「MAQUIA」11月号では、創刊14周年を記念して、いつもキレイを発信し続けている女性にインタビュー。子供の頃からメイク愛ひと筋!という中野明海さんにとっての美容とは?
中野明海
ヘア&メイクアップアーティスト。常に新鮮で「目からウロコ」のメイクに、圧倒的支持が。念願の「潤んだやさしい瞳に見える」コンタクトレンズが、アジアネットワークスから近日発売予定。「自分が面白いと思うことに、乗ってくれる人の存在が嬉しい」
ひたすら楽しくて続けてきた。
メイクは「生きること」そのもの
子供の頃からブレず
メイク愛ひと筋!
ものごころついたときから女の子の絵を描くのが好きで、色鉛筆やクレヨンで、どうやったらチークをぼかして可愛く塗れるか、なんてことを考えていました。小学校で大人になったら何になりたい? と聞かれ「お化粧する人」と答えたら、大人になれば誰でもできるから、もっと違うことを考えなさいと言われたけれど、そこからブレてないんですよ。
その頃から音楽やファッションも好きで、ファッション雑誌を見てはモデルや広告写真、デヴィッド・ボウイの写真なんかを延々トレースしたり。山口小夜子さんに憧れて、メイクを真似したくて、メイク道具をお小遣いで買い始めたのは中学生の頃。山口はるみさんのイラストも大好きで、そのメイクを自分の顔に再現して遊んでいました。
さまざまな出会いが
運命を拓いてくれた
短大の頃にはたくさんの出会いがあり、YMOの細野晴臣さんに声をかけてもらい大阪のレコード会社に就職。そのときに今のダンナさんと出会い、結婚すれば親も東京に行くのを許してくれる♪って。その頃にはもう渡辺サブロオさんや野村真一さんがヘアメイクとして活躍されていました。そしてある日、とあるMV撮影の現場を手伝いに行ったら、渡辺サブロオさんがいらして。ファンだとお伝えしたら、自分のメイク学校に入れてくれて、上手上手と褒めてくれたけど、アシスタントにはしてもらえなかった。「でももうちゃんとできるから、自分でやればいい。上手なら仕事が来るし、下手だったら来ない。それだけのこと」と言われて。なるほど、と思い、いきなりプロデビュー。最初の仕事はYOUさんや竹中直人さんの舞台のパンフレットでした。
美しいものを楽しんで作れる。
それが大事!
仕事ができるかどうか、上手いか下手かは、人が決めてくれること。それは今でもそう思っています。メイクが好きで、美しいものが好き。自分の気持ちに嘘がないから、人から見たらたいへんそうでも、ひたすら「楽しい!」と思ってメイクしてきましたね。でも、迷ったことは一度だけ。ちょうど自分はどこに向かうべきなのか考えているときに、当時ディオールのディレクターだったティエンに、パリの自分の事務所に入らないか? と誘われたんです。「運命かも!?」と彼の手書きの連絡先を財布に入れ、1年くらい真剣に悩んだけど行かなかった。ほんとうに東京が好きで、日本の仕事を愛していたし、わりと臆病なんで(笑)。ずっと日本に生きています。一生懸命に。
MAQUIA11月号
撮影/竹内裕二〈BALL PARK〉 取材・文/巽 香 構成/山下弓子(MAQUIA)
【MAQUIA11月号☆好評発売中】