世界の情勢が一変し、生活や仕事、そして美容にも影響が及んだ2020年。「MAQUIA」8月号では、激動の中での選考となったベストコスメをいよいよ発表。美容のプロのお二人が、今だからこそ感じたコスメと幸せの関係性について語ります。
私たちに元気を与えてくれた
MAQUIA2020上半期
Happy溢れる❤ベストコスメ
私らしく、心地よくがキーワード
安倍佐和子×神崎 恵
今だからこそ、再確認
「コスメがくれる幸せって何だろう?」
“ステイホーム”でコスメとの向き合い方が大きく変わった今年上半期。だからこそ見えてきたコスメと幸せの素敵な関係性について、お二人に語り合ってもらいました!
美容家
神崎 恵さん
mnuit主宰。美容誌をはじめ数多くの女性誌で連載をもつ他、イベントやコスメのプロデュースなど、幅広く活躍。書籍の累計発行部数は134万部を超える。
美容エディター
安倍佐和子さん
美容に関する、あらゆる分野に精通。読者の目線に立ち、豊富な知識を生かしながら、読者に寄り添う説得力のある語り口は、心にも響き支持されている。
化粧水がここまで先進性を極めたのは快挙!
効果はもちろん、心にも寄り添い幸せをもたらす
安倍 今期、みんなの話題によくのぼったのは、ランコムの化粧水。化粧水に注目が集まったのは奇をてらわず、日々のお手入れを積み重ねて肌を育てることに、お花を育てるような幸せを感じられたからかな、と。
神崎 確かに。そして「きれいになりたい」と思ってから、それが叶う実感までの時差が少なくなりましたよね。あれこれプロセスを踏まなくていい、そのスピード感は感動的。クラリフィックのように気持ちよくてスピード感もあると、爽快だしそれが力にもなる。
安倍 スピード感を伴って効果を実感できるようになったのは、感触の進化によるところも。機能を包み込むような気持ちよさが際立っているものが多かったし、その心地よさが効いている実感につながり、幸せにも直結。不安を抱えやすい時期、使い心地の点でも幸せをもたらしてくれるものに、みんなが心を動かされたよう。
神崎 クレ・ド・ポー ボーテのラ・ クレームも、あの包容力はやはりさすが。あとオルビスのオフクリームは、クレンジングなのに疲れた心までなだめて癒やしてくれるのが、今の気持ちに合ってました。今のもやもやした不安まで、一緒に洗い流してくれるような。もはやクレンジングも洗顔も楽しみの域。楽しもうというメッセージがある。これまで適当にされていたプロセスが、肌を育てるところに仲間入りした。
安倍 クリーンビューティの流れもあって、そういう意識で考えたとき「洗い流すもの」の環境への影響も、配慮されるようになった。人がきれいになるだけじゃなく、なにかいいことができないか、と考えるヒントをくれたみたい。
A酵素の力で透明感を引き出す手腕もさることながら、ウィスクでシェイクする楽しさや、肌に広がるみずみずしい感触と浸透感も、支持された理由。
ステイホーム中に癒やされたのは心地いいテクスチャー
神崎 私自身、これまで忙しくてなかなか意識を変えるチャンスがなかったけど、時間の余裕ができて、大事なものとそうじゃないものを明確にできた。美容のスタートラインはこれまで意外とみんなバラバラだったけど、今回のことでリセットされて、これから一緒に正解を探して再スタートがきれそうな気がします。
安倍 やはりこんな状況の中、テクノロジー以上に心に働きかけるものの印象が大きかったんですよね。
神崎 マスクしてるとリップが楽しめない、という声が多かったのは、メイクは自分が楽しければいいという自己満足じゃなく、自己表現だから。見せたい気持ちとセットなんだ!とあらためて納得しましたね。
安倍 メイクはコミュニケーションというか、人とつながる手段のひとつ。そこがスキンケアとは違うところで、それが遮断されるというはじめての経験から、あらためてメイクの意味が見直されたといえそう。
Bシャネル最高峰ラインから生まれた化粧水だけに、包み込むようなとろみ感とフレッシュさのバランスが絶妙。C心をスイッチオフするクレンジングは、心地よさに徹底的にこだわったとろけるようなテクスチャー。Dラグジュアリーを極めたクリームの感触は、濃密でいて重さがなく、うっとりするほどなめらか。
遮断されてメイクの意味が見直された
未体験の事態に直面して美容の価値観にも変化が
安倍 ベースメイクはすごく多様化した中で、ヘレナ ルビンスタインの美容液ファンデーションの、素肌そのものがきれいになる感じ、抜け感が今までとはまったく違うと思った。スックも抜け感が違う。単にシアーなのとも違うの。
神崎 決して薄膜でナチュラルじゃない肌をつくるものも、軽やかになった。マットでもセミマットでも、全部。軽くて自由になって、なりたい肌に合わせて好きに選べて、表情を隠さないし、縛らない。メイクで作った肌じゃなく、自分の肌と思える。自分が主役で、自分ファーストで生きていけるんですよね。この解放されるっていうことは大きな差。
安倍 ほんとうに目に見えない脅威にさらされるという経験によって、生活のスタイルは大きく変わったけど、この期間は社会と自分と美容の関係を考えるきっかけをくれたとも思うの。自分と美容との向き合い方を考えることで社会を考えたり、自分と社会を考えたときに、美容の何がほんとうに必要なのかとか。自分にとっていらないものを、整理できたというか。
神崎 シンプルに自分と向き合う時間が増えて、美容は女性の気持ちと深く結びついていて、心に寄り添って歩幅を合わせていくものだと再認識しました。なくても生きていけるけど、あると幸せ。矛盾しているようで、なくてもいいものにこそときめきがある。そしてこれからは、自分でチョイスして自分なりの美容を見つけていくべきですね。
E美容液成分をたっぷり閉じ込め、ふんわり軽やかなテクスチャーがしなやかにフィット。Fまろやかな薄膜が肌と一体化。まさに素肌とシームレスな仕上がりを実現。
MAQUIA 8月号
イラスト/永宮陽子 取材・文/巽 香 構成/髙橋美智子(MAQUIA)
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