更年期を迎えて汗のかき方が変わったという人は多いはず。それまでは夏の外出時や運動量が多い時など、予測ができるタイミングで発汗をしていたのに、涼しい室内でじっとしていても突然汗が止まらなくなる…。そんな予測不能な更年期の汗とは、どう付き合えばいいのか?
「私自身、みんなが涼しい顔をしている中で『豪雨に打たれたの?』と言われるくらいの汗をかいて恥ずかしい思いをしたことがたくさんありました」と語るランジェリースタイリストの浅井明子さんに、更年期を快適に乗り切るためのインナー選びを教えてもらいました!
- 更年期のほてり、冷えのぼせ対策にオススメなのはこんなインナー
- 汗の量が多く汗ジミが気になるなら“パイル素材の半袖タイプ”
- 頭部や首の汗が多いなら“ハイネックタイプ”
- 冷えやすい下半身にはレギンスをプラス
- 見た目から気分が上がるショーツ
ランジェリースタイリスト
浅井明子さん
アパレル勤務時代に下着の大切さを身をもって痛感。その後、インポートランジェリー専門店の広報職を経て、ランジェリースタイリストに。服の上から見るだけでその人にピッタリのサイズを見極めるプロフェッショナル。
更年期のほてり、冷えのぼせ対策にオススメなのはこんなインナー
□上半身だけに集中する汗をしっかり吸う
□頭部から汗をかくことも多いので首元で汗をしっかりキャッチ
□ほてる上半身に反して冷えやすい下半身を温める
□ホルモンバランスの影響で気分のアップダウンが激しいので、見た目で気分を上げるデザイン
「更年期は上半身だけに汗が集中するのが特徴。しかも自分で予測できないタイミングで発汗するので、季節問わず下着で対策するのがベター。更年期の汗は頭部から出ることが多いので、首元で汗をキャッチしてくれるインナーを選ぶことが大切です。ホルモンバランスの影響で気分のアップダウンも激しいので、見た目で気分を上げられるようなデザイン性の高いアイテムや、着ていてストレスのない素材のアイテムもおすすめ。また、ほてる上半身に反して下半身は冷えやすいので、足元や腰回りは温め効果のあるインナーを選びましょう」(浅井さん・以下同)
汗の量が多く汗ジミが気になるなら“パイル素材の半袖タイプ”
「突然滝のように噴き出す更年期の汗に対応するには、とにかく厚手で吸水性が高いインナーがマスト。とはいえただ厚手なだけでは着用ストレスを感じてしまうので、タオルのように柔らかで瞬時に汗を吸い取ってくれるものがおすすめです。パイル素材なら通気性も良く、突然の汗も余裕で受け止めてくれますよ」
出雲ソフト 三分袖シャツ¥1540/Fukusuke(満足)
「デリケートな体にも心にもやさしく寄り添ってくれるフレンチスリーブのインナーは、肩回りが冷えないのもポイント。柔らかく包み込むようなふんわりとしたパイル地は、一度来たら病みつきになるはず」
クール素材や背中をしっかり覆うものもおすすめ
「速乾性の高いタンクトップも更年期の強い味方。いつまでもベタつくと気分までイライラしてしまうけど、胴回りがサラリとしていることでそんなメンタルもコントロールできちゃうんです。汗が伝いやすい背中もしっかりカバーしてくれるという点も重要」
薄くて軽い タンクトップ¥3740〜(サイズにより異なる)/トリンプ
「速乾性の高いキュプラ化繊のタンクトップは、着ていることを忘れるほどの軽さと心地よさが魅力」
頭部や首の汗が多いなら“ハイネックタイプ”
「私の場合、頭にかいた大量の汗が首を伝って垂れてくるのが本当に不快だったんです。だからと言って常に頭皮をゴシゴシ拭くわけにもいかず、どうしたものかと試行錯誤して辿り着いたのがハイネック。首元の汗をスマートに吸い取ってくれて、見栄えもかわいいので何枚か持っておくと便利」
メローハイネックノースリーブ¥5940/チュニック
「凹凸がある楊柳素材のハイネックインナーは、肌に張り付く感触が軽減できて快適。首元を覆うことで日焼け対策もできるし、エアコンなどによる乾燥も防げる多機能アイテム」
冷えやすい下半身にはレギンスをプラス
「汗ばかりを気にして見過ごしがちだけど、大人の女性は下半身が冷えがち。上半身は薄手でもいいけど、腰から下はしっかり温めて代謝をサポートしましょう。特に夏場は冷房の影響で冷えやむくみが出やすいので、パンツをはいている時でもレギンスをプラスインするのがおすすめ」
7分丈レギンス¥4620/島崎(フリープ)
「スカートの時はもちろん、パンツの時でもレギンスを仕込んでおくと安心。伸縮性があり、さりげなく引き締めてくれるのでスタイルアップ効果も。腰回りの冷えを防いでくれるので、まだ更年期を迎えていない人たちにもおすすめ」
見た目から気分が上がるショーツ
「更年期になって何が一番困ったかというと、実は体のケアよりもメンタルのコントロールでした。今から振り返れば第二の人生の幕開け! と前向きに捉えられますが、当時はゆらぐ気分と体力のなさに、『若い頃には戻れない…』と落ち込むことも多かったんです。そんな時、思いっきり女っぷりのいいアンダーウェアを身につけると自然と元気になり、『生理がないからどんな下着も着こなせる!』と思えるように。温めたり冷やしたりすることも大切だけど、自分の気分を高めてくれるビジュアル派の下着を持っておくこともとても大切です」
(上から)オヤスミパンツ¥3300/チュニック オレンジの総レースタンガ¥3190/パリスインターナショナル(コサベラ) バイカラータンガ¥7480/スチューディオシンノ(フォルメンテーラ)
「締め付けのないコットンのショーツは、睡眠時やお家でのリラックスタイムに。Tバックや総レースのショーツを身につけると、不思議と自信が生まれて背筋まで伸びるような気が」
撮影/恩田はるみ スタイリスト/浅井明子 取材・文/野崎千衣子 企画・構成/横山由佳(MAQUIA)
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