発売中。


肌は心意気の表われ。慈しむべき
自分自身であり、人格に近いもの

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自分の肌が愛せなかった私の、
美容の目覚め

20代の頃の私の肌は、とにかく不安定でコントロール不能。自分の肌が好きな日は1日もなかった。30歳のとき、エディターとして美容に携わるようになっても、自分と美容の距離が全然縮まらない。そんなとき、当時オルラーヌにいた鶴岡悦子先生に出会ったんです。先生に「自分の肌も愛せてないのに美容を語る資格なし」と言われ、すごくショックだった。でも愛を感じたし、ついて行こう!と言われたとおりに実践してみたら、あっという間に肌が変わって。その体験から携わっていた女性誌で、『30代の肌はまだまだ育つ』というテーマをやりたい、と言ったんです。そうしたら男性の編集長に、「そんなわけないだろ」と言われてものすごく驚いた。30代は女の舞台を降りる世代、という考えがまだ残っていた時代。でも実現したその企画の反響は大きくて、ありがとう、という声をたくさんもらい、これはみんなの思いなんだと実感した。それが第1回の美容の目覚め。

コスメの力を
再確認した瞬間

そんな編集者としての転機を迎えたのち、資生堂の研究者に取材する機会が。なぜこの職業についたのかを聞いたところ、「小さい頃、母がどんなに機嫌が悪くても、鏡の前で化粧品に触れていると表情がやわらいだ。認知症の女性が、口紅を塗ったら一瞬目の焦点が合ったという、資生堂のCMを見たこともあった。化粧品には、女の人をそんなふうにする力があるんだなあ、と。いわば心の生き死にに関わるものなんだと思えたから」という答えが返ってきた。すごく感動して、化粧品ってすごい、私も自分の仕事に誇りを持ち、化粧品の力を信じればもっと女性の人生を面白くできるはず、と思えたんです。これが2回目の目覚め。

選択肢が多いからこそ、
選び取るのが面白い、それが美容

美容の選択肢が広がり、何でも選び取れる時代。だからこそ「年を取る」に、センスが問われる気がして。それが今、すごく面白いんです。以前担当した「エイジングとは?」という特集で「幸せなシワを作りたい」から「シワが1本もないのが幸せ」まで答えは百人百様だった。そのとき、人それぞれ何が幸せなのか自分に問いかけるのがエイジングケアで、それを見つける作業が美容なんだな、と思ったんですよね。


MAQUIA11月号

撮影/中村和孝〈まきうらオフィス〉 ヘア&メイク/KUBOKI〈Three PEACE〉 取材・文/巽 香 構成/山下弓子(MAQUIA)


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