まだ先のこととは思いつつ、今からちょっと不安……そんな「更年期」について、今からできる対策を高尾美穂先生が教えてくれました。
エイジングケア感覚で、早めの対策が吉
更年期のために今しておきたいこと
イーク表参道副院長。スポーツドクター。ヨガドクター。専門知識のわかりやすい解説が人気。著書は『いちばん親切な更年期の教科書 閉経完全マニュアル』(世界文化社)など。
アラサー&アラフォーからできる
10の更年期対策
更年期をなるべくラクに過ごせるようにするために、アラサー&アラフォーが今からできることを高尾先生がアドバイス。ぜひ今日から取り入れて。
1大豆食品を摂る
エストロゲンと似た働きをする
エクオールを産生できるかも
「大豆に含まれる大豆イソフラボンは、腸内細菌によって分解・代謝されてエクオールという成分に変わり、これがエストロゲンと似た作用をし、更年期対策に効果的。ですから大豆製品を継続して摂るのがおすすめ。1日に納豆なら1パック、豆腐なら2/3丁、豆乳ならコップ1杯程度を目安に摂って」
2エクオールをサプリメントで補う
エクオール産生能がない人は
サプリメントの利用を
「大豆イソフラボンを摂っても、腸内でエクオールに変換させる腸内細菌を持っていない人は、エクオールを作れず効果が得られません。エクオール産生能があるかどうかは市販の『ソイチェック』というキットで調べられます。産生能がない場合も、サプリメントで補うことができます」
A ゆらぎ期®は、1日の目安量の4粒で10mgのエクオールが摂れるエクエルを。エクエル 112粒 ¥4320/大塚製薬 B エクオールやγ-トコトリエノール、γ-トコフェロールなどを配合し、月経前の女性の変化をやさしくサポート。トコエル 1日3粒目安 7日分 ¥1296/大塚製薬 C エクオールのほか、亜鉛や燕の巣エキスなども配合。発酵大豆イソフラボン エクオールα プラス美容サポート 60粒 ¥3024/小林製薬
3適度な運動を習慣にする
運動を習慣にすると
更年期症状が予防・緩和できる
「適度な運動習慣をもつと、更年期のほてりや異常発汗、うつなどの改善に効果があることがわかっています。運動をするとよく眠れるようになり、それによって更年期のメンタルの不調が改善することも。ウォーキングなど自分が続けやすい運動でいいので、今から習慣にしておけば、更年期症状を軽くできます」
4良質の油を摂る
ホルモンの材料になるから
良質の油を選んで摂って
「油はホルモンの材料になったり、体の調子を整える脂溶性ビタミンの吸収を促す働きがあります。特におすすめなのは質のいい油のオメガ3系脂肪酸。オメガ3系脂肪酸には中性脂肪を減らす働きもあります。青魚に含まれるDHAやEPA、えごま油、亜麻仁油などに含まれるので意識して摂りましょう」
5自分の生理周期を把握する
どんなタイミングで不調が
出るか気づくきっかけに
「自分の生理周期を記録するなどして、きちんと把握しておくことも大切。どんなタイミングで、どんな行動をしたときにどんな体調になるかを、○╳△でメモしておくだけでもOK。自分がどんなときに不調が出やすいか気づけて、更年期のときに役立ちますよ」
6睡眠時間の確保
7時間+αは睡眠をとるよう心がけて
「更年期症状が出やすい人の多くは、睡眠不足だったりします。睡眠不足が続くとうつになりやすくなるというデータがありますし、免疫力を低下させてさまざまな病気のリスクを高める原因にも。最も長生きする睡眠時間は約7時間といわれているので、7時間+αの睡眠の確保を」
7リラクゼーション
香りや入浴などでリラックスする時間を
「忙しい現代人は交感神経が過剰に優位になりがちですが、そんな状態だと更年期になったときもイライラなど不調が起きやすくなります。アロマテラピーや入浴など、自分なりのリラクゼーション法を見つけておいて意識的に副交感神経を優位にすることを習慣に」
A 柔らかな泡で美肌ケアも。ビオエココスメージ イブニングバスフォーム 200ml ¥3300/レルボラリオ Bローズなどの精油をブレンド。ウーマンズバランス 5ml ¥2750/ニールズヤード レメディーズ C 睡眠前のリラックスに。グーテナハトスパークリングタブレット ホップ&バレリアンの香り。6錠 ¥1540/クナイプ
8ホルモン治療
HRTや低用量ピルで
症状を緩和できる
「更年期の不調は婦人科のホルモン補充療法(HRT)で治療ができ、症状を緩和できます。ただ、まだ生理がある40歳以下の人で、月経困難症やPMSなどの不調がある場合には低用量ピルが用いられます。低用量ピルを飲み続けておくと更年期世代を迎えてもホルモンのアップダウンに振り回されず、そのままHRTに切り替えられるので楽です」
9漢方治療
体質を改善して更年期の
さまざまな不定愁訴を改善
「更年期の治療には漢方薬を用いることも。漢方では体を巡る“気・血・水”のバランスを整えることで更年期の不調を改善していきます。生理痛や冷えなどさまざまな不調に効く漢方薬があるので、漢方医に相談しながら、今から飲んで体質を改善しておくのもいいと思います」
10ヨガで自律神経を整える
深い呼吸で副交感神経が優位に
「運動の中でも、更年期のメンタルの不調の予防・改善におすすめなのがヨガ。ゆったりとした呼吸とともに行うヨガは、副交感神経の働きをよくして自律神経を整える効果があり、メンタルが安定しやすくなるのです。自律神経を整える効果の高い“コブラのポーズ”がおすすめ」
コブラのポーズ
うつ伏せで脚を腰幅に開き、手を胸の横に置いて肘を曲げて脇を締め、息を吐く。吸いながら上体を起こし、肘を伸ばして斜め上を見て、ゆっくり呼吸をして10秒キープ。
MAQUIA 4月号
イラスト/きくちりえ〈Softdesign LLP〉 取材・文/和田美穂 構成/髙橋美智子(MAQUIA)
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