【簡単ストレッチ&エクササイズまとめ】
猫背のお悩みにもおすすめ! 巻き肩や肩こりを解消する方法とは? 自宅でできる簡単ストレッチや筋肉のほぐし方、正しい姿勢を専門家がレクチャー。
巻き肩を解消! 自宅でできる簡単ストレッチ
セラピスト
小畑淳矢さん
「巻き肩・小顔矯正 La Venus(ラヴィーナス)」主宰。2年前にオープンして以来評判が口コミで広がり、現在予約は3カ月待ち。
「巻き肩」 とは…?
スマホやPC作業など、前のめりで手を前に出した姿勢が習慣づくことで、肩甲骨が外側に広がり、肩が体の前側に巻いている状態のこと。血管などが圧迫され、肩こりにもつながる。
【自分のタイプを知ろう】巻き肩3タイプはコレ
タイプによってその見え方や効果的な解消法もいろいろ。まずは自分がどのタイプか見分けて。
◆前のめりタイプ
スマホを長時間見たり、片側で重いバッグを持つ人に多い。30歳を過ぎると冷えやむくみが悪化しがち。
顎が上がり気味
顎を上げて体のバランスを取っている。写真撮影時に「顎を引いて」と言われがち。
猫背に見える
左右の肩を結ぶ横のラインが丸まることで前傾姿勢になり、猫背に見える。
首が凝りやすくストレートネック気味
本来の首のカーブが伸びてまっすぐになり、首凝りや頭痛の原因にもなる。
◆肩が上がるタイプ
肩に力が入って上がるため、鎖骨のつけ根が上に引っ張られて逆ハの字に。リュックサックを背負う人に多い。
首が短く見える
肩が上がるので窮屈な印象になり、首が短く見える。二重顎にもなりやすい。
鎖骨が逆八の字
本来、鎖骨はまっすぐのラインだが、肩に引っ張られて逆八の字になっている。
いかり肩に見える
肩が上がるため、いかり肩のようになる。気道が狭まるため顎が前に出がちに。
◆上の両方の特徴を持っている、THE巻き肩タイプ
PC作業が多い人やイライラしがちな人に多いパターン。緊張状態が続くことで肩が上がって前のめりになる。
肩が上がっている
肩が上がるため、体が大きく見える。緊張状態が続くので、肩こりの原因にも。
顎が前に出る
背中が丸まれば丸まるほど、視線を上げるために顎が前に出がちになる。
首が短い
肩が上がっているために首が縮こまり、顔との境目がはっきりしない印象に。
背中が丸まっている
両肩が内側に巻き込むことで背中の左右を結ぶ横のラインが丸まり、猫背に。
呼吸が浅い
背中が丸まり肺が圧迫されることで、深い呼吸がしにくくなり、浅くなる。
【巻き肩タイプチェック方法】自宅でセルフチェックする時は…
壁に背中をつけて(または横になって)指が2本以上肩と壁の間に入れば巻き肩と言えます。3本以上入れば重度の巻き肩です。
◆悪い姿勢
横を向いた時
肩の位置が耳より前にある場合、前のめりになっている。肩甲骨が外側に広がっている可能性大!
慢性的な肩こりはもちろん、鎖骨も埋もれてしまいます。反対に巻き肩を改善すると背中やデコルテがすっきりして華奢見えが叶います。
【巻き肩解消】この4つを毎日の生活の中で、徹底することが大事です!
☑深呼吸をする
☑寝る前に簡単なストレッチをする
☑歩く時は目線を下げずまっすぐ前を見る
☑トイレの度に首・肩を回す
朝起きたら…ラジオ体操・深呼吸
気道が狭まっているので、まずは大きく深呼吸。ラジオ体操第一のポーズで、息をゆっくり深くまで吸い込んで。
デスクワーク中に体が丸まったら…姿勢リセットエクササイズ
正しい肩の位置を把握するには呼吸しながらこの方法を。時々リセットすることが大切。
トイレ休憩中①…肩回し
肩甲骨を意識して大きく肩回し。脇を締めて前→上→後ろ→下と10回。同様に逆回しも。
トイレ休憩中②…首回し
深呼吸しながらリラックスして首を回す。首の筋肉を伸ばすイメージで逆回しも行う。
トイレ休憩中③…小顔のツボを刺激して
顎の下のくぼみに両手の親指の腹を当て、顎を持ち上げる。首の前側を伸ばす。
壁押しストレッチ①
硬くなった肩甲骨周りを意識して伸ばすことで柔らかくする。勢いはつけずに、気持ちいいと感じる程度に10〜15秒伸ばして。
1.顔くらいの高さで壁に両手をつき、足は肩幅に開く。軽くお尻をつき出した位置から息を吐きながらスタート。
2.背中から肩甲骨をまっすぐ伸ばすようにして壁を押す。その際、顔は上げた状態で。ゆっくり深呼吸をする。
壁押しストレッチ②
外側に広がった肩甲骨を内側に入れるストレッチ。肩甲骨の動きが悪くても、この方法ならすぐに動きやすくなるのでおすすめ。
1.壁から少し離れて横向きに足を肩幅に広げてまっすぐ立ち、ひじを軽く曲げて壁に手をつく。反対側の手は下ろす。
2.壁についた手に全体重をかけるようにひじを曲げ、肩甲骨を内側に寄せる。そのまま押し込むようにして10回。反対側も同様に。
前ならえストレッチ
実際にやってみると見た目以上にキツイものの、肩甲骨が動くのを実感しやすい。手の位置が下がると効果が半減するので注意して。
1.足は肩幅に開き、正面を向いて前にならえをする。腕は床と平行にまっすぐ伸ばした状態からスタート。
2.手の平を外側に向け、ひじを90度にする。肩甲骨を寄せるようにするのがポイント。腕が下がらないように。10回繰り返して。
首長ストレッチ
左右と後ろ、縮こまった首を伸ばして肩を下げることで、すっきりしたフェイスラインに。反動はつけずにゆっくりと行って。
1.肩と頭をそれぞれ手で軽く押さえて、首の横を伸ばす。そのままの状態で5回深呼吸する。反対側も同様に。
2.両手で後頭部を押さえ、肩が入らないように頭だけ前に倒す。息を吐きながら倒したらそのまま5回深呼吸。
バンザイストレッチ
前のめりになった肩を正常な位置に戻しながら、肩甲骨を柔らかくする。PC作業の合間など、1時間に1回取り入れるのがベター。
1.手の平を前向きにしてバンザイをする。肩甲骨を意識しながら、できるだけ高い位置まで手を伸ばす。
2.肩甲骨を引き寄せるようにして肩をやや後ろに引き、ひじの位置を下げる。腕はWの字になるように。10回繰り返す。
前のめりタイプに効く! [肩甲骨エクサ]
肩が前に入りやすい前のめりタイプは、より肩を後ろに下げるストレッチを。呼吸がしやすくなり、冷えやむくみの改善にもつながる。
1.手を背中側で組み、手をなるべく下に下げて、肩甲骨を引き寄せるようなイメージで深呼吸を10回する。
2.肺が広がって呼吸しやすくなったのを実感できるはず。顔を上げて一度肺いっぱいに空気を鼻から吸い込んで口から吐く。
肩が上がるタイプに効く! [逆腕立て]
ハードな分、効果が期待できるストレッチ。イスを使うことで効率的に肩甲骨周りの筋肉にアプローチでき、しっかり動かせる。
1.手をコの字型にしてひじを直角に曲げて、体の後ろ側でイスに手をつく。イスは固定させ動かないように。
2.肩甲骨を寄せるイメージで体を上に持ち上げて腕をまっすぐ伸ばす。足はかかとだけで支えて。10回行うと効果的。
マキアエディター ヨコヤマとハギワラの2週間チャレンジ
仕事の合間に簡単なストレッチを取り入れただけでも変化が!
◆前のめりタイプのヨコヤマ
「肩こりやむくみなどさまざまな不調に悩まされていたものの、2週間チャレンジで少しずつ改善! 見た目にも変化が現れ始めたことでPC作業など普段の姿勢も気を配るように。」
◆THE巻き肩タイプのハギワラ
「肩周りの筋肉がガチガチで肩が上がっていたが、深呼吸しながらこまめにストレッチするよう意識したら徐々に肩の位置が下がり顔周りもスッキリ。正しい姿勢の大切さを痛感。」
肩こり解消は、まず動かしてほぐすべし!
オリンピック日本代表帯同ドクター
金岡恒治先生
整形外科医、早稲田大学スポーツ科学学術院教授。体幹深部筋研究の第一人者。著書に『肩こりを治せば、老いも止められる』。
猫背が筋緊張を招き頑固なこり・ハリが発生
「女性の自覚症状ワースト1位が『肩こり』。その割合は約10人に1人です」(金岡先生、以下同) 現代の肩こりの原因は、“筋肉を動かさない生活”にあり。「スマホやPC、家事などで猫背になると肩甲骨が外側へ開き、肩周辺の筋肉が引っ張られてしまいます。その筋肉がゴムのように戻ろうと縮むことで負担が高まって筋緊張に。血流が悪化し疲労物質も溜まってこりが生まれます。放置すれば、本来は個別に動くはずの皮膚と筋肉がくっついたような状態=ハリへと成長。けれど肩こりは『病気』ではなく『症状』。だからこそ解消可能なのです」
◆肩こり放置でどうなる? ①老いの加速
加齢による細胞の老化に加えて、疲れやすい体や内臓の機能低下、筋肉の退化、崩れた姿勢などによって老化の速度が上がり、老いを引き寄せる結果に。「細胞は老化しても、姿勢の悪化による老化は自分で止められます!」
◆肩こり放置でどうなる? ②姿勢が歪む
肩こりによって肩甲骨が外側へ開くと、胸椎も引っ張られて背中が丸くなって猫背に。すると体が前方に傾いてしまうため、体は骨盤を後傾させることでバランスを取ろうとする。その積み重ねが姿勢の歪みを加速。
◆肩こり放置でどうなる? ③疲れやすくなる
肩こりで姿勢が歪むと骨盤の傾きが変わり股関節の可動性も低下。結果として歩幅は狭く、歩く速度も落ちるけれど、それに気づかず今までと同じ歩幅・速度で歩こうとするためエネルギーを余計に使って疲れやすくなる。
◆肩こり放置でどうなる? ④顔が大きく見える!
「肩を覆う“僧帽筋”が、こり・ハリによって張り出すことで首が短く見えてしまうので、必要以上に顔が大きく見える可能性は十分にあります」(金岡先生、以下同)。さらに顔側の筋肉が引っ張られることでたるみにも!
◆肩こり放置でどうなる? ⑤腰痛の発症
肩こりで肩甲骨が開いて上半身が動かしづらくなると、バランスを取るため腰椎や周辺の筋肉に大きな負担がかかって腰痛が出る場合も。「肩と腰は相関関係にあるので、肩こりの人は腰椎の損傷も確実に進んでいます」
朝:ウォーミングアップに「腹凹体操」
1.仰向けになり胸の上に両手を置く。
2.80%ぐらいの力でお腹を引っ込め10秒キープ。背中が反らないよう注意。慣れたら立ち姿でもOK。5回。
朝:美しい姿勢作りにも「肩甲骨クローズ」
1.手のひらを内側に向け、3秒かけて真上に両腕を上げる。肩に力が入らないように注意。
2.手のひらを外へ向けながら、ゆっくりと3秒かけて腕を引き下げる。肩甲骨の下側を寄せるイメージで10往復。
いつでもOK:ゆるむことを忘れた筋肉に「ギューストン」
1.両肩を真上に引き上げるつもりで限界まで持ち上げる。このとき、首をすくませないように気をつけて。
2.肩の力を一気に抜いて、ストンと脱力させる。これを3回繰り返す。
お風呂上がりに:痛みを軽くする魔法の動き「つまみはがし」
肩全体をつまんで痛みのある場所を見つけたら、親指と人差し指で皮膚だけをつまみ揺らすように動かす。小さく細かく動かすのがコツ。
お風呂上がりに:筋肉の緊張をときほぐす「首エクササイズ」
1.首をゆっくり前後に3往復。できるだけ動かすよう心がけて。
2.首を左右にゆっくり3往復させたら、左右に3回ずつまわす。
3.右手を使い頭を右へ倒し5秒。同時に左手を斜め下へ伸ばす。反対側も同様に。
4.右手を後頭部に置き、頭を右斜め前へ倒して5秒。反対側も同様に。
5.組んだ両手を後頭部に置いて首を前へ倒したまま5秒キープ。
チリつも習慣で肩こりを予防!
◆背もたれは使わない&同じ姿勢は1時間以内
背もたれには触れず浅めに座る。お腹を引き込んで骨盤を立て、肩甲骨を軽く引く。1時間ごとに立ってリセットを。
◆座る時はおじぎしながら
軽くおじぎをしたまま、お尻を後ろへ引くイメージで浅く座る。ゆっくり座ることで筋肉のトレーニング効果もアップ。
◆つり革にはもたれない
電車やバスのつり革は、体重を預けずに軽く持つよう心がけて。肩甲骨を軽く引き寄せるようにすると猫背防止に。
◆前を向いてやや大股で歩く
歩きスマホはNG! おへそを引き上げるイメージで肩甲骨を寄せながら、少しだけ歩幅を伸ばすとより効果的。
◆デスクワークは姿勢をチェック
顔が正面を向くようにモニター位置を調整し、キーボードは手元に引き寄せて、ひじが上がらない環境をつくる。
◆お腹を10秒へこませる
お腹をへこませることで体幹が安定し、姿勢を正しやすい状態に。体幹が鍛えられればバランスも乱れにくくなる。
◆階段はラッキーと思うべし
階段の上り下りは体幹の筋肉も活発に動かすので、乱れた姿勢で弱まった筋肉のトレーニングに絶好のチャンス。
◆首を冷やさない
寒い季節は首をすくめたり、肩に力が入りがち。余計なこりを増やさないためにも冷やさない工夫を。
◆リュックで負担を均等に
左右どちらかに負担が集中するのは姿勢を乱す元凶。荷重が左右均等なリュックならバランスが崩れる心配なし!
編集部
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