ラジオ体操と聞くと、小学生の頃夏休みにやったきり……という人も多いはず。ですが、体型キープや肩こりなどの不調の改善に効果が高く、美容のプロたちがこぞってハマっているらしい!? そこで、リアルな体験談から、ラジオ体操が作られた目的、どんな効果があるのか、悩み別のおすすめの動きなどまでをご紹介します。この機会に、ラジオ体操の魅力を見直してみて!
- 美容賢者3人が証言「私たち、ラジオ体操にハマってます!」
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「ラジオ体操のここがスゴイ!」
『大人のラジオ体操』の著者 整形外科医・中村格子先生が解説 - 気になるパーツの引き締めに効果的な動きをピックアップ!
- 1. くびれたウエスト作りにおすすめの動き
- 2. 背中の贅肉を撃退したい人におすすめの動き
- 3. ぽっこりお腹を解消したい人におすすめの動き
- 4. 太もも&お尻をスッキリさせたい人におすすめの動き
美容賢者3人が証言「私たち、ラジオ体操にハマってます!」
ラジオ体操を継続しているという3人のリアルな声をご紹介。肩こりや腰痛の改善から、体型キープ、体力アップなど、みなさんさまざまな効果を感じているようです!
ランコムPR
菊池 由美子さん
日本ロレアル株式会社 ロレアル リュクス事業本部 ランコム事業部PR/メディア統括部長。ランコムブランドのメディアプランニング、ブランディング強化のPRプロモーション活動に携わる。長年、外資系化粧品のPRとして活躍する美容のプロ。
「ラジオ体操を始めようと思ったのは、肩こりがひどかったのと、生活を夜型から朝型にスイッチしようと思ったのがきっかけで、もう15年以上続けています。以前は近くの公園で、ラジオ体操のグループの方と一緒にしていましたが、外だと天候に左右されるので今は自宅の部屋で体操をしています。ラジオ体操は上半身の運動が多いので、肩こりには本当に効果が高く、続けるうちに完全に解消しました。頭痛にも効果があった気がします。
また、朝のボンヤリした頭がすっきりと冴え、朝食が美味しくなりました。朝早く起きるので、夜の寝つきも良くなっていいことずくめです。
ラジオ体操は、3名のピアノ演奏者の方が日替わりで演奏を担当されているのですが、最近その日の演奏者が誰かを聞き当てるのも、ひとつの楽しみになっています」(菊池さん)
化粧品会社、出版社勤務を経て独立。現在はビューティエディター、美容ジャーナリストとして、女性誌や広告、講演等で幅広く活躍。
「ラジオ体操は、10年ほど前にとある美容家さんに取材をしたときに、ラジオ体操を続けていらっしゃるという話を聞いて興味を持ったのがきっかけです。ちょうどその頃、整形外科医の中村格子先生の『大人のラジオ体操』の本がベストセラーになっていて。それで本を買って読んでみたら、ひとつひとつの動きの効果が詳しく解説されていて、とても理にかなった運動だなと思ったんですよね。そのうえでラジオ体操をしてみたら、なんとなくやるのと全然違って、効果を感じたんです。それ以来、毎日続けていて、最近はラジオ体操のYouTubeを見ながら毎朝やっています。
いろんなバージョンがありますが、ラジオ体操第1と第2の間に首の体操が入っているバージョンが好きです。続けていて大きく体が変わったというより、やめると途端に肩こりや腰痛がひどくなるので、やはり続けることで毎日体がリセットされているんだなと感じます。体型や姿勢が自分のニュートラルな状態からずっと変わらないでいられるのもラジオ体操のおかげだと思っています」(安倍さん)
美容ライター
フリーランスのライターとして、女性誌を中心にビューティやインタビューなどの記事制作を多く手掛けている。
「昨年の11月に同居している妹がラジオ体操を始めたので、私も一緒にやることに。私は運動が苦手で、何もやってこなかったのでリハビリ感覚で始めました。ラジオ体操をすると軽く汗ばむこともあるので、毎日入浴前の22~23時頃にやっています。最初はラジオ体操第1、第2をやっていたのですが、1ヶ月ほど続けた頃にYouTubeで第3を発見し、1~3をやることに。
現在、始めてから9ヶ月目です。始めた頃はちょっと動くだけで体がバキバキと鳴って筋肉痛にもなっていたのですが、今は体を伸ばすのが心地いいと感じるようになりました。また、ラジオ体操を始める前は徒歩20分ほどの距離にあるファミレスまで行こうとすると途中でバテていたのに、最近は“あれ?もう着いたの?”と感じるので、多少体力がついた気が。ラジオ体操はキツい動きがないので私のような運動習慣がない人でも続けやすいのがいいですね。
継続することで少しずつ意識も変化し、玄米を取り入れて食事に気をつけてみたり、ほかの簡単な運動をプラスしてみたりと、以前より健康的な生活を心がけるようになりました」(真島さん)
「ラジオ体操のここがスゴイ!」
『大人のラジオ体操』の著者 整形外科医・中村格子先生が解説
整形外科医・医学博士・スポーツドクター
中村 格子さん
Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長。横浜市立大学医学部・大学院卒業。長年の臨床整形外科医としての経験と、国立スポーツ科学センター勤務を経て、2014年に現クリニックをオープン。「健康であることは美しい」をモットーに、テレビや雑誌などでの、わかりやすいエクササイズ指導でも人気。著書『大人のラジオ体操』(講談社)はシリーズ累計83万部絵を超えるベストセラーに。
Q.そもそもラジオ体操とは、どんな目的で作られた体操?
A.老若男女の健康のために、いつでもどこでも誰でもできる体操として作られたもの
「ラジオ体操は、昭和26年に逓信省簡易保険局(現在のかんぽ生命)、NHK、文部省関係者など25名の制定委員と10名の専門委員によって、老若男女の健康のために、いつでもどこでも誰でもできる体操として考案されたものです。健康の維持だけでなく、疲労回復効果や体型の維持などの美容的な効果も得られるようにと、とてもよく考えられた体操です」(中村先生)
Q.ラジオ体操をするとどんな効果が得られる?
A.体の柔軟性や心肺機能を高めたり、姿勢の改善や体の引き締め効果も
「ラジオ体操第1は、体を動かして筋肉を刺激しながら関節の可動域を広げて柔軟性を高める“ダイナミックストレッチ”の要素が多い体操です。ラジオ体操をすると400以上もの筋肉が活性化し、しっかりと呼吸をしながら行うことで心拍数が自然に上がって心肺機能が上がり、内臓の機能も活性化します。また、血流がよくなって、肩こりや腰痛なども改善しやすくなりますし、左右均等の動きによって体のゆがみが改善して姿勢がよくなり、体の引き締め効果も得られます。ラジオ体操を20年続けている人は、やっていない人と比べると骨密度が高かったり、心肺機能が高かったりと、有意に体が若いというデータもあります。体が動かしやすくなり機能が保たれるので、若いうちから続けておくことをおすすめします」(中村先生)
Q.やはり朝するといいの?
A.朝行うと1日快適に過ごせるのでおすすめ
「ラジオ体操は朝にラジオで放送があるので、朝に行うのが一般的です。朝行うと、血行がよくなって脳も目覚め、体が動かしやすくなって1日快適に過ごせるので、朝行うのはおすすめです。もちろんほかの時間に行っても構いません。午後3時くらいの眠くなってきたときに行うのもよいと思います」(中村先生)
Q.ラジオ体操をするときに意識するといいことは?
A.テキパキとキレよく動くことと、どの部分に効いているかを意識して
「だらだらやるのでなく、テキパキとキレのよい動きを意識して行うと、効果が高まりますし、見た目にもキレイです。どの部分に効いているか意識しながら体を動かすのもポイントです」(中村先生)
Q.ラジオ体操第1と第2の違いは?
A.第2は第1より少し動きが複雑で、負荷がやや高め
「第1は、老若男女誰にでもできるもので、体の柔軟性を高めることに重きが置かれています。一方、第2は職場で青壮年層が行えるように作られているので少し複雑な動きが多く、負荷がやや高めになっていて、働くうえで必要な筋力を強化することをおもな目的とした運動になっています。第1だけでは物足りない人は、第2も行うといいと思います」(中村先生)
気になるパーツの引き締めに効果的な動きをピックアップ!
1. くびれたウエスト作りにおすすめの動き
くびれたウエスト作りに効果的なのがラジオ体操第1の7番目、体をねじる運動。
「腕を振って体を左右にねじることで、安定した体の軸を作る運動です。体をねじる動きによって脇腹の筋肉が刺激され、くびれ作り効果が得られます。体をひねるときに、膝はなるべく固定してかかとは上げず、両手の遠心力に負けないように体の軸を保ちながら腕を回しましょう。脇腹の筋肉を意識しながら左右均等に体をねじるのもポイントです。そのほか、くびれ作りには、第1の5番目の体を横に曲げる運動や、6番目の体を前後に曲げる運動も効果的です」(中村先生)
2. 背中の贅肉を撃退したい人におすすめの動き
背中の贅肉を撃退する効果が高いのが、ラジオ体操第2の10番目の運動。
「上半身を股関節から倒してキープし、腕を反動を使って大きく前後に振る動きで背筋が鍛えられます。腕の振りに負けて背中を丸めてしまわないように、背中の真ん中に溝を作るようにしっかりと固定して行いましょう。ほかに、第1の3番目の動きも、肩甲骨周りの筋肉がよく動くので背中の引き締めに効果的です」(中村先生)
3. ぽっこりお腹を解消したい人におすすめの動き
ぽっこりお腹を解消するなら、第1の10番目の体を回す体操がおすすめ。
「腕を伸ばして体を回す動きによって、お腹の筋肉が刺激されるうえ、お腹が伸びて肋骨と骨盤の距離が長くなることで前に飛び出ていた内臓や脂肪が中に収まりやすくなり、ぽっこりお腹が解消しやすくなります。腕を回すときは両腕をしっかりと伸ばして左右の腕の幅を変えずに大きな円を描くように回しましょう。両肘を伸ばしてどの方向にも均等に回すことを意識するのがポイント。そのほか、第1の8番目の腕を上下に伸ばす運動も、お腹が伸ばされるのでぽっこりお腹の解消に効果的です」(中村先生)
4. 太もも&お尻をスッキリさせたい人におすすめの動き
太ももやお尻をスッキリさせたいなら、第1の9番目の体を斜め下に曲げた後に、胸を反らす運動が効果的。
「この動きは、立った状態で体を斜め下に曲げることで、もも裏の筋肉がしっかり伸びるので、太ももからお尻までが引き締まりやすくなります。膝は曲げず、股関節から上体を曲げ、もも裏の筋肉が伸びていることを意識して行いましょう。この動きは姿勢や歩幅の改善にも効果があります」(中村先生)
中村格子さん著書『DVD付き もっとスゴイ! 大人のラジオ体操 決定版』
中村格子さん著書『大人のラジオ体操』のシリーズ第2弾『もっとスゴイ! 大人のラジオ体操 決定版』。第1・第2完全収録。整形外科医とスポーツドクターの目線でわかりやすく解説。呼吸法でさらに効果アップし、若々しく疲れにくい体づくりに役立つと幅広い世代に長く支持されている。
イラスト/二階堂ちはる 取材・文/和田美穂 企画/福島美歩(MAQUIA ONLINE)
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