みなさんから届いた質問やお悩みに、えみが真正面から向き合う大人気連載。今を形づくる上で欠かすことのできない、幼い頃のおはなし。

鈴木えみ

えみはどう考えて、どう思う?
EMI SAYS...,

Q 小さい頃、どんな子供でしたか?

A. 人と群れるのが得意じゃなくて
常に男の子とケンカして
大人っぽくいようとしてました

鈴木えみ-1

おばあちゃんと過ごした幼少期。身近なもので実験をよくしてた
そもそもの話なんだけど、小さい頃の記憶ってあんまりなくて。むしろみんなの色んな話を聞きながら、「なんでそんなに覚えてるの!?」って毎回思ってるくらいなんだけど(笑)。そんな微かな記憶の中でも、特に頭に浮かぶのは自分自身と遊んでいた思い出。私は一人っ子で、小さい頃は中国でおばあちゃんに育ててもらっていたのね。遊ぶとしても歳の離れたいとこのお姉ちゃんとお兄ちゃんが多くて、一人のときは積み木をしたり、車のおもちゃとかアラーム時計を分解して、また組み立てたりしてたなぁ。中がどうなってるんだろう?ってことがすごく気になってた記憶があるんだよね。あと、よく実験っぽいこともしてた! 野草とか花を摘んで、すりつぶして香水みたいなものを作ったり、何かの木の実を砕いて薬草を作ってみたり。もちろん飲んだりしてないよ(笑)。おもちゃがいっぱいあったわけじゃなかったから、身の回りにあるもので工夫して遊ぶことが多かったかな。
あとは動物がたくさんいたから、よく一緒に遊んでた。鳥とか小さい蛇とかも飼ってたし。今でもたくさんの動物たちに囲まれて生活しているのは、この時のことが影響しているのかもしれないよね。

鈴木えみ-2

女の子特有のカルチャーはちょっと苦手
私、小学生の頃は男の子とよくケンカしてたかも。子供の頃の男子って……なんか鬱陶しかったりするときあるじゃん(笑)。「もう、ちゃんとしてよ!」みたいな。学級委員もやってたし、そういうお調子者たちと本気で言い合いする感じだったかな。あと、学校の登下校のときとかトイレ休憩とか、「みんなで一緒に行こ!!」みたいな女の子同士によくみられる交流の仕方、あるでしょ? そういう“群れる”感じがなんとなく苦手で、気付いたら周りは自然と男子ばかりに。学校に行くときは、朝近所の男の子たちが迎えに来て「おい、学校行くぞ!」みたいな。ちやほやされてたとかじゃなくて、シンプルにグループの一員的な感じだった。今は比較的社交的になったと思うけど、子供の頃の女子のカルチャーに馴染めなかった記憶があるな。

鈴木えみ-3

幼い頃の生活の中で大人でいなきゃって感じてた
小さい頃を思い出すと、両親と一緒に暮らせなかった時期があったことが、やっぱりすごく大きかったなって感じてる。一緒に暮らしていたおばあちゃんとは仲が良くて、子供ながらに心配をかけないようにしなきゃって思っていたし、色んな感情を感じないようにした方がラクだから、あえて自分の気持ちに気付かないふりをしたり。どこかで大人っぽくいようとしてた気がする。だから、可愛らしい服装とかも苦手で、いつも黒っぽい服ばっかり着てたの。のちに親と一緒に暮らし始めたときに、良かれと思ってピンク色のゲームボーイを買ってくれたことがあったんだけど、「グレーが良かったのに!」って怒ったことも(笑)。 

鈴木えみ-4

子供の頃の記憶は、今こうやって話していても夢みたい
子供の頃を思い出すとき、主観じゃなくて遠くから俯瞰の目でその記憶を辿っていて。妄想も得意だったから、今思い出している記憶が本当のことなのか、いつの間にか塗り替えた虚像なのか不思議な感じで。全体像は思い出せなくても断片的に、例えば家にハシゴがあったなとか、ロフトの中でお昼寝してたなぁとか、出窓から屋根に向かってスイカの種飛ばしたなぁとか、そういうのは記憶に残ってる。ただ、どんな経験も今の自分を形成しているのは確実で、当然だよね。そして大人になる中で、少しずつ自分と向き合いながら社交的になったり、感情を表すことができるようになってきた。あぁ、でも、やっぱり思い返しても夢みたいだな、子供の頃の記憶って。

MAQUIA 7月号
撮影/新田君彦〈えるマネージメント〉 ヘア&メイク/鈴木海希子 スタイリスト/辻村真理 モデル/鈴木えみ(マキアミューズ) 構成・文/森山和子 企画/吉田百合(MAQUIA)

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