時代を超え、愛と幸福を約束し続けてきた名香“ミス ディオール”のオードゥ パルファンが、このほど、より華麗に生まれ変わって登場。その秘密を探るべく、グラースにあるディオールのバラ畑とオンラインでつないでの取材を実施。新たな美と希望を予感させる香りの魅力とは。
ディオール パフューマー クリエイター
フランソワ・ドゥマシー氏
Sweet Love
スウィート ラブ
ディオールのためにローズやジャスミンを栽培するキャロル・ラブビアンカラナの農園で、ドゥマシー氏が出合った美しいバラ。それが新しい香りの原点に。「“スウィート ラブ”という名のそのバラはフルーティでわずかにスパイシーで、ベースにはムスクも感じさせます。驚くほど豊かなその芳香が私にインスピレーションをもたらし、新しいオードゥ パルファンを若々しくフレッシュで、心地よいセンシュアリティを感じさせるものにしたいと思ったのです」(フランソワ・ドゥマシー氏。以下同)
Mille Fiori
ミレフィオリ
「香り高いグラースのセンティフォリアローズと、ダマスクローズをたくさんの花々で囲みながら、ローズが最後までフレッシュに香る、鮮やかでエレガントな花束を創りたいと考えました」ローズと同じくディオールの香水に欠かせない、うっとりとさせるようなグランディフロラム ジャスミンや艶やかなピオニー、高貴なアイリス。そしてムッシュ ディオールが愛した爽やかなスズランを添え、『ミレフィオリ』――幾千もの花々のブーケが、光輝くばかりのサプライズをもたらす。
Secret of Tender Woods
ベースに響く、ウッドの秘密
やがて不意に表れるベチバーがローズと響き合い、柔らかくなめらかなサンダルウッドが、ベース ノートを包み込む。「ベチバーはほのかに土の香りがしますが、それによって自然の力強さを感じさせたかった。またウッディなノートの中でもとりわけセンシュアルなサンダルウッドを選びました」
Hope
明るい希望
「香水とは、思いを託すもの。香水はエモーションそのものといえます。“ミス ディオール”は、まだ大戦の爪痕が残る1947年のパリで、女性たちに本来の美しさや自分らしさ、そして笑顔を取り戻してほしいと、クリスチャン・ディオールによって生み出された香水。世界が先の見えない不安に包まれている今、この新しい“ミス ディオール”が、人々を美に目覚めさせ、明るい希望をもたらすものになってほしかったのです」
ひとつのボトルに、
こだわりと愛を詰め込んで
ミス ディオールに息づく、
クチュール スピリット
クチュールの伝統、創造性と熟練の技が融合したかのような「クチュール スピリット」が、このフレグランスには確かに息づいている。
『ミス ディオール』に宿る花々の生命力にインスピレーションを得て、ディオールのクリエイティブ ディレクター、マリア・グラツィア・キウリが創りあげたキャンペーン用のドレス。それはまさに「ミレフィオリ」の香りを具現化したもの。手作業でプリーツが施されたシルクのビスチェや、ムッシュの作品を思わせる花冠のようなスカートを覆い尽くすのは、本物と見紛うばかりの色鮮やかな無数の野花。ロックなムードを帯びた繊細な花々は、一輪ずつ手描きされた後に染色され、ひとつひとつ伝統的な手法で刺繍されたのだとか。クチュールのアトリエの熟練の裁縫師たちが、500時間をかけて完成させたという唯一無二のドレスは、クラシックとモダンが交錯。ディオールのフェミニニティを体現している。
“ミス ディオール”のシグネチャーである、首もとのエレガントなボウ。それが新しいオードゥ パルファンでは、クチュールの熟練の技術によりこの上なく贅沢に生まれ変わる。長年オートクチュールの作品に携わってきた、フランス有数のリボンメーカーのアトリエで作られるジャカードのリボンは、19世紀から使い継がれてきた伝統的な木製織機を使用し、何カ月もかけて生まれたもの。わずか1cm幅に12000もの網目が織り込まれ、そこには無数の花々の刺繍までも。色鮮やかな点描画のようなボウはすべてが「一点もの」であり、真のクチュール スピリットが込められているのだ。それは“ミス ディオール”を手にした私たちへの、究極的にラグジュアリーで、かけがえのない贈り物。
ミス ディオール
オードゥ パルファン
ミス ディオール オードゥ パルファンのシグネチャー ノートであるローズとジャスミンを引き立てながら、パウダリーなアイリスやセクシーなピオニーにも存在感を与えて、フレッシュでいてセンシュアルに。ミス ディオール オードゥ パルファン 30ml ¥9350、50ml ¥13750/パルファン・クリスチャン・ディオール
幸福の約束はそのまま、
鮮やかで生命力にあふれて
「愛のように香るフレグランスを私に」。そんなクリスチャン・ディオールの思いから1947年に誕生し、女性たちに笑顔と未来への希望を与えた“ミス ディオール”。「世界の変化と共に、香りも変化するものです。新しいオードゥ パルファンでは、従来のシプレー ノートを抑えて、シグネチャーであるローズをはじめとしたフローラルの世界観を、より軽やかで豊かに表現したかった」と、フランソワ・ドゥマシー氏。
腕いっぱいに抱えた色鮮やかな花束のような、光輝くばかりの「ミレフィオリ」の香りは、今という時代にあって、私たちを新たな自然体の美しさと、満ち足りた明日へと導いてくれる。
●お問い合わせ/パルファン・クリスチャン・ディオール 03-3239-0618
撮影/山口恵史 スタイリスト/山本瑶奈 取材・文/巽 香 構成/吉田百合(MAQUIA)
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